水管理、水質環境負荷の低減
基本的な考え方・方針
水資源の重要性は世界的にも社会的課題として認識されており、水資源の適正かつ効率的な利用により、使用量の削減を図ることが求められます。また、人の活動および環境保全に果たす水の水質及び機能が適切に保たれた状態での水循環への配慮に努めなければなりません。
レゾナックは、水不足を世界的な課題として認識し、グループ全体で水の有効利用と使用量の削減に取り組んでいます。また、事業活動で使用した水は処理を行い、環境負荷低減を図っています。
水の効率的な利用・使用量の削減
当社では、環境安全行動計画において水資源に関するグループ年間目標を定めています。各事業場において、それぞれの特性を考慮しながら水の効率的な利用や使用量の削減を積極的に進めるとともに、排出する水質の維持・向上にも取り組んでいます。
特に水不足(水ストレス)が懸念される地域の事業所においては、積極的に地元のステークホルダーと水の利用、節水について対話を行っています。東長原事業所では県との対話を通して、同事業所が所有する戸石川旧水槽を水ストレスが高くかかる周辺地域(消防水利の確保が困難な地域)において消防水利設備として利用できるよう、県からの許可を受け提供しています。また、同事業所が所有する旭ダムにおいて、近年多発傾向にある台風や線状降水帯がもたらす大雨による洪水のリスクに備えるため、国土交通省北陸整備局と「阿賀野川水系治水協定」を締結して国が進める水害防止対策の強化に協力しています。
TOPICSエレクトロニクス事業本部生産センターの取り組み
エレクトロニクス事業本部生産センターでは、原単位年1%改善を環境目標として水使用量削減に取り組んでいます。毎月の環境管理委員会で各部門の原単位改善状況を確認し、水使用量削減目標の達成に努めています。
下館事業所では、熱交換器の効率向上による冷却水使用量の低減、地下埋設配管の老朽化更新による水漏えい対策、チラー設備増設による冷却水循環利用量増量等を行いました。この結果、地下水使用量の約70%を削減することができました。今後も改善を継続していきます。
水質環境負荷低減に向けた取り組み
当社では、法令や条例の規制値に基づく管理値を定め、COD(化学的酸素要求量)、BOD(生物化学的酸素要求量)、窒素、リンなどの水質汚濁物質の排出量のモニタリング・負荷低減に努めており、継続的に対前年度で削減することを目標としています。
国内の主な生産拠点では、各プラントの排水を集め、中和処理や固形物除去などの処理を行っています。また、有機物が含まれる排水は微生物を利用して有機物を分解する活性汚泥処理を行っています。活性汚泥処理が難しい排水については、吸着処理、凝集分離、燃焼処理等を実施しています。公共用水域への排水路はモニタリングしており、排水処理の不具合等で高負荷排水が発生した場合には、排水口に設置されている遮断設備によって外部へ漏洩させない仕組みになっています。