生物多様性保全
取り組み方針
当社は、生態系が織りなす美しい景観と豊かな天然資源を次世代に引き継ぐため、以下を基本的な考え方として生物多様性保全に取り組みます。
- 当社の事業活動が生物多様性に与える影響を評価し、その影響の低減に努める。
- 失われる危険のある生物多様性を回復する。
- ステークホルダーとの対話や協働により取り組みを改善する。
取り組みのロードマップ
TNFDの開示推奨項目やアプローチを参考に当社のサステナビリティ戦略のロードマップと整合した生物多様性保全のロードマップを策定しました。
TNFD Adopter に登録
レゾナックは、自然関連財務情報開示タスクフォースTNFD(Task force on Nature-related Financial Disclosures)が2023年9月に公開した提言に賛同し、2024年6月にTNFD Adopter、およびTNFDフォーラムに登録を行いました。 当社は、今後も生物多様性を保全することが、生態系の生み出す自然回復力にとって重要であるとの認識のもと取り組みを進めるとともに、TNFD提言に沿って自然関連課題(依存・影響、リスク・機会)の特定、評価などの検討を進め情報開示を行っていきます。
取り組み事例
生物多様性保全についての取り組みとしては、緑地の適正確保・管理、排水による環境負荷低減への積極的な取り組み等、事業場内で行う活動に加え、事業場が単独あるいは地域のステークホルダー(行政、団体等)と協働して周辺の海岸、河川、湖沼の清掃活動を行うなどの自然環境整備も行っています。
2022年には、喜多方事業所内を流れる水路に生息する水生生物の調査を行い、希少生物の保護や地域の生物多様性保全への貢献につなげる取り組みを行いました。この調査では、アブラハヤ、ウグイ等の魚類の他、二ホンアマガエルやツチガエル等の両生類、ミズカマキリやマメゲンゴロウ等の昆虫類、その他貝類等、多くの種類の生物の生息が確認できました。
海外グループ拠点であるレゾナックHDシンガポールの現地法人においては、政府が主催する海洋の生物多様性と環境保全を目的とした"Project Blue Wave"に賛同し、カヤックで湖の清掃活動を行う等、国立庭園の清掃ボランティアへ参加しました。
長野県の大町地区では地元の水資源を活用して事業活動を行っています。毎年、特に水力発電所でお世話になっている地元の漁協の皆さんと共同で、木崎湖・青木湖・中綱湖の清掃を実施しています。
富山事業所では富山県全域で実施されている「みんなできれいにせんまいけ大作戦」に参加し、近くの岩瀬浜海岸で漂着ごみの清掃作業を行っています。
当社では、事業場の工業用水として利用している霞ケ浦(茨城県)流域の環境悪化防止と生態系保全等を目的として、地域行政並びにNPO法人と協働して「霞ヶ浦周辺環境再生事業」へ取り組んでいます。
当社は、植物の生育を促進し、ストレスを緩和するバイオスティミュラント資材(生物刺激剤)「KROPICO」(※肥料登録番号生第105862号)の日本国内での本格販売を開始しました。化学合成物質を一切配合しておらず、世界で初めて機能の異なるオリゴ糖 を数種類処方しています。本製品を使用することで、作物の健全な育成が図られ、肥料・農薬の使用量を減らすことができ、それらの生産にかかわるCO₂排出抑制、過剰使用による環境汚染低減が期待できます。