循環型社会の実現
取り組み方針
当社は製品の設計・開発から廃棄までの製品ライフサイクル全体に配慮し、各事業および研究開発部門での活動を推進し、廃棄物の再資源化と資源の効率的な利用に取り組んでいます。循環型社会の実現に向けては右記の観点で取り組み、今後は具体的な目標やKPIを検討していきます。
- 設計/開発:鉱物・化石由来などの資源の使用量削減、循環型原材料の使用、廃棄物の発生抑制、リサイクルの容易性向上、製品寿命の延長、製品のライフサイクル環境影響の定量化
- 製造:製造・製品のライフサイクル全体に関わるエネルギー、水その他の資源の最小化
- バリューチェーン:サプライヤーやお客さま、行政、自治体、国際団体などのさまざまなステークホルダーとの共創
LCAの活用
ライフサイクルアセスメント(LCA)は製品サービスのライフサイクルにおける環境負荷を定量的に評価する手法です。
当社は、LCA評価手法をベースに、製品ごとの温室効果ガス排出量の算出(カーボンフットプリント(CFP)算出)の取り組み体制を構築しています。また、研究開発におけるCFPの取り組みにも着手しており、製品開発段階から温室効果ガス排出量を定量化・可視化することで環境に配慮した製品設計につなげています。

製品ライフサイクル
取り組み事例:使用済みプラスチックから低炭素アンモニアの製造
当社川崎事業所(神奈川県川崎市)は、使用済みプラスチックを原料に製造している「低炭素アンモニア」が、化石燃料を原料にしたアンモニアと比べて、製造過程で排出されるCO2などの温室効果ガス(GHG)が80%強削減されていることを確認しました。当社が実施したCO2排出量計算プロセスは第三者機関(一般社団法人日本LCA推進機構:LCAF)によってISO (世界標準化機構)基準に適合していることが認められ、使用済みプラスチックを原料に製造している当社製の低炭素アンモニアは国内で唯一、第三者機関の裏付けのある環境性能に非常に優れたアンモニアであることが確認できました。 アンモニアは燃焼時にCO2を排出しない新時代の燃料として、また水素のエネルギーキャリアとして期待され、脱炭素社会へ向けた需要拡大が見込まれています。しかし、化石燃料を使った従来の製法では、製造過程で大量のCO2が排出されることが大きな課題となっていました。
こうしたなか、当社製の低炭素アンモニアは、使用済みプラスチックを原料とするだけでなく、製造過程でも化石燃料や化石燃料由来のエネルギーを使わないことで「CO2排出80%強削減」を実現しています。循環型社会や化石燃料の削減に対応し、かつ脱炭素社会への貢献が期待される環境性能の非常に優れたアンモニアであることが第三者機関(一般社団法人日本LCA推進機構:LCAF)の裏付けにより確認されました。
「プラスチック資源循環」と「脱炭素」の両方に貢献する
アンモニアは燃焼時にCO2を排出しない新時代の燃料として、また水素のエネルギーキャリアとして期待され、脱炭素社会へ向けた需要拡大が見込まれています。しかし、化石燃料を使った従来の製法では、製造過程で大量のCO2が排出されることが大きな課題となっていました。
こうしたなか、当社製の低炭素アンモニアは、使用済みプラスチックを原料とするだけでなく、製造過程でも化石燃料や化石燃料由来のエネルギーを使わないことで「CO2排出80%強削減」を実現しています。循環型社会や化石燃料の削減に対応し、かつ脱炭素社会への貢献が期待される環境性能の非常に優れたアンモニアであることが第三者機関(一般社団法人日本LCA推進機構:LCAF)の裏付けにより確認されました。


世界で唯一、ガス化ケミカルリサイクルプラントを長期安定運転
CO2はドライアイスや炭酸飲料に再利用
当社は、1930年に肥料の原料用として国産アンモニアの製造をスタートさせました。2003年からは、使用済みプラスチックをアンモニアなどの化学品原料にリサイクルする「プラスチックケミカルリサイクル事業」(当社では「川崎プラスチックリサイクル(KPR)」と呼称)に取り組んできました。2015年にはKPRで使用される低炭素水素を原料の一部に使用した当社のアンモニアは、製造プロセスとして世界で初めてエコマークを取得し、「エコアン(ECOANN)」と呼んでいます。
今回、「CO2が排出量80%強削減」が確認された環境性能に非常に優れたアンモニアとは、このKPR由来のアンモニアのことを指します。
KPRでは、家庭や企業からゴミとして排出される使用済みプラスチックを原料に、高温でガス化し分子レベルまで分解して水素とCO2を取り出しています(ガス化ケミカルリサイクル)。運転中に化石燃料をまったく使わないため、熱交換率は100%です。ここで取り出された水素は主に低炭素アンモニア「エコアン」の原料になり、一方のCO2は大気中に放出することなくグループ会社の株式会社レゾナック・ガスプロダクツにおいてドライアイスや炭酸飲料、医療用炭酸ガス向けの原料に使用するなど、資源循環を実現しています。
なお、ガス化ケミカルリサイクルプラントを20年近く長期にわたって安定運転しているのは、KPRが世界で唯一です。

使用済みプラスチックの化学原料リサイクル事業
使用済みプラスチックリサイクル累計100万トンを達成 数々のアワードを受賞
KPRにおけるプラスチックリサイクルの処理量は1日約200トン、年間約6万トンになり、2022年1月には累計100万トンを達成しました。
こうした取り組みは2015年から環境省の「地域循環型水素地産地消モデル実証事業」に採択され、さらに2016年の「エコマークアワード銀賞」受賞、2020年の「地球環境大賞 日本経済団体連合会会長賞」「グリーン購入大賞 大賞・経済産業大臣賞」受賞など、高く評価、期待されています。
化石燃料をまったく使わない使用済プラスチック由来のみを使用したアンモニア製造を目指して
現在当社では、使用済みプラスチック由来の低炭素水素を50%、化石燃料(都市ガス)由来の水素を50%の割合で使用してアンモニアを製造しています。将来的には化石燃料をまったく使わない、使用済みプラスチック100%使用による低炭素アンモニアの製造を目指しています。当社はケミカルリサイクルとプラスチック資源循環のため、世界で唯一のエコロジーな化学品を安定的に提供することにより、化石資源の削減と脱炭素社会に貢献します。

川崎プラスチックリサイクル
プラント(KPR)