人材開発

取り組み方針

従業員それぞれが自分の価値観、強み、志向を理解し、自分らしい形でレゾナックのバリューを体現すること、また社内外の人達と高いレベルで「共創」することで、レゾナックは「化学の力で社会を変える」というパーパスを実現することができます。
レゾナックが求める「高いレベルでバリューを体現し、周囲や社会によい影響を与える人材」を創出するために、成長が促進される環境、優秀な人材を選び、選ばれる組織を目指します。

レゾナック従業員、リーダー、組織・人材開発部門の役割

従業員の役割

  • 自分自身のキャリア形成に当事者意識(キャリアオーナーシップ)を持ち、自分の才能・ポテンシャルを信じ、研鑽し、社会に表現することで、ステークホルダーに価値として還元する。
  • 社内外の人々との真摯な対話を通じ、自身の価値観、強みを再発見する。
  • 多様な人々との対話、課題解決に向けた協働、プロフェッショナルとしての価値提供を通じ、新しい自分と出会い、周囲も自身も成長していく「共創型の成長」を志向する。

各職場のリーダーの役割

  • メンバーそれぞれの価値観、強み、ポテンシャル、ライフ・キャリアへの多様な志向を理解し、キャリアオーナーシップを持った部下のキャリア形成・能力開発を支援する。
  • チームの心理的安全性を醸成し、部下の仕事を通じたアイデアの創発、チャレンジを促進する。
  • 個人の失敗はチームの学習の機会と捉え、個人の成功はチームの称賛の機会と捉え、それを実践する。

組織・人材開発部門の役割

  • キャリアオーナーシップを持ちレゾナックのパーパス・バリューを実現しようとする人材のキャリア・能力開発を支援する。
  • 多様なキャリア志向・能力開発ニーズに合わせた学習・成長の機会獲得を支援する。

タレントマネジメント

パーパス・バリューを高いレベルで体現できるリーダーの早期発掘・育成を実現するため、タレントマネジメントに注力しています。

タレントマネジメントの最初の取り組みとして、2022年より各部門において主要ポジションの後継候補者を選抜し可視化するとともに、各候補者の個別育成プランを作成開始しました。また、経営陣が全社最適視点で組織課題や後継者候補・次世代リーダー候補人材についてオープンに話し合う場として「全社タレントレビュー」を発足し、各部門で作成した後継者計画の内容や人材育成方針について議論するとともに、レゾナックグループ全体として管理するタレントプール(次世代リーダー候補者の母集団)の構築に取組んでいます。

さらに、2023年からは、人材マネジメントシステム(SAP Success Factors)を海外も含めたグループ会社全体で導入し、タレントマネジメントの取り組みをグローバルで加速しています。
その重要な柱の一つとして、「全社タレントレビュー」の実施範囲を国内単体の全リーダーポジション(約1,300)に拡大し、CEOをオーナーとするボトムアップでのタレントレビューを実施しました。その結果、対象ポジションの約90%超にて後継者計画が策定され、システムへの登録が完了するとともに、職場単位で人材育成に関する議論が始まっています。

2024年からは、タレントレビューの対象をさらにグローバルに拡大し、海外のハイポテンシャル人材の可視化や国を超えたアサイメントの適用の検討を開始します。また、国内外のグループ会社を対象にグローバルグレード適用を開始し、SuccessFactorsを使用してのMBOプロセスの実施を開始するなど、グローバルにタレントマネジメントを行うための制度展開も進めています。

成長機会の提供

パーパス・バリューを体現する共創型人材の創出に向け、「自身のキャリア観を通じたパーパス・バリューの自分ごと化」「多様なキャリア開発・能力開発ニーズに応える学習機会の提供」「多様な社員が互いの専門性を知り活用するきっかけとなる場づくり」を重視して、人材育成施策を構想しています。

レゾナックが求める人材像、キャリアの描き方、1on1を含む効果的な対話、目標管理・評価の運用などを体系的にまとめたデベロップメント・ガイドを作成し、当社でキャリアをどう築いていくのか、自己のキャリア像を描くヒントとして従業員に活用してもらうと共に、その実現のために何を経験・学習していくか、具体的なアクションの整理につなげる後押しをしています。

キャリア・能力開発機会の一例

  • 各人のライフ・キャリアのステージに合わせたキャリア研修の展開
  • 1000を超えるコースから個々の能力開発ニーズに応じて学びを選択できるeラーニングサービスの展開により、リスキルや将来のキャリア形成に向けた能力開発を支援。組織の枠を超えたナレッジや事例の共有、社外の専門家を交えたネットワーキングの場の提供など、希望者が取り組める内製の学習コンテンツも構築
  • 入社4年目以降の若手社員が海外での就業機会を獲得できる海外トレーニー制度
  • 若手の優秀層に各人のキャリア志向に合わせて「対人影響力」「事業構想力」「グローバル」の3つのコースのいずれかに手を挙げることができる早期選抜プログラムを展開
  • マネージャーが部下との対話力を向上させるための基礎知識・スキルを学ぶ共創型リーダーシップトレーニング
  • アンコンシャスバイアス、心理的安全性、ファシリテーションなどの共創に役立つ知識・スキルを学ぶ共創型コラボレーション力強化研修

TOPICS共創型リーダーシップトレーニング

人材育成力の高い組織を目指して、共創型リーダーシップトレーニングを2022年10月より実施しています。2024年5月末時点の受講者数は1,448名。部下を持つマネージャーや、OJT等で後進の育成にあたる非管理職の社員も多数受講しています。
共創型リーダーシップトレーニングはレゾナック設立前に行われたエンゲージメントサーベイの結果を受け、ピープルマネジメントの基本的な知識・スキルの再学習・実践確認のために実施しており、MBOの理解や、効果的なOJTのポイント、適切なフィードバック・コーチングについて学習する内容です。

研修内に豊富に設けられたグループワーク、ロールプレイにより、理解だけでなく、実践状況を参加者が振り返ることができる内容です。研修講師は社内講師が担当しています。
研修参加者向けのアンケートでは92%が研修内容に満足、95%が研修内容が有用であると回答、96%が学習内容を職場ですぐに実践するイメージが持てたと回答しています。
2024年から海外展開を推進しており、欧州、中国、米国、東南アジアでの社内講師を育成し、トレーニングを実施しています。今後もレゾナックグループの人材開発の土台となる施策として継続的に展開していきます。

キャリアオーナーシップを促す機会の提供(社内公募制度)

従業員のキャリアオーナーシップに対する意識を育み、自発的なキャリアを築く機会を提供する施策として、タレントマネジメントシステムで社内公募案件を公開し、従業員が自ら異動に対して手を挙げられる社内公募制度を運用しています。従来の異動・配置のあり方に囚われないキャリア形成、共創の機会を活かし、2023年は80件の社内公募が成立しました。

次世代経営・事業リーダーの育成

海外の関連会社も含めたタレントマネジメントプロセスを構築し、就業する法人、国籍、性別、年齢に関わらず、当社のパーパス・バリューに共鳴し、パフォーマンス・ポテンシャルが高い人材に対して、登用・成長機会の提供を進めていきます。
次世代リーダーそれぞれにあった能力開発機会を提供するべく、リーダーシップの特徴や経営リテラシーをアセスメントし、フィードバックを行っています。各次世代リーダー人材は、各人の強み・特徴にあわせて上司と共に個別能力開発プランを検討します。
個別能力開発プランに沿った成長を加速すべく、短期のリーダーシッププログラム、MBA(経営学修士)、MOT(技術経営)などのカタログを提供し、各人のデベロップメントニーズに合う成長機会の獲得を支援しています。