レゾナックナウ

終身雇用は保証しない

2024年02月02日

第二回目は「終身雇用は保証しない」。世界トップクラスの機能性化学メーカーを目指しているレゾナック。社長の髙橋が、最も注力しているのが、個の能力を高めるための人材育成と組織文化の醸成です。そんな髙橋が「終身雇用は保証しない」ワケとは?言葉の裏側に隠されたホンネを紐解きます。

2023年1月に昭和電工と昭和電工マテリアルズ(旧・日立化成)が統合して生まれたレゾナック。本連載「社長•タカハシ 本音のホンネ」では、代表取締役社長・髙橋秀仁の歯に衣着せぬ発言の裏にある「本音のホンネ」をご紹介します。

タカハシの本音の「ホンネ」は?

「終身雇用は保証しない」

髙橋が、入社式・内定式で新入社員に向けて伝えるという衝撃的な言葉。しかし、その言葉の裏には「その代わりに、どこに行っても通用する人材に育てる」という確固たる意志が込められています。

AIやIoTなど技術の発展が著しい昨今、業界を問わず産業構造が急速に変化しています。そのような将来の不確実性が高まるなかで、一企業が終身雇用を保証する意味があるのでしょうか?それよりも、あらゆる業界で活躍できる人材を育てるほうが、従業員のためになる。そんなモデルケースを作りたい、と髙橋は語ります。

日本の産業を活性化したい。そのためにも、レゾナックは、こんな人がうちの会社で働いてくれたら、と業界問わず思えるようなビジネスパーソンを育てる『道場』でありたいんです。そんな会社こそが、真に従業員に優しい会社だと思います」

さらに、社員に限らず、若い世代へのメッセージを問われ、髙橋は「まず世界を見ること」「2つ選択肢があったら難しい方を選べ」の2つを挙げました。

「僕は、ビジネスパーソンの価値は潜った修羅場の数の積分値だと思っています。修羅場を増やすために難しい方を選ぶ必要があります。日本のCEOは60代前後が多いですが、欧米のCEOは50代前後。それでも、どちらのパフォーマンスが高いかというと欧米の方が高い。経験量が違うんです。長い下積みなんかやる必要はない。入社した時から若い社員にはたくさんの経験をしてもらって、次世代のリーダーを育んでいきます

旧昭和電工と昭和電工マテリアルズ(旧・日立化成)が統合して生まれたレゾナック。統合当初から髙橋はレゾナックの価値の源泉を、「共創を創出する人材」と位置づけてきました。そんな強い思いをグループ内に伝えるために、国内外問わず、2022年は70拠点、2023年は81拠点を回るラウンドテーブルミーティングを開催しました。

化学の力で社会を変えるために、まず日本の産業をより活気あるものにしたい。そのためには、社員全員が「共創型人材」でなければならない。今回紹介した「終身雇用は保証しない」という言葉の裏側には、経営者としての確かなビジョンから生まれた「ホンネ」が隠されています。

髙橋の口から、次はどんな言葉が飛び出すのでしょうか?

動画でより詳しく!

髙橋秀仁プロフィール

1962年、東京都出身。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)、日本ゼネラル・エレクトリックなどを経て、2015年に昭和電工入社。常務執行役員などを経て、22年1月に社長就任。23年1月レゾナック・ホールディングス発足に伴い現職。

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