安全・衛生マネジメント

価値創造への使命

安全*は製造業であり続けるための「資格」であり、レゾナックの価値創造を支える重要な基盤です。レゾナックは、高度で複雑な化学技術と製造プロセスを併せ持つ企業として、設備やルールの整備だけでなく、「人と人が対話し、安全最優先で判断できる組織づくり」を中心とした安全文化の醸成に取り組んでいます。グループ一体となり、すべての働く仲間が安心して働くことができる環境を実現し、事故災害ゼロに向けた挑戦をグローバルに推進します。
*「安全」には保安防災を含む

取り組み方針

当社は、『安全とコンプライアンスはすべてに優先する』の基本理念のもと、「安全衛生保安環境方針」を定めています。従業員、協力企業、コントラクターなどのパートナーを含むすべての働く仲間の安全と健康を守ることを経営の最優先事項としています。火災や有害物の漏洩など、外部へ影響を与える重大事故の防止についても、法令順守より高い水準での安全、防災管理を推進しています。この方針を具体的な行動として示すために、「管理者の安全管理行動規範」「従業員の安全行動規範」と「安全行動10則」を策定しています。これにより、管理者や従業員が「すべきこと」と「してはいけないこと」を明確にしています。安全行動規範と安全行動10則はeラーニングを通じて、グローバルに浸透させています。従業員一人ひとりが各職位に応じた責任を持ち、安全行動を実践することで、事故災害ゼロの達成に向けた取り組みを進めています。当社では、環境・安全・衛生に関する各種法令を、法令と同等もしくはそれ以上の基準で業務を行えるようにルール化しています。各事業場はレゾナック規程から作業リスク特性に合わせて業務ガイドライン・手順を作成し、高い安全基準で作業が行えるよう環境を整備しています。また、それらガイドライン等は当社全体の労働災害の発生状況、法令改正、内部監査結果を踏まえて定期的に見直されます。また、火災、爆発、化学物質の漏洩、自然災害などの緊急事態を想定した対応体制および手順を整備しています。各事業所において、緊急時の連絡体制、初動対応手順、および被害拡大防止策を定め、定期的な防災訓練を通じてその有効性を確認しています。

安全衛生保安環境方針

レゾナックグループは、「経営理念」に則り、「安全衛生」、「保安防災」、「環境」の適切な管理を最優先事項として以下に取り組み、グループの持続的な成果と、持続可能な社会の実現に貢献します。

  1. 1. 「安全とコンプライアンスは全てに優先する」ことを全従業員が共有し、行動します。
  2. 2. 適用法令や方針、基準等を理解し遵守します。
  3. 3. 不安全行動・不安全状態を排除し、自身と働く仲間を事故・災害から守ります。
  4. 4. 安全操業、保安防災管理を推進し、従業員と公共の安全を確保します。
  5. 5. 汚染予防、環境負荷の低減等に取組み、持続可能な循環型社会の実現を目指します。
  6. 6. グループ環境安全管理システムに基づいて、リスクを管理し、システムを継続的に改善して、労働安全衛生保安環境管理の水準の向上を目指します。

株式会社レゾナック
CMEO 新保 尚文
(制定:2025年1月1日)

「管理者の安全管理行動規範」

<規範‐1 責任と信念> 「全ての災害は防ぐことができる」の信念を持ち、職場の最高責任者として安全を確保します。
<規範‐2 率先垂範>  率先垂範して職場で働く人達が凡事徹底を行う風土を醸成します。
<規範‐3 協働①>  具体的な計画を策定し、安全活動を推進します。
<規範‐4 協働②>  作業手順等を定め、部下及び作業者に徹底させます。
<規範‐5 協働③>  安全教育を実施し、部下や作業者の安全意識、危険感受性の向上を図ります。
<規範‐6 心理的安全> 職場の融和、コミュニケーションを大切にし、良好な職場づくりに努めます。
<規範‐7 未来への投資①> 自ら進んで職場の危険要因を掘り起こし、その排除に努めます。
<規範‐8 未来への投資②> 異常時の措置方法を定め、訓練により対応力を高めます。
<規範‐9 継続的改善①>  職場を巡視し、不安全状態や不安全行動、ルール違反は、直ちに是正します。
<規範‐10 継続的改善②>  職場を熟知し、自らの感受性及び管理能力を向上させます。

「従業員の安全行動規範」

  1. 1. 私たちは、安全を最優先で行動します。
  2. 2. 私たちは、災害を未然に防止するために関係法令、ルールを遵守します。
  3. 3. 私たちは、業務ごとに定められた手順に従い、安全な作業を実施します。
  4. 4. 私たちは、安全に関する知識と技能の習得に努め、より安全な作業を実践します。
  5. 5. 私たちは、健全で活発なコミュニケーションをとり安全・安心な職場づくりに努めます。

推進体制

レゾナックの労働安全衛生管理の最高責任者は代表取締役社長です。各事業部・事業所には環境安全責任者を配置し、安全管理に取り組み、本社スタッフ部がこの取り組みを支援する体制を整えています。当社は、安全を現場任せにせず、経営レベルの重要課題として位置づけ、経営層自らが安全に関する意思決定とメッセージを全社へ配信しています。経営陣との安全に関する情報共有は、原則として隔週で開催される安全会議で行われ、災害状況だけでなく、現場から抽出した課題から未然防止のための対策が検討され、全社への指示が展開されます。各事業所では、事業所長と環境安全責任者が中心となり、環境安全行動計画に基づいて、労働安全衛生に関する活動を進めています。労働安全衛生に関する労使協議は、社長や会社の代表者と労働組合の代表者が参加する労使経営会議で行われます。また、各事業場では労働安全衛生法に基づいた安全衛生委員会などを設置し、会社と労働組合メンバーが安全衛生に関するディスカッションや諸活動を行い、労使一体となった安全・健康の促進に取り組んでいます。

レゾナック環境安全衛生マネジメントシステムの運用

レゾナックの各事業場・関係会社では労働安全衛生、保安防災に関するリスクを一元管理するために、独自の環境安全マネジメントシステムを構築しています。このシステムはISO14001(環境管理)やISO45001(労働安全衛生管理)、PSM(プロセスセーフティマネジメント)に基づいており、マネジメントシステムの継続的な改善を目指しています。これにより労働災害と重大な事故の発生を防ぎ、経営リスクを低減しています。

関連リンク

また、労働安全衛生マネジメントシステムの有効性を確認するため、少なくとも3年ごとに内部または外部による安全衛生監査(ISO45001等)を実施しています。監査結果はマネジメントレビューに報告され、是正措置および継続的改善に活用されています。

 

長期ビジョン実現に向けた戦略

2030年のありたい姿と状況

分類ありたい姿取り組むべき課題2025年実績

2026年計画

安全文化の醸成
  • トップのリーダーシップのもと、従業員が安全最優先の文化を共有している
  • 安全文化醸成度が計測でき、それに基づいた継続的改善をしている
  • グループ内でグッドプラクティスが共有され、活用されている
長期の課題
  • 労働災害、事故件数ゼロの実現に向けて、高い安全意識とスキルを持つ人材の育成
直近の課題・問題意識
  • レゾナックグループの安全文化・基盤の確立
  • トップの安全メッセージを引き続き配信
  • 安全文化の定着を測るサーベイ方法確立
  • 対話型安全巡視(SCP※1)活動の拡大、高度化
  • トップの安全メッセージを引き続き配信(継続)
  • 安全意識調査の開始と調査結果に基づく改善
  • 対話型安全巡視(SCP※1)活動の拡大、高度化(継続)
  • グループ内の安全グッドプラクティス事例収集拡大と共有、良い事例の表彰実施
安全基盤の確立
  • グローバル統一のリスクベース安全管理システムが、浸透している
  • 安全管理状態がKPIで見える化されており、それに基づいてPDCAサイクルで改善がなされている
  • グローバルで共通のガイドラインが整備され、活用されている
  • レゾナック環境安全マネジメントシステムのグローバル運用開始
  • 環境安全支援システム稼働
  • 各種安全ガイドラインの活用開始

レゾナック環境安全マネジメントシステムのグローバル運用開始(継続)

  • 環境安全支援システムのグローバル展開開始
  • 各種安全ガイドラインの活用(継続)
安全活動の活性化
  • 安全活動状態がKPIで見える化されており、それに基づいてPDCAサイクルで改善がなされている
  • 危険予知訓練(KYT)、リスクアセスメント、安全配慮義務教育による基本的な安全活動の展開
  • 危険予知訓練(KYT)、リスクアセスメント、安全配慮義務教育による基本的な安全活動の展開(継続)
  • 安全体感教育展開
  • 工師※2制度開始
  • ※1SCP=Safety Communication Program管理・監督者が現場パトロールを実施し、よい行動を賞賛しながら不安全行動を指摘し、共に問題を解決していく相互啓発型活動。
  • ※2 工師=製造現場における環境、安全、品質などのエキスパートとしての職位。事業所の模範となる存在で、「安全最優先の風土づくり」「現場の課題発見と改善」「未来を担う人材の育成」を主な職務としている。

KPIの目標と実績

当社は、サステナビリティを全社戦略の根幹に位置づけ、サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)を特定しています。各マテリアリティの達成に向け、安全・衛生分野においては、下記KPIを設定し、長期ビジョンの実現を目指しています。

重要項目(KPI)2025年目標2025年実績2030年目標
安全文化の醸成事故災害ゼロに向けた安全文化の確立
  • トップの安全メッセージの配信
  • 従業員による「私の安全宣言」
  • 安全意識向上と上司との対話の機会創設
  • 対話型安全巡視(SCP)の継続・改善
事故災害ゼロに向けた安全文化の確立
労働災害*重大労働災害ゼロ(全グループ)重大労働災害1件(全グループ)
※協力企業を含む
重大労働災害ゼロ(全グループ)
休業災害度数率0.1以下(日本)0.43(日本)0.1
設備事故重大設備事故ゼロ(全グループ)重大設備事故0件(全グループ)重大設備事故ゼロ(全グループ)
  • 障害認定の対象(労働基準法障害等級1~7級)となる場合、または死亡を重大労働災害と定義する。

安全衛生教育

災害や事故を防ぎ、ベテランの退職や人の入れ替わりによる安全・環境管理の劣化を防ぐため、管理者や監督者および作業者の安全意識を高めることが重要です。コーポレートによる共通教育に加え、各事業所では安全教育の年間計画を作成・実施し、教育の効果を確認しています。 以下は、本社が主催した労働安全関連研修(日本国内)です。参加者は、研修内容を各職場に持ち帰り、安全活動に活用しています。

本社主催 2025年:労働安全衛生関連研修会(国内)出席者数

開催日研修会名対象者出席者数
2025年6、7、9、10月(4回)ISO14001、ISO45001内部監査員研修事業場希望者117
2025年6、7、10、11月(4回)製造班長セミナー班長、班長候補者81
2025年4、9月(2回)製造主任セミナー班長、班長主任、主任候補者45

TOPICS班長・主任スキルアップ活動

製造現場の班長を対象に製造班長セミナーを実施しています。このセミナーでは、「4R-KYT*」や班長としての心得を学びます。また、事業所からニーズの高い主任層への教育強化として、2025年4月からは製造主任セミナーも新たに開始しています。このセミナーでは、製造現場の主任に求められる安全への配慮義務やリスク評価、対話型安全巡視(SCP)について学びます。各セミナーは年2~4回の頻度で、毎回20名前後が参加し、事業所の枠を超えて交流しながら学びを深めています。
*4つのラウンド(現状把握、本質追究、対策樹立、目標設定)で進める危険予知訓練

労働安全衛生マネジメントの対象範囲と当社の責任

当社の労働安全衛生マネジメントは、当社従業員に加え、当社事業所内で業務を行う請負業者(コントラクター)も対象としており、業務に伴う安全衛生上のリスク評価、教育・訓練の実施、安全ルールの遵守状況の確認を行っています。しかしながら、2025年度において、当社事業所内で業務を行う請負業者(コントラクター)に関し、業務に起因する死亡事故(転落災害)が1件発生しました。当社はこの事実を極めて重大なものとして厳粛に受け止め、事故発生直後より、関係当局と連携のうえ、徹底した原因究明を行いました。また、再発防止に向けた取り組みとして、関係者への再教育の実施に加え、同種および類似作業に関する安全対策の点検・確認を全事業場で実施しました。当社は、当社従業員および協力企業を含むすべての働く仲間の安全を守ることを最優先事項と位置づけており、この事故を二度と繰り返すことのないよう、安全管理の一層の強化と、実効性のある再発防止策の徹底に取り組んでいきます。