「奇跡の1枚」の写真が示すチーム髙橋の改革とは
日経統合報告書アワード2022グランプリ受賞の裏側①
2023年04月21日

新生レゾナックの航路を示す指針として、2022年7月に発行した昭和電工グループの統合報告書「SHOWA DENKO Report2022」が、日本経済新聞社が主催する「第2回日経統合報告書アワード*」でグランプリを受賞しました。サステナビリティ部の担当者に制作の表と裏を2回にわたって聞きました。第1回は制作の表側をお伝えします。
- ※ 2022年度は387社・団体が参加。日本経済新聞社が主催、金融庁、日本公認会計士協会が後援。3か月にわたる審査は、400名以上の機関投資家、学識経験者が、財務・非財務情報を包括し、積極的に情報開示をする企業を表彰するもの。
「化学は世界の課題をカラフルに解決できる」

昭和電工統合報告書 SHOWA DENKO Report2022表紙
2022年の年明けから7カ月の期間でまとめられた102ページの冊子は、まず白地にさまざまな色が織り混ざった表紙が目を引きます。全体のコンセプトは~「始動-moving as one-」髙橋新体制が始動し一つとなって動き出す~。「無」を示す白地を背景に、統合した昭和電工と昭和電工マテリアルズ(旧日立化成)両社のコーポレートカラーに加えてさまざまな色を使い、ワンチームとして船出する決意と、「化学の力で社会を変える」という統合新会社のパーパスの無限の可能性が表現されています。レポートの「編集長」というべきサステナビリティ部長の松古樹美(なみ)さんが語ります。「BtoB業種の中でもとくに社会から遠い存在と思われる化学ですが、あらゆる産業の起点として多種多様な、カラフルな社会課題の解決方法を提供できる。そんな思いを込めました」

サステナビリティ部長の松古
今回グランプリを受けたのは、前身をさかのぼると四半世紀の歴史を持つ由緒ある賞。数多の報告書を読んできた審査員から、高い評価を受けたのは巻頭の髙橋秀仁CEOのメッセージでした。カラフルな表紙をめくると目に飛び込んでくるのが、白いシャツにパーカー姿の髙橋CEO。松古さんが「奇跡の1枚」と呼ぶ写真に続く6ページの記事には、「チーム髙橋」が目指す統合新会社の経営理念、人材創出企業への思いが自身の感情の動きもまじえて綴られています。「CEOのメッセージは本来、会社の全体像を語るもの。一つの賭けでしたが、写真と記事で、中途半端ではなく本当に変わるんだ、その変化は不可逆的なんだというインパクトと、信頼でつながるチーム髙橋の姿を示せたかなと思っています」

CEOメッセージのページ
「三本柱を軸に経営も巻き込んで」
レポート全体は21年のレポートを下敷きに企画されました。サステナビリティ部企画・開示グループのグループマネージャーの秋葉美穂さんは「もともと報告書制作はCSRのセクションが主に担当していたのですが、今回はいろいろな部署の方々に加えてCFO、CSOなど経営陣を巻き込み、企画会議を立ち上げるところからスタートしました。両社が統合するプロセスの中で、レゾナックが今後どうしていきたいのか、どういうことを期待されているのか、知らない人でもこれを読めばわかる一冊にしたいという想いで制作を進めました」と振り返ります。

サステナビリティ部企画・開示グループマネージャーの秋葉
制作メンバーは松古さん以下14人。IR部や経営企画部、ブランド・コミュニケーション部などの社員が企画制作にあたりました。巻頭のCEOメッセージと中盤の「CFO×CSO×アナリスト鼎談(3人による対談)」、後半の対談「新社長の選任プロセス」と3本の読み物を柱に据えながら各事業・機能の戦略を長期的視点で網羅しています。幅広い事業領域それぞれで掘り下げられなかった部分はweb版で補完しました。その結果が、「『共創型化学会社』というコンセプトを打ち出し、価値創造プロセス、長期経営計画に落とし込む一連の記述に連続性がある」「マテリアリティの特定に止まらず、それに対する取り組み内容から(非財務)KPIへと繋がる道筋がイメージしやすい」という評価につながりました。
2人によれば、今回の統合報告書は新会社としての「起承転結」の前段階で、新会社の方向性に関する宣言と言えるもの。2023年に発行する統合報告書がレゾナックにとって実績・成果と現状を示す最初の統合報告書になります。「テーマは髙橋の口癖である『人』。人事面だけでなく各事業分野で求められる共創型人材にフォーカスすることに加えて、レゾナックという会社に信頼を持っていただくために取り組んでいるさまざまなプロセスを示したい」(松古さん)。2023年版はさらにボリュームアップして7月に刊行の予定です。
CFO、CSO、CHRO、企画会議メンバー
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