5G通信デバイスの小型軽量化を実現する「スカイブヒートシンク」

5GからBeyond 5Gへと高速・大容量化が進む通信業界。通信トラフィックの増大にともなうデバイス(パワーアンプ新規ウィンドウで開くなど)の発熱が大きな問題となっています。加えて高周波帯のマイクロセルやローカル5Gなど基地局の小型分散化が進み、通信機器の小型軽量化が求められています。 通信デバイスの放熱ヒートシンクとして、これまで押出ヒートシンクが使われてきました。しかし押出方式ではフィン薄肉化と狭ピッチ化に技術的な限界があるため、放熱性能を上げるにはヒートシンクを大型にする必要がありました。機器内部の半分がヒートシンク、という場合も珍しくありません。
このような課題に対し、当社は「スカイブヒートシンク」を提案します。当社品は機械加工で、フィンを薄く、ピッチを狭くできるので、押出ヒートシンクと同じ放熱性能で小型・軽量化を実現します(※1)

  • ※1 当コンテンツの内容は特定条件下での比較となります。個々の案件については、自社でのシミュレーションなどに基づき、お客様の使用条件に適した仕様をご提案いたします。

「スカイブヒートシンク」とは
~押出方式では困難な薄肉フィンと狭ピッチで、ヒートシンクの小型軽量化を実現~

放熱性能を上げるには放熱部にあたるフィンの表面積を増やす必要があります。押出方式ではフィン厚さ0.8mm、ピッチ間隔3mmが限界のため、これ以上に表面積を増やすにはヒートシンク自体を大型化する必要があり、放熱性と小型軽量化はトレードオフとなっていました。

当社が提案する「スカイブヒートシンク」は、機械加工でフィンを形成することによって、フィン厚を最小0.2mmまで薄く、またピッチ間隔を最小1.5mmまで狭めることができます。押出ヒートシンクよりも同じ包絡体積でフィン数を増やし、フィンの表面積を大きくすることができるため、同じ放熱性能で小型・軽量化を実現します。さらに機器体積の多くを占めるヒートシンクを小型軽量化できるので、限られた設置スペースの中でより多くの通信バンドに対応した通信機器の設置が可能となります。また、機器自体を小型軽量化することで、施工や交換が容易になり、施工現場での人手不足や工事にともなう安全面の課題に対し、コストやリスク低減を図ることができます。

また、最大4分の1(※2)までフィン厚を薄くすることができるため、フィンの厚みすなわち断面積が大きい押出ヒートシンクよりも空冷時の圧損を低減します。ファンの出力を上げることなく風量を稼ぐことができるため、省エネにも寄与します。

  • ※2 押出ヒートシンクの最小フィン厚0.8mmと「スカイブヒートシンク」の最小フィン厚0.2mmを比較したものです。

スカイブヒートシンク

「スカイブヒートシンク」の特長

押出ヒートシンクと同じ放熱性能で小型軽量化

押出ヒートシンクと同じ放熱性能の場合、包絡体積を24%、重量を35%下げることが可能です。
加工費が上がるものの材料費が下がるので、製品価格は同等で小型軽量化することができます。

押出ヒートシンクと同じ放熱性能と仮定した場合の比較
(押出ヒートシンク vs 当社「スカイブヒートシンク」)

空冷時には低圧力損失なのでファンの省エネに貢献

押出ヒートシンクよりもフィンの厚みを薄くできるため、圧力損失を小さくし、ファンの出力を下げることや、小型化することが可能です。

圧力損失の比較
(押出ヒートシンク vs 当社「スカイブヒートシンク」)

押出ヒートシンクと当社「スカイブヒートシンク」のサイズ比較

  • 「スカイブヒートシンク」は、日本における、株式会社レゾナックの登録商標です。

更新日:2023年5月25日 

技術資料ダウンロード

資料では、フィンの違いによる熱抵抗、圧力損失の比較など詳細データがご覧になれます。

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