- カテゴリ:
- タグ:
対象業種家電メーカー、家電設計メーカー、家電製造メーカー
用途想定家電
家電では、ライフスタイルの変化やデザイン性向上のためコンパクト化がトレンドです。それに応えて構成部品である電子部品は、同等性能でより小さく、省スペース化するよう技術開発が進んでいます。
電子機器では正常な使用のため、動作による発熱を適切に放熱する設計が欠かせません。筐体のコンパクト化にともない寸法に制約ある空間で放熱性を確保するため、空冷で使用されるヒートシンクについても放熱性能と小型化の両立が課題となっています。
ヒートシンクの放熱性能は伝熱面積に比例します。そのため所望の放熱性能を実現する伝熱面積を確保するように、ヒートシンク自体の大きさや、形成するフィンの厚み、高さ、ピッチ間隔を設計し、フィン形成するのが一般的です。
当社が提案する「スカイブヒートシンク」では、機械的なスカイブ加工によりフィンを形成し、厚みで最小0.2 mm、ピッチで最小1.5 mmとフィンを密に配置することができます(表1) 1)。同じ包絡体積では、フィン形成の代表的な方法である押出加工と比較してフィン数を増やし、伝熱面積を大きくできるので、寸法に制約ある空間への放熱ソリューションとして有効です(図1)。
表1.加工方法による製造範囲の例
図1. 包絡体積が同等の場合における性能比較
(a)開口部と熱抵抗の関係
(b)開口部と重量の関係
押出加工と比較して、フィン厚みを薄肉化し狭ピッチで配置させることができます。そのため同じ包絡体積ではスカイブ加工の方が伝熱面積を大きくできるので、より高い放熱性能を必要とする用途に適します。
図2. フィン厚みとピッチの例
スカイブ加工では一列ごとにフィンを配置した千鳥フィンに対応できます。強制空冷では千鳥フィンで空気の流れを乱すことで、放熱性能を向上させることができます。開口部が小さいほど、千鳥フィンの方が熱抵抗の低減に有効です(図4)。
図3. 千鳥フィンの例
図4. フィン配置による熱抵抗の違い
※ 掲載のデータは、測定や計算等の結果の一例を示した代表値であり、保証値ではありません。
更新日:2025年4月24日
お問い合わせ
製品・技術に関するご質問やサンプルのご希望など、お気軽にお問い合わせ下さい。