データサーバの高速化を実現!多層フッ素樹脂基板向け接着フィルム

対象業種半導体メーカー/基板メーカー

用途想定基板向け接着フィルム

IoTやAI、ビックデータの普及により、扱うデータ量の飛躍的な増大が見込まれる次世代データセンタ。大容量のデータをより高速に伝送可能な大型サーバの要望が高まっています。これに伴い、大型サーバに使われる電子回路基板にも、大容量通信を実現するための多層化が可能で、高速伝送に対応できるものが求められています。
この大容量・高速伝送を実現する基板として、低誘電特性に優れたフッ素樹脂(PTFE)基板の活用が期待されています。しかし、フッ素樹脂は融点が高いため高温で加圧して積層する必要があり、多層化が困難でした。
当社の低伝送損失接着フィルム<AS-400HS>は、フッ素樹脂との接着性に優れているため、低温で多層化が可能です。次世代データセンタサーバの大容量・高速伝送化に寄与します。

課題解決

フッ素樹脂との接着性に優れ、低温加圧でフッ素樹脂基板の多層化を実現

フッ素樹脂基板は、低損失材料の中でも非常に低誘電特性に優れ、伝送損失が小さい基板として知られています。
しかし、フッ素樹脂は融点が327℃と高いため、積層する際は融点以上の高温で加圧する必要がありますが、この高温に耐える積層材料がほとんどないため、他の材料との積層が難しく、多層化が困難でした。
当社の低伝送損失接着フィルム<AS-400HS>は、強靭性が高く、フッ素原子と相互作用の高い官能基を被着体界面に偏在化させているため、フッ素樹脂との接着性に優れています。そのため当社のフィルムを接着フィルムとして使用することで、200℃の低温加圧でフッ素樹脂基板の多層化が可能です。

低伝送損失接着フィルム<AS-400HS>で作製した多層フッ素樹脂基板断面写真

AS-400HSとフッ素樹脂の界面(拡大)

各種フッ素樹脂基板材料と低伝送損失接着フィルム<AS-400HS>の接着性

基板材料

セラミック入り

フィラ―無し

ガラスクロス入り

接着はく離強度
フッ素樹脂/AS400HS

>1.8kN/m
凝集破壊
(界面破壊しない)

>1.8kN/m
凝集破壊
(界面破壊しない)

>1.8kN/m
凝集破壊
(界面破壊しない)

特長

優れた低誘電特性

低誘電特性(Dk=3.0、Df=0.0023)に優れ、フッ素樹脂基板の低損失性を妨げません。さらに、接着性に優れるため低粗度の銅箔を適用し、伝送損失-0.58(dB/cm @ 76 GHz)と低く抑えられます。

低伝送損失接着フィルム<AS-400HS>と各材料の伝送損失の比較

優れたレーザー加工性

レーザー加工性に優れているため、小径のビア加工が可能です。

低伝送損失接着フィルム<AS-400HS>のレーザー加工性

高密度の基板設計が可能

熱硬化性樹脂のため、絶縁層と導体との間の層間接続を行いながら、順次層を積み上げていく逐次積層が可能です。小径のビアが使用可能で、各層ごとにビアの位置を設定できるので、高密度化の基板設計が可能になります。

技術資料ダウンロード

資料では、誘電特性、熱膨張係数、ガラス転移温度などの詳細データがご覧になれます。

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