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対象業種自動車メーカー
用途想定バランスシャフト用ギヤ
騒音規制への対策や車内の快適性向上のため、対策が求められる騒音・振動源の一つに、エンジンルームがあります。例えばエンジンからの振動抑制を目的にバランスシャフトの採用がありますが、バランスシャフトのギヤが金属製の場合、ギヤ同士の噛み合い時に振動・騒音が発生しやすく、その対策が必要になります。このようなギヤの噛み合い時の振動抑制に、樹脂ギヤをご提案します。
自動車エンジンの2次バランスシャフトギヤは、エンジンの2倍の回転数が必要なため、耐久信頼性確保の観点から炭素鋼を採用した金属ギヤが一般的です。しかし、金属ギヤの噛み合いで振動・騒音が発生するため、その低減は課題の一つです。
当社の<KM-9100>は、Tg≧215℃の高い耐熱性を持つポリアミノアミド樹脂にアラミド強化繊維を混合し、真空注入成形をした樹脂ギヤです。ギヤの噛み合い時に発生する振動を樹脂で減衰するため、騒音を低減することができます。特に常用回転域である2000rpmの騒音では約10dB以上低減した実績があります。
金属から樹脂にギヤ材を置き換える利点として、振動抑制に加えエンジンの軽量化があります。その際に採用される樹脂材の一例に、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)に無機繊維のガラス繊維を混合した材料があります。PEEKは熱可塑性樹脂のため、弾性が低く高い制振性を見込めますが、混合する補強繊維の種類や量に限りがあります。
当社の<KM-9100>は熱硬化性樹脂のポリアミノアミド樹脂を採用しているため、制振効果の高い有機繊維のアラミド繊維を高充填することができ、金属はもちろん、ガラス繊維を混合したPEEK樹脂よりも振動の伝達時間が短く、高い制振性を発揮します。
樹脂ギヤに使用されている樹脂は、鋼の約1/6の比重です。ギヤ素材を鋼から樹脂に置換えることで、ギヤ単体での軽量化に貢献します。ギヤの軽量化により、駆動モーターの小型化が可能になるため、システム全体の軽量化も実現します。
油温130℃の高温下でも、変形などのギヤの劣化を抑えることができます。エンジンルーム内のバランスシャフトギヤや、モーター減速ギヤとして20年*の採用・納入実績があります。
樹脂と金属など、2つの異なる素材のギヤを採用する場合、かみ合わせ部の傷や欠けなどの発生を考慮する必要がありますが、当社材は補強繊維に有機繊維を使用しているので、相手ギヤが焼き入れなしの金属でも傷を付けずにご使用いただけます。
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