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対象業種自動車部品メーカー
用途想定しゅう動塗料用バインダー
自動車のコンプレッサー、エンジンピストンといった耐熱性が求められるしゅう動部品への塗料バインダーとして使用されているポリアミドイミド(PAI)樹脂。このPAI樹脂の溶剤として一般的に使われているN-メチル-2-ピロリドン(NMP)が、EUのREACH規則によって、使用を制限する動きが進んでいます。当社は、これまで自動車の各部品に最適な素材として、環境や安全性に配慮したPAIの開発を目指してきました。
PAIの溶剤として一般的に使用されるNMPは、生殖毒性が懸念され、REACH規則では制限対象物質として扱われています。作業者へのばく露量管理などが義務付けられ、ばく露量低減のために排気・回収設備などへの投資が必要になるなど、使用するにはさまざまな制限があります。当社が開発した新たなPAI樹脂は、REACH規制で対象となっているDMAC*、NMPといった懸念材料を生産工程含めて使用しておらず、規制対応へのさまざまな対策を要しません。
また、PAI樹脂の特長である高い耐熱性、機械的特性は従来同等なので、高温環境で使用される高い性能のバインダー被膜を形成することができます。
(*2019年4月現在の規制)
新規PAI樹脂と従来PAI樹脂の比較:特性とREACH規則
しゅう動塗料バインダーとして広く使われるエポキシ、アクリル、ウレタン樹脂と比較し、PAI樹脂は高い耐熱性(Tg≧270℃、熱分解温度>400℃)と機械的特性(弾性率≧2.5GPa)を持ち、耐久性に優れています。また、線膨張係数が低く、温度変化による剥がれを低減します。
溶液の溶解性を制御し、水や水系の材料で希釈できる水溶性タイプのPAI樹脂も設定しています。加熱硬化時に発生する溶剤揮発量を低減します。
また塗料または塗膜が、吸湿して白化や固化しにくいので、塗装環境の湿度管理が容易になります。
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