車載通信機器の信頼性を向上!クラックを抑制する応力緩和シート

対象業種半導体メーカー/基板メーカー

用途想定車載通信モジュール基板表層向け応力緩和シート

産業装置やセキュリティー端末に組み込むことで、製品に通信機能を付与する通信モジュール。自動車のIoT化により車載機器への活用が進み、さらなる信頼性の向上が求められています。
車載通信モジュールの電子回路基板には、主に一般基材(FR-4*)を使用した基板が採用されています。
しかし、一般基材に電子部品を実装した実装基板は、エンジンの熱や外気などの温度変化から生じる基材と実装部品との熱膨張差による応力を吸収できず、時間の経過とともに、実装基板内のはんだ接合部にクラックが発生するという課題があります。
当社の基板用応力緩和シート<TD-002>は弾性率が低く、一般基材の表層へ使用することで、はんだ接合部の応力を吸収し、クラックを抑制することが可能です。このことから車載通信モジュールの信頼性向上に寄与します。

  • FR-4: Flame Retardant Type 4の略。ガラス繊維の布にエポキシ樹脂をしみ込ませて板状にしたもの。

課題解決

一般基材の4分の1の弾性率ではんだ接合部への応力を吸収し、はんだクラックを抑制

車載半導体パッケージ内のはんだクラックは、エンジンの熱や外気などの温度変化により、チップ部品や基材の熱膨張・収縮が繰り返され、接合部のはんだに熱膨張差による応力が繰り返し加わることで発生します。
当社の基板用応力緩和シート<TD-002>は、ガラスクロスに樹脂を含浸させたシート(プリプレグ)です。<TD-002>の貯蓄弾性率は0.8~1.2GPa、曲げ弾性率は5~8GPaで、一般基材の約4分の1の弾性率です。一般基材の表層に使用することで、チップ部品と基材の熱膨張差によって生じる応力をそれぞれの変形に追従し、はんだ接合部への応力を緩和します。
低熱膨張材などの高機能材を使用せず、一般基材との組合せではんだクラック対策が可能です。

一般基材と<TD-002>の弾性率の比較

はんだクラック発生メカニズム

特長

優れたはんだクラック抑制効果

-40℃から125℃の温度サイクル試験(TCT: Thermal Cycle Test)において、2,000サイクルもはんだクラック率を低く抑えることができます。

温度サイクル試験後のはんだクラック比較(一般基材、低CTE、一般基材+TD-002)

技術資料ダウンロード

資料では、はんだ耐熱性、Tg、CTE、曲げ弾性率などの詳細データがご覧になれます。

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