低誘電特性と低CTEを両立し、多層化・小型化に適したRFモジュール用基板

対象業種RFモジュールメーカー

用途想定RFモジュールの基板

低誘電特性と低CTEを両立し、多層化・小型化に適したRFモジュール用基板

5Gから5G-Advancedへ、さらにBeyond 5G(6G)へと無線通信の高速大容量化が進行しています。

スマホなどの携帯端末では、これらに対応する複数の周波数帯の電波に加えてBluetoothやWiFiやNFC(Near Field Communication)などの電波を扱うため、アンプやフィルタなど各種のRF(Radio Frequency)通信用チップの数が膨大に増えています。そのため、RFチップを近接して一つの基板に搭載するモジュール化が進んでおり、RFチップの集約・高集積化に加えてチップ間の信号伝達の高速化・広帯域化が図られています。またモジュール化による省スペースは、高機能カメラや各種センサの設置などスマホの多機能化にも好適です。 

このRFモジュール用の基板には、高周波数でも誘電損失の少ない低誘電特性(低Dk:比誘電率、低Df:誘電正接)と、信頼性を確保するための低CTE(coefficient of thermal expansion)が同時に求められています。

この基板には従来からビスマレイミド・トリアジン系の樹脂基板が使われてきました。しかし今後、さらに増加する周波数帯やスマホの多機能化に対応するスペースを確保するには、RFモジュールの小型化が不可欠です。それには基板の薄型化による多層化が効果的であり、従来品を上回る低Dkの基板が求められます。 

当社は低誘電特性と低CTEを両立し、多層化に適したRFモジュール用基板<MCL-HS200(Dタイプ)>(以下、HS200(D)と呼びます)を提案します。当社品は、従来品よりDkが低いので基板の薄型化が可能であり、基板の多層化やモジュールの小型化に有利です。

モジュール化のトレンド

モジュール化のトレンド
DUP = Duplexer,PA = Power Amplifier,LNA = Low Noise Amplifier,Div. M = Diversity Module,FEMiD = Front End Module integrated Duplexer,PAMiD = PA module integrated Duplexer

課題解決

変性PIとソフトセグメントとフィラの最適配合により低誘電特性と低CTEと高Tgを並立

RFモジュール用の基板には、低誘電特性と低CTEと高Tgが同時に求められます。高周波数帯での誘電損失を減らすためには、低Dk(比誘電率)と低Df(誘電正接)が求められます。また、複数のRFチップを搭載した上で信頼性を確保するためには、実装時のリフローなど加熱工程を経ても反りが少なく、はんだのクラックを発生させない、低CTEと高Tgが求められます。今後さらにRFモジュールを小型化するには、基板の多層化が効果的です。そのために基板を薄型化する場合には、インピーダンスマッチングのために配線の幅/厚みを小さくするか、Dkをさらに低くする必要がありました。

当社のRFモジュール用基板<HS200(D)>は、変性PI(ポリイミド)とソフトセグメントの熱硬化樹脂とフィラを最適配合することによって、優れた低誘電特性と低CTEと高Tgの並立を高水準で実現しました。 

「基板の物性比較」の表で、当社RFモジュール用基板<HS200(D)>、従来のRFモジュール用基板2グレード(製品Aと製品B) 、および低CTEで定評のある当社のFC-BGA用基板<E-705G>の特性を比較しました。当社の<HS200(D)>は高Tg、低CTE、低Dk、および低Dfのバランスが高水準でとれており、特に従来品と比較してDkが低いことが示されています。<HS200(D)>の低Dk特性によって、配線幅を微細化する必要なく、基板を薄型化できます。 

基板の物性比較

項目 測定条件 HS200(D)*1 製品A 製品B E-705G*1
Tg DMA 340 270 215 300
CTE α1(X,Y) ppm/℃ 9.0 10.0 10.0 5.9
Dk 10 GHz - 3.3 3.4 3.4 4.5
Df 10 GHz - 0.0025 0.0040 0.0020 0.0100
  • *1) 200 µm thickness
  • 掲載のデータは、測定や計算等の結果の一例を示した代表値であり、保証値ではありません。

特長

低伝送損失

当社RFモジュール用基板<HS200(D)>は、当社FC-BGA用基板<E-705G>と比較して、40GHzでの伝送損失が64%低いことが示されました

ストリップ線路における伝送損失

反り量の評価
テスト基板
  • ・コアの厚さ : 400 μm
  • ・プレプリグの厚さ : 250 μm (1037 x 5 ply)
  • ・銅箔の厚さ : 18 μm
  • ・銅箔の粗度 : 1 μm (Rz)
  • ・内部銅箔の粗度 : 1.5 μm (Rz)
 
基板 HS200(D) E-705G
伝送損失 (dB/cm)
@40GHz
-0.47
(-64%)
-1.29
(0%)
  • 掲載のデータは、測定や計算等の結果の一例を示した代表値であり、保証値ではありません。

低反り

当社RFモジュール用基板<HS200(D)>は、低CTEで定評のある当社のFC-BGA用基板<E-705G>と比較してもほぼ同等の反り量を示しました。

反り量の評価

反り量の評価
テスト基板
  • ・基板: 3-2-3 構造
  • ・パッケージサイズ: 40 x 40 mm
  • ・コアの厚さ: 800 μm
  • ・Buの厚さ: 20 μm
  • ・SRの厚さ: 19 μm (SR-FA)
  • ・L1,4,5,8: 12 μm Cu 65%
  • ・L2,3,6,7: No copper
  • ・チップサイズ: 20 x 20 mm
  • ・チップ高さ: 775 μm
  • ・アンダーフィルの厚さ: 60 μm (CEL-C-3730シリーズ)
  • 掲載のデータは、測定や計算等の結果の一例を示した代表値であり、保証値ではありません。

高信頼性

bHAST(biased High Accelerated Stress Test)試験において、当社RFモジュール用基板は優れた信頼性を示しました。

bHAST信頼性試験

bHAST信頼性試験
テスト基板
  • <基板材料>
  • ・コア : HS200 0.1mm(銅箔の厚さ : 12μm)
  • ・プリプレグ : GH-200(D) 1037N73
  • <試験条件>
  • ・前処理条件 : 60ºC/60%RH/48hr+260ºC リフロー×3回
  • ・処理時間 : 300hr
  • ・測定条件 : 130ºC/85%RH, DC 3.5V
  • 掲載のデータは、測定や計算等の結果の一例を示した代表値であり、保証値ではありません。
  •  
  • 「MCL」は、日本、アメリカ、イタリア、カナダ、シンガポール、フランス、ベネルクス、ポーランド、マレーシア、メキシコ、韓国、香港、台湾、中国における株式会社レゾナックの登録商標です。

更新日:2023年12月22日

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