2022年 決算概要

旧 昭和電工の2022年決算概要をお示ししています。会計基準は、日本基準です。

経営成績

(単位:億円)

売上高 3,080 前年同期比
△ 317
営業利益 154 前年同期比
△ 55
経常利益 199 前年同期比
△ 52
親会社株主に帰属する四半期純利益 84 前年同期比
+ 32
1株当たり四半期純利益 46円58銭 前年同期比
+ 10円99銭

当第1四半期(2022年1月~3月)の世界経済は、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の大流行による世界的な経済活動抑制の影響や、ウクライナ情勢等を受け原燃材料価格の上昇や供給面の制約、これらによる物流の混乱等により厳しい状況にありますが、堅調に推移している半導体関連業界を含む製造業は回復過程にあります。国内経済においては、個人消費は持ち直しに足踏みが見られ、企業収益は輸出がおおむね横ばいとなりましたが総じて改善しました。

当社グループは、お客様、お取引先、従業員など関係する皆様の安全・健康を第一に考え、COVID-19感染予防の施策を実施しております。具体的には、全社に在宅勤務制度を導入しテレワークを推進するほか、感染懸念時における特別休暇の付与、完全フレックスタイム制度による時差出勤の励行など従業員の安全確保と感染拡大防止を優先した施策を継続しております。同時に、生産拠点では感染防止策を徹底し生産活動の維持に努め、お客様に対する製品供給の継続など社会インフラ機能の維持に注力しております。

当第1四半期の連結営業成績につきましては、売上高は、半導体・電子材料セグメントは半導体関連業界の回復により堅調に推移、イノベーション材料、ケミカルの2セグメントも市況上昇により増収となりましたが、モビリティセグメントは半導体供給不足による自動車生産減の影響により減収となりました。主に事業売却の影響で、総じて減収となる3,079億92百万円(前年同期比9.3%減)となりました。なお、売却した事業のうち、蓄電デバイス・システム、アルミ缶、アルミ圧延品、昭光通商㈱の前期の数値はその他セグメントに含まれます。営業利益は、半導体・電子材料セグメントは大幅な増益となりましたが、モビリティ、イノベーション材料、ケミカルの3セグメントは原材料価格高騰と販売価格転嫁のタイムラグ影響に伴い減益となり、売上高同様に事業売却の影響もあり、総じて減益となる153億61百万円(同26.2%減)となりました。営業外損益は持分法による投資利益は減少しましたが支払利息の減少により収益増となり、経常利益は199億19百万円(同20.6%減)となりました。

親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期に計上した環境対策費の特別損失の計上等がなく、84億34百万円(同62.5%増)となりました。

セグメント別状況

セグメント別売上高

(単位:億円)

半導体・電子材料 1,073 前年同期比
+ 162
モビリティ 444 前年同期比
△ 20
イノベーション材料 343 前年同期比
+ 40
ケミカル 951 前年同期比
+ 86

セグメント別営業利益

(単位:億円)

半導体・電子材料 129 前年同期比
+ 46
モビリティ 4 前年同期比
△ 7
イノベーション材料 29 前年同期比
△ 13
ケミカル 22 前年同期比
△ 49

半導体・電子材料セグメント

当セグメントでは、前年10-12月期のプリント配線板事業譲渡の影響を受けたものの、旺盛な半導体需要を背景に半導体前工程材料、半導体後工程材料ともに増収となり、デバイスソリューションは主にデータセンター向けのHDメディアの数量増により大幅増収となりました。

この結果、当セグメントの売上高は1,073億44百万円(前年同期比17.8%増)となり、営業利益は原材料価格高騰の影響を受けたものの、売上高の増加により、129億35百万円(同56.0%増)となりました。

モビリティセグメント

当セグメントでは、半導体供給不足の影響による自動車生産台数の伸び悩み等により、自動車部品、リチウムイオン電池材料ともに減収となりました。

この結果、当セグメントの売上高は443億79百万円(前年同期比4.2%減)となり、営業利益は原材料価格高騰の影響もあり、3億52百万円(同67.7%減)となりました。

イノベーション材料セグメント

当セグメントでは、一部製品で原材料価格高騰に伴う製品価格上昇もあり総じて増収となりましたが、価格転嫁のタイムラグや自動車生産減の影響を受け、総じて減益となりました。

この結果、当セグメントの売上高は343億4百万円(前年同期比13.4%増)となりましたが、営業利益は28億64百万円(同31.3%減)となりました。

ケミカルセグメント

当セグメントでは、石油化学は自動車向け等の需要低下と4年に一度の大型定修により減収、営業利益は定修に加えナフサ要因もあり大幅な減益となりました。化学品は、産業ガスは小幅増収となり、基礎化学品は原燃料価格高騰の影響を受けた販売価格上昇で増収となるも価格転嫁タイムラグにより減益となりました。黒鉛電極は販売数量増と販売価格上昇により増収増益となりました。

この結果、当セグメントの売上高は950億68百万円(前年同期比9.9%増)となりましたが、営業利益は22億49百万円(同68.4%減)となりました。

  • 当期よりセグメント区分を変更しております。前年同期比は新セグメントベースで算出しております。

財務状況

(単位:億円)

総資産 21,476 前期末比
+ 52
純資産 8,349 前期末比
+ 165
自己資本比率 24.8% 前期末比
+ 0.8p

当第1四半期末の総資産は、現金及び預金、営業債権は減少しましたが、棚卸資産、有形固定資産は増加し、前期末比52億10百万円増加の2兆1,476億0百万円となりました。負債合計は営業債務等が減少し、前期末比112億42百万円減少の1兆3,126億96百万円となりました。純資産は、為替換算調整勘定等の増加により、前期末比164億52百万円増加の8,349億4百万円となりました。

経営成績

(単位:億円)

売上高 6,560 前年同期比
△ 373
営業利益 371 前年同期比
△ 105
経常利益 468 前年同期比
△ 34
親会社株主に帰属する四半期純利益 317 前年同期比
+ 451
1株当たり四半期純利益 175円20銭 前年同期比
+ 267円13銭

当第2四半期(2022年1月~6月)の世界経済は、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の大流行による上海ロックダウン等を含む世界的な経済活動抑制の影響や、ウクライナ情勢等を受け原燃材料価格の上昇や供給面の制約、これらによる物流の混乱等により厳しい状況にありますが、半導体関連業界は堅調に推移しました。国内経済においては、個人消費は持ち直しの動きが見られました。企業収益は輸出がおおむね横ばいとなりましたが、総じて改善しました。

当社グループは、お客様、お取引先、従業員など関係する皆様の安全・健康を第一に考え、COVID-19感染予防の施策を実施しております。具体的には、自宅やサテライトオフィスでのリモート勤務、感染懸念時における特別休暇の付与、フレックスタイム制度による時差出勤の励行など従業員の安全確保と感染拡大防止を優先した施策を継続しております。同時に、生産拠点では感染防止策を徹底し生産活動の維持に努め、お客様に対する製品供給の継続など社会インフラ機能の維持に注力しております。

当第2四半期の連結営業成績につきましては、売上高は、半導体・電子材料セグメントは半導体関連業界の回復により堅調に推移、イノベーション材料、ケミカルの2セグメントも市況上昇により増収となりましたが、事業売却の影響で1,000億円程度の減収となり、モビリティセグメントは半導体供給不足による自動車生産減の影響により減収となるなど、総じて減収となる6,560億33百万円(前年同期比5.4%減)となりました。なお、売却した事業のうち、蓄電デバイス・システム、アルミ缶、アルミ圧延品、昭光通商㈱の前期の数値はその他セグメントに含まれます。営業利益は、半導体・電子材料セグメントは大幅な増益となりましたが、モビリティ、イノベーション材料、ケミカルの3セグメントは原材料価格高騰と販売価格転嫁のタイムラグ影響に伴い減益となり、加えて、売上高同様に事業売却の影響もあり、総じて減益となる370億82百万円(同22.0%減)となりました。営業外損益は主に為替差益により収益増となり、経常利益は468億45百万円(同6.7%減)となりました。

親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期に計上した蓄電デバイス・システム事業の譲渡に係る事業構造改善費用等の特別損失の計上がなく、317億27百万円(同451億38百万円増)となりました。

セグメント別状況

セグメント別売上高

(単位:億円)

半導体・電子材料 2,204 前年同期比
+ 241
モビリティ 867 前年同期比
△ 29
イノベーション材料 700 前年同期比
+ 44
ケミカル 2,245 前年同期比
+ 332

セグメント別営業利益

(単位:億円)

半導体・電子材料 268 前年同期比
+ 56
モビリティ △12 前年同期比
△ 22
イノベーション材料 54 前年同期比
△ 29
ケミカル 131 前年同期比
△ 62

半導体・電子材料セグメント

当セグメントでは、前年10-12月期のプリント配線板事業譲渡の影響を受けたものの、旺盛な半導体需要を背景に半導体前工程材料、半導体後工程材料ともに増収となり、デバイスソリューションは主にデータセンター向けのHDメディアの数量増により大幅増収となり、総じて増収となりました。

この結果、当セグメントの売上高は2,203億54百万円(前年同期比12.3%増)となり、営業利益は原材料価格高騰の影響を受けたものの、売上高の増加により、268億1百万円(同26.7%増)となりました。

モビリティセグメント

当セグメントでは、半導体供給不足やCOVID-19の大流行による上海ロックダウン等の影響を受け、自動車生産台数が伸び悩む中、自動車部品は一部顧客の需要増により増収となりましたが、リチウムイオン電池材料は減収となり、総じて減収となりました。

この結果、当セグメントの売上高は866億89百万円(前年同期比3.2%減)となり、営業損益は原材料価格高騰の影響もあり、11億87百万円(同21億95百万円減)の損失となりました。

イノベーション材料セグメント

当セグメントでは、原材料価格高騰に伴う製品価格上昇もあり総じて増収となりましたが、価格転嫁のタイムラグや自動車生産減の影響を受け、総じて減益となりました。

この結果、当セグメントの売上高は700億5百万円(前年同期比6.7%増)となりましたが、営業利益は53億85百万円(同34.8%減)となりました。

ケミカルセグメント

当セグメントでは、石油化学は4年に一度の大型定修はあったものの、ナフサ価格の高騰による販売価格の上昇により増収となりました。営業利益は大型定修による販売数量減少により減益となりました。化学品は原燃料価格高騰の影響を受けた販売価格上昇で増収となったものの、価格転嫁タイムラグにより減益となりました。黒鉛電極は主に販売価格上昇により増収増益となりました。総じて、当セグメントは増収減益となりました。

この結果、当セグメントの売上高は2,245億26百万円(前年同期比17.3%増)となりましたが、営業利益は131億12百万円(同32.0%減)となりました。

  • 当期よりセグメント区分を変更しております。前年同期比は新セグメントベースで算出しております。

財務状況

(単位:億円)

総資産 22,220 前年期末比
+ 796
純資産 5,956 前年期末比
△ 2,228
自己資本比率 25.7% 前年期末比
+ 1.7p
1株当たり純資産 3,154円34銭 前年期末比
+348円20銭

当第2四半期末の総資産は、現金及び預金、のれん等無形固定資産は減少したものの、棚卸資産、有形固定資産は増加し、前期末比795億90百万円増加の2兆2,219億79百万円となりました。負債合計は、子会社が発行していた優先株式を取得するため劣後ローンによる資金調達を行った結果、有利子負債が増加し、前期末比3,024億30百万円増加の1兆6,263億67百万円となりました。純資産は、為替換算調整勘定等の増加はありましたが、金融機関保有の優先株式を当社が取得したことにより非支配株主持分が減少したため、前期末比2,228億40百万円減少の5,956億12百万円となりました。

キャッシュ・フローの状況

(単位:億円)

営業キャッシュ・フロー 219 前年比
△ 334
投資キャッシュ・フロー △ 366 前年比
△ 262
フリー・キャッシュ・フロー △147 前年比
△ 597
財務キャッシュ・フロー △182 前年比
+ 554
その他 202 前年比
+ 111
現預金増減 △128 前年比
+ 69

当第2四半期における営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産や法人税等の支払額の増加等により、前年同期比334億27百万円の収入減少となる218億74百万円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得支出の増加等により前年同期に比べ262億23百万円の支出増加となる366億16百万円の支出となりました。
この結果、フリー・キャッシュ・フローは、前年同期比596億50百万円の収入減少となる147億42百万円の支出となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比554億32百万円の支出減少となる182億14百万円の支出となりました。
この結果、当第2四半期末の現金及び現金同等物は、為替変動の影響等も含め、前期末比127億56百万円減少となる2,221億83百万円となりました。

経営成績

(単位:億円)

売上高 10,342 前年同期比
△ 175
営業利益 535 前年同期比
△ 184
経常利益 641 前年同期比
△ 92
親会社株主に帰属する四半期純利益 355 前年同期比
+ 458
1株当たり四半期純利益 195円75銭 前年同期比
+ 265円53銭

当第3四半期連結累計期間(2022年1月~9月)の世界経済は、新型コロナウィルス感染症に関して行動制限が緩和し正常化が進む一方で、世界的なインフレ進行や長期化するウクライナ情勢によるエネルギーコストおよび原材料コストの高騰、供給面の制約発生、地域により消費の持ち直しに対する足踏みが見られました。堅調に推移していた半導体業界についても、一部調整の動きが見え始めております。国内経済においては、個人消費および企業の設備投資や生産に緩やかな持ち直しの動きが見られ、総じて改善しました。

当第3四半期連結累計期間の連結営業成績につきましては、売上高は、半導体・電子材料セグメントは半導体関連業界の回復により堅調に推移、モビリティ、イノベーション材料、ケミカルの3セグメントも市況上昇等により増収となりましたが、前期に実施した事業売却の影響で約1,400億円の減収となり、総じて減収となる1兆341億52百万円(前年同期比1.7%減)となりました。なお、売却した事業のうち、蓄電デバイス・システム、アルミ缶、アルミ圧延品と、持分減少で連結除外となった昭光通商㈱の前期の数値はその他セグメントに含まれます。営業利益は、半導体・電子材料セグメントは増益となりましたが、モビリティ、イノベーション材料、ケミカルの3セグメントは原材料価格高騰と販売価格転嫁のタイムラグ影響に伴い減益となり、加えて、売上高同様に事業売却の影響もあり、総じて減益となる535億36百万円(同25.6%減)となりました。

営業外損益は主に為替差益により収益増となり、経常利益は641億25百万円(同12.5%減)となりました。

当第3四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期に計上した蓄電デバイス・システム事業の譲渡に係る事業構造改善費用等の特別損失の計上がなく、354億51百万円(同457億81百万円増)となりました。

セグメント別状況

セグメント別売上高

(単位:億円)

半導体・電子材料 3,323 前年同期比
+ 220
モビリティ 1,349 前年同期比
+ 34
イノベーション材料 1,056 前年同期比
+ 15
ケミカル 3,770 前年同期比
+ 725

セグメント別営業利益

(単位:億円)

半導体・電子材料 398 前年同期比
+ 52
モビリティ △18 前年同期比
△ 25
イノベーション材料 75 前年同期比
△ 41
ケミカル 193 前年同期比
△ 116

半導体・電子材料セグメント

当セグメントでは、前年10-12月期のプリント配線板事業譲渡の影響を受け、また足元では半導体生産に調整の動きが見られるものの、年初からの旺盛な半導体需要を背景に半導体前工程材料、半導体後工程材料ともに増収、デバイスソリューションは主にデータセンター向けのHDメディアの数量増により増収となり、総じて増収となりました。

この結果、当セグメントの売上高は3,323億22百万円(前年同期比7.1%増)となり、営業利益は原材料価格高騰の影響を受けたものの、売上高の増加により、398億23百万円(同15.1%増)となりました。

モビリティセグメント

当セグメントでは、足元で自動車生産の回復が進み、自動車部品は一部顧客の需要増もあって増収となりました。リチウムイオン電池材料は民生需要減速の影響を受けて減収となりましたが、総じて増収となりました。

この結果、当セグメントの売上高は1,348億91百万円(前年同期比2.6%増)となりましたが、営業損益は原材料価格高騰の影響もあり、18億円(同24億85百万円減)の損失となりました。

イノベーション材料セグメント

当セグメントでは、原材料価格高騰に伴う製品価格上昇もあり売上高は前年同期比で小幅に増加しました。

この結果、当セグメントの売上高は1,055億72百万円(前年同期比1.4%増)となりましたが、営業利益は価格転嫁のタイムラグ等により、74億61百万円(同35.7%減)となりました。

ケミカルセグメント

当セグメントでは、石油化学は4年に一度の大型定修はあったものの、ナフサ価格高騰による販売価格の上昇により売上高は前年同期比で増加しました。営業利益は大型定修による販売数量減少やスプレッド縮小により減少しました。化学品は原燃料価格高騰の影響を受けた販売価格上昇により売上高は増加したものの、営業利益は価格転嫁タイムラグにより減少しました。黒鉛電極は主に販売価格上昇により売上高、営業利益ともに増加しました。

この結果、当セグメント全体としては増収減益となり、売上高は3,769億76百万円(前年同期比23.8%増)、営業利益は193億21百万円(同37.5%減)となりました。

  • 当期よりセグメント区分を変更しております。前年同期比は新セグメントベースで算出しております。

財務状況

(単位:億円)

総資産 21,995 前年期末比
+ 571
純資産 6,098 前年期末比
△ 2,087
自己資本比率 26.6% 前年期末比
+ 2.6p

当第3四半期末の総資産は、現金及び預金、のれん等無形固定資産は減少したものの、棚卸資産、有形固定資産は増加し、前期末比570億67百万円増加の2兆1,994億57百万円となりました。負債合計は、子会社が発行していた優先株式を取得するため劣後ローンによる資金調達を行った結果、有利子負債が増加し、前期末比2,657億69百万円増加の1兆5,897億6百万円となりました。純資産は、為替換算調整勘定等の増加はありましたが、金融機関保有の優先株式を当社が取得したことにより非支配株主持分が減少したため、前期末比2,087億1百万円減少の6,097億51百万円となりました。

経営成績

(単位:億円)

売上高 13,926 前年同期比
△ 270
営業利益 594 前年同期比
△ 278
経常利益 594 前年同期比
△ 275
親会社株主に帰属する当期純利益 308 前年同期比
+ 429
1株当たり当期純利益

170円03銭

前年同期比
+247 円43銭

当期(2022年1月~12月)の世界経済は、新型コロナウィルス感染症に関して行動制限が緩和し正常化が進む一方で、世界的なインフレ進行や長期化するウクライナ情勢によるエネルギーコストおよび原材料コストの高騰、供給面の制約発生、地域により消費持ち直しに足踏みが見られました。堅調に推移していた半導体業界についても、調整の動きが見られました。国内経済においては、個人消費および企業の設備投資に緩やかな持ち直しの動きが見られ、総じて改善しました。
 当期の連結営業成績につきましては、売上高は、旺盛な半導体需要や自動車生産の回復、販売価格の上昇等の増収要因がありましたが、前期に実施した事業売却で約1,600億円の減収要因があり、総じて減収となる1兆3,926億21百万円(前期比1.9%減)となりました。なお、売却した事業のうち、蓄電デバイス・システム、アルミ缶、アルミ圧延品と、持分減少で連結除外となった昭光通商㈱の前期の数値はその他セグメントに含まれています。営業利益は、原材料価格高騰の販売価格転嫁のタイムラグ影響や事業売却の影響もあり、総じて減益となる593億71百万円(同31.9%減)となりました。営業外損益は、支払利息の増加はあったものの、主に為替差益により収益増となり、経常利益は593億67百万円(同31.7%減)となりました。
 当期の親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に計上した蓄電デバイス・システム事業の譲渡に係る事業構造改善費用等の特別損失の計上がなく、307億93百万円(同428億87百万円増)となりました。

セグメント別状況

セグメント別売上高

(単位:億円)

半導体・電子材料 4,272 前年同期比
+42 
モビリティ 1,806 前年同期比
+68
イノベーション材料 1,411 前年同期比
△22
ケミカル 5,278 前年同期比
+ 968

セグメント別営業利益

(単位:億円)

半導体・電子材料 442 前年同期比
△53
モビリティ △15 前年同期比
+5
イノベーション材料 98 前年同期比
△ 38
ケミカル 249 前年同期比
△ 130

半導体・電子材料セグメント

 当セグメントでは、半導体前工程材料および半導体後工程材料は、年後半からの半導体後工程の生産調整の影響を受けたものの、年初からの旺盛な半導体需要を背景に増収となりました。またデバイスソリューションは、HDメディアが当第4四半期からのデータセンター向けの需要減速により数量減となったものの、SiCエピタキシャルウエハーが増収となり、前期並みとなりました。なお、前期の売上高・営業利益には、前年10-12月期に譲渡したプリント配線板事業も含まれています。
 この結果、当セグメントの売上高は4,271億71百万円(前期比1.0%増)、営業利益は原材料価格高騰の影響を受け、442億28百万円(同10.8%減)となりました。

モビリティセグメント

 当セグメントでは、自動車部品は、年後半からの自動車生産の回復に加え、一部顧客の需要増もあって増収となりました。リチウムイオン電池材料は、民生需要減速の影響を受けて減収となりました。
 この結果、当セグメントの売上高は1,806億26百万円(前期比3.9%増)となり、営業損益は原材料価格高騰の影響もあり、14億89百万円(同5億32百万円増)の損失となりました。

イノベーション材料セグメント

 当セグメントでは、原材料価格高騰に伴う値上げにより製品販売価格は上昇したものの、販売数量減により売上高は前期比で減少しました。
 この結果、当セグメントの売上高は1,410億81百万円(前期比1.6%減)となり、営業利益は原材料価格高騰のコスト増加分の価格転嫁タイムラグ等により、98億38百万円(同27.9%減)となりました。

ケミカルセグメント

 当セグメントでは、石油化学は4年に一度の大型定修はあったものの、ナフサ価格高騰による販売価格の上昇により売上高は前期比で増加しました。一方大型定修による販売数量減少に加え、前期と比較し受払差が縮小したことから、営業利益は減少しました。化学品は値上げによる販売価格上昇により売上高は増加したものの、営業利益は原燃料価格高騰等のコスト増により減少しました。黒鉛電極は主に販売価格上昇により売上高、営業利益ともに増加しました。
 この結果、当セグメント全体としては増収減益となり、売上高は5,278億25百万円(前期比22.5%増)、営業利益は249億10百万円(同34.3%減)となりました。

  • 当期よりセグメント区分を変更しております。前年同期比は新セグメントベースで算出しております。

財務状況

(単位:億円)

総資産 21,004 前年期末比
△420 
純資産 5,747 前年期末比
△ 2,438
自己資本比率 26.2% 前年期末比
+2.2 p
1株当たり純資産 3,038円12錢 前年期末比
+199円61銭

当期末の総資産は、棚卸資産、有形固定資産は増加したものの、現金及び預金、のれん等無形固定資産は減少し、前期末比419億69百万円減少の2兆1,004億21百万円となりました。負債合計は、子会社が発行していた優先株式を取得するため劣後ローンによる資金調達を行った結果、有利子負債が増加し、前期末比2,018億6百万円増加の1兆5,257億44百万円となりました。純資産は、為替換算調整勘定等の増加はありましたが、金融機関保有の優先株式を当社が取得したことにより非支配株主持分が減少したため、前期末比2,437億75百万円減少の5,746億77百万円となりました。

キャッシュ・フローの状況

(単位:億円)

営業キャッシュ・フロー

1,003

前年比
△ 149
投資キャッシュ・フロー △ 547 前年比
△ 833
フリー・キャッシュ・フロー 457 前年比
△ 982
財務キャッシュ・フロー △1,040 前年比
+ 178
その他 100 前年比
△46
現預金増減 △483 前年比
△850

営業活動によるキャッシュ・フローは、運転資本や法人税等の支払額の増加等により、前期に比べ149億34百万円の収入減少となる1,003億49百万円の収入となりました。
 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による201億15百万円の支出増加、有形固定資産の売却による187億37百万円の収入増加や前期の連結範囲の変更を伴う子会社株式の売却による841億33百万円の収入の影響等も含め、832億73百万円の収入減少となる546億67百万円の支出となりました。
 この結果、フリー・キャッシュ・フローは、前期に比べ982億8百万円の収入減少となる456億81百万円の収入となりました。
 財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入による4,096億円の収入増加、連結範囲の変更を伴わない子会社株式取得2,876億35百万円の支出や前期の株式の発行による824億5百万円の収入の影響等も含め、177億77百万円の支出減少となる1,039億64百万円の支出となりました。
 この結果、当期末の現金及び現金同等物は、為替変動の影響等も含め、前期末に比べ482億55百万円減少となる1,866億83百万円となりました。