生成AIで手書き文章も含めた社内資料を活用する独自システムChat Resonacを開発

~ 生成AIで世代間、部門間をつなぐ橋渡し ~

2024年01月18日
株式会社レゾナック・ホールディングス

 株式会社レゾナック(社長:髙橋秀仁)は、旧昭和電工と旧日立化成が過去蓄積してきたデータや文書(以下、資料)を、生成AIにより対話形式で活用できる社内システムChat Resonacを構築しました。従来、ベテラン社員だけが把握し若手社員は存在自体も知らず活用されていなかった資料にアクセスすることが出来、現在そして未来の社員へスムースに伝承していくことが可能になります。また、各部門に蓄積されている技術情報へも対話形式で部門を跨いでアクセス可能になるため、旧昭和電工と旧日立化成の技術を融合した新たな半導体材料の開発などにも寄与します。

 当社の基盤である旧昭和電工と旧日立化成には、それぞれ100年ほどの歴史があり、その変遷の中でさまざまな材料開発、製造等に関する資料が1社で5万点以上蓄積されています。これらの資料はベテラン社員なら紙のファイルやデータベースを検索して探し出すことで利用できますが、若手社員などは資料の存在自体を知らずにアクセスが困難なケースも多くあります。また、ベテラン社員が退職したあとは、これらの資料が未活用文書となるリスクがあります。

 そこで当社では計算情報科学研究センターが中心となり、生成AIにより社内の資料を対話形式で活用できるシステムChat Resonacを構築しました。社内資料を外へ漏洩しない環境へ取り込み、またベテラン社員からのデータ提供や回答へのフィードバックを組み込み、社内資料に特化したChat Resonacアプリケーションとして回答精度を向上させています。手書き文書をOCRでデジタル化して取り込む際も生成AI技術を活用した誤字脱字修正機能を組み合わせることで高精度化しています。また社内で展開している電子実験ノートなどのデータも活用することができます。 社員の世代間の橋渡しに加え、旧所属部門の枠を超えた情報活用や交流も可能になります。Chat Resonacを使い、材料の組成や分析データなど欲しい知見を参照し、さらにその知見を持つ社員にコンタクトして繋がることができます。

 Chat Resonacを用いた取り組みを企画し推進する高分子研究所 材料科学解析センター 竹下聡一郎氏は「個人の知識として集積、活用されていた過去の知見が、Chat Resonacにより組織として誰でも活用できるようになれば、レゾナックとしてより技術開発が強くなると確信しています」と、ベテランの立場からその活用への期待と来るべき未来の姿を語っています。

 なお、当社では、社内で情報共有できる汎用型Chat Resonacに加え、利用制約がある資料を許可された部門のみで利用する特化型Chat Resonacについても、すでに20件以上のアプリケーション化が進行中です。このほか、文書作成支援などの業務効率改善や、キャリア形成支援などを対象に生成AIによる業務改善の取り組みの領域を拡大する計画です。今回の取り組み全体の中心となる計算情報科学研究センター センター長 奥野好成氏は「AIができることはAIに任せ、人間はもっと難しいことに挑戦できる時代になった」として変革を加速させています。

 当社では、今後も情報科学技術を活用することで、半導体材料をはじめとしたスピードが求められる材料の開発期間短縮に取り組んでまいります。

 

以上

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