異方性ボンド磁石の強度と磁気特性を両立した新技術を開発
~ モーターの小型・軽量・効率化に貢献、製造過程でも従来の焼結磁石より省エネ化 ~
2023年07月12日
株式会社レゾナック・ホールディングス
株式会社レゾナック(社長:髙橋秀仁)は、このたび高強度と磁気特性を両立した異方性ボンド磁石の製造に関する新技術を開発し、特許(※1)を取得しました。
ボンド磁石は樹脂と磁粉を組み合わせた磁石で、小型・薄型・複雑な形状に加工でき、寸法精度も優れています。ボンド磁石には等方性磁石と異方性磁石があり、異方性磁石は磁気特性に優れるため、電気自動車(EV)に使用されるモーターや電動工具、家電など幅広い用途での活躍が期待されています。また、焼結磁石(※2)よりも軽量で、電気抵抗値が高いため熱損失が少なく、効率の良いモーターを作製できるといったメリットがあります。
一方で、異方性ボンド磁石の技術課題として高強度と磁気特性の両立が挙げられます。磁気特性を高めるためには、磁粉と樹脂で成形する際に磁粉の向きを揃えて異方性を持たせますが、高強度な樹脂を使うほど磁粉の向きは揃え難いという相反性があります。今回この課題に対し、高密度成形技術、および樹脂・潤滑剤を最適化する技術を開発することで解決し、特許を取得しました。本特許は広く技術を保護できるものであり、今後の技術の発展に活用してまいります。
当社は、今後もEV用をはじめ、家電や電動工具など様々な製品分野を対象に、モーターの小型・軽量・効率化に役立つ高強度・高特性なボンド磁石を積極的に開発、拡販していきます。
なお、ボンド磁石に関しては、本特許以外に耐環境性ボンド磁石材料や周辺材料に関する特許も取得しており、知的財産(IP)を有効活用していく計画です。
(※1) 特許第7298804号
(※2) 焼結磁石:粉末状の磁性材を焼き固めた磁石。
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