パワー半導体向けSiCエピタキシャルウェハーについて東芝デバイス&ストレージ株式会社と長期供給契約を締結

2021年09月28日
昭和電工株式会社

昭和電工株式会社(社長:森川 宏平)は、高効率SiCパワー半導体デバイス事業をグローバルに展開している東芝デバイス&ストレージ株式会社(以下、東芝D&S社)との間で、パワー半導体向けSiCエピタキシャルウェハー(以下、SiCエピウェハー)に関する、今後2年半(延長オプション付き)にわたる長期供給契約を締結いたしました。

東芝D&S社では鉄道車両向けインバーターをはじめとする、多種にわたるSiCパワーデバイスを開発、事業化しており、同社のSiC SBD※1、およびSiC MOSFET※2に当社製SiCエピウェハーが採用されてきました。 今般の長期供給契約の締結は、当社製SiCエピウェハーの特性均一性※3、低欠陥密度※4などの優れた品質と当社の安定供給体制をご評価いただいたものであり、SiCエピウェハーの性能向上に向けた両社の技術的な協力関係を強化するものです。また、幅広いアプリケーション向けに先進的な開発を進める東芝D&S社の製品に搭載されることで当社のSiCエピウェハー事業の一層の拡大が期待されます。

当社グループは、世界最大(当社推定)のSiCエピウェハー外販メーカーとして、“ベスト・イン・クラス”をモットーに、急拡大する市場に高性能で高い信頼性の製品を供給し、電力損失や熱の発生が少なく、省エネルギーなSiCパワー半導体の普及に貢献してまいります。

以上

  • ※1 SBD(ショットキーバリアダイオード):PN接合の代わりに半導体と金属を接合した構造のダイオード。高速スイッチング動作に適しており、スイッチング電源に使用される。
  • ※2 MOSFET(モスフェット):金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)の略。動作速度が速く、緻密な制御が可能なため、電圧・周波数をコントロールするコンバータやインバーターなどパワーエレクトロニクスにおけるスイッチング動作に使用される。
  • ※3 特性均一性:ウェハーの特性を決める窒素のドープ(添加)が均一にできているということ。SiCパワー半導体はSiCに窒素をドープして製造するが、高電圧用途に用いるにはドープ量を少なくかつ薄く均一にする技術が求められる。
  • ※4 低欠陥密度:1㎠あたり何個の欠陥があるかで判断される。欠陥が存在するとそこから電流が流れてしまいデバイスとして使用できなくなるが、大電流化に対応してSiCチップは大型化するため、デバイスの歩留向上には欠陥密度を下げる必要がある。同社に供給する当社第2世代品(HGE-2G)は、当社従来品(HE)に比べ1/2以下の表面欠陥密度を実現した。

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