安全・衛生マネジメント

価値創造への使命

安全*は製造業であり続けるための資格です。レゾナックはグループ一体となって安全基盤と安全文化を構築し、事故災害ゼロに向けた安全活動をグローバルに推進します。
*「安全」には保安防災を含む

取り組み方針

当社は、『安全とコンプライアンスはすべてに優先する』の基本理念のもと、「安全衛生保安環境方針」を定めています。従業員、協力企業、コントラクターなどのパートナーを含むすべての働く仲間の安全と健康を確保し、安心して働ける職場づくりを目指します。また、火災や有害物の漏洩など、外部へ影響を与える重大事故の防止と環境に配慮した企業活動を推進します。 この方針を具体的な行動として示すために、「管理者の安全行動規範」「従業員の安全行動規範」と「安全行動10則」を策定しています。これにより、管理者や従業員が「すべきこと」と「してはいけないこと」を明確にしています。安全行動規範と安全行動10則はeラーニングを通じて、グローバルに浸透させています。これにより各職位に応じた責任を持ち、安全行動を実践することで、事故災害ゼロの達成に向けた取り組みを進めています。

安全衛生保安環境方針

レゾナックグループは、「経営理念」に則り、「安全衛生」、「保安防災」、「環境」に関し、最優先事項として以下に取り組み、グループの持続的な成果と、持続可能な社会の実現に貢献します。

  1. 1. 「安全とコンプライアンスは全てに優先する」ことを全従業員が共有し、行動します。
  2. 2. 適用法令や方針、基準等を理解し遵守します。
  3. 3. 不安全行動・不安全状態を排除し、自身と働く仲間を事故・災害から守ります。
  4. 4. 安全操業、保安防災管理を推進し、従業員と公共の安全を確保します。
  5. 5. 汚染予防、環境負荷の低減等に取組み、持続可能な循環型社会の実現を目指します。
  6. 6. グループ環境安全管理システムに基づいて、リスクを管理し、システムを継続的に改善して、労働安全衛生保安環境管理の水準の向上を目指します。

株式会社レゾナック
CMEO 新保 尚文
(制定:2025年1月1日)

「管理者の安全行動規範」

<規範‐1 責任と信念> 「全ての災害は防ぐことができる」の信念を持ち、職場の最高責任者として安全を確保します。
<規範‐2 率先垂範>  率先垂範して職場で働く人達が凡事徹底を行う風土を醸成します。
<規範‐3 協働①>  具体的な計画を策定し、安全活動を推進します。
<規範‐4 協働②>  作業手順等を定め、部下及び作業者に徹底させます。
<規範‐5 協働③>  安全教育を実施し、部下や作業者の安全意識、危険感受性の向上を図ります。
<規範‐6 心理的安全> 職場の融和、コミュニケーションを大切にし、良好な職場づくりに努めます。
<規範‐7 未来への投資①> 自ら進んで職場の危険要因を掘り起こし、その排除に努めます。
<規範‐8 未来への投資②> 異常時の措置方法を定め、訓練により対応力を高めます。
<規範‐9 継続的改善①>  職場を巡視し、不安全状態や不安全行動、ルール違反は、直ちに是正します。
<規範‐10 継続的改善②>  職場を熟知し、自らの感受性及び管理能力を向上させます。

「従業員の安全行動規範」

  1. 1. 私たちは、安全を最優先で行動します。
  2. 2. 私たちは、災害を未然に防止するために関係法令、ルールを遵守します。
  3. 3. 私たちは、業務ごとに定められた手順に従い、安全な作業を実施します。
  4. 4. 私たちは、安全に関する知識と技能の習得に努め、より安全な作業を実践します。
  5. 5. 私たちは、健全で活発なコミュニケーションをとり安全・安心な職場づくりに努めます。

推進体制

レゾナックの労働安全衛生管理の最高責任者は代表取締役社長です。各事業部・事業所には環境安全責任者を配置し、安全管理に取り組んでいます。本社スタッフ部がこの取り組みを支援する体制を整えています。経営陣との安全に関する情報共有は、原則として隔週で開催される安全会議で行われ、経営陣から全社への指示が展開されます。各事業所では、事業所長と環境安全責任者が中心となり、環境安全行動計画に基づいて、労働安全衛生に関する活動を進めています。 労働安全衛生に関する労使協議は、社長や会社の代表者と労働組合の代表者が参加する労使経営会議で行われます。また、各事業場では労働安全衛生法に基づいた安全衛生委員会などを設置し、会社と労働組合メンバーが安全衛生に関するディスカッションや諸活動を行い、労使一体となった安全・健康の促進に取り組んでいます。

レゾナック環境安全衛生マネジメントシステムの運用

レゾナックでは労働安全衛生、保安防災に関するリスクを一元管理するために、独自の環境安全マネジメントシステムを構築しています。このシステムはISO14001(環境管理)やISO45001(労働安全衛生管理)、PSM(プロセスセーフティマネジメント)に基づいており、マネジメントシステムの継続的な改善を目指しています。これにより労働災害と重大な事故の発生を防ぎ、経営リスクを低減しています。

長期ビジョン実現に向けた戦略

2030年のありたい姿と状況

  2030年のありたい姿 取り組むべき課題 2024年実績 2025年計画
安全文化の醸成
  • トップのリーダーシップのもと、従業員が安全最優先の文化を共有している
  • 安全文化醸成度が計測でき、それに基づいた継続的改善をしている
  • グループ内でグッドプラクティスが共有され、活用されている
長期の課題
  • 労働災害、事故件数ゼロの実現に向けて、高い安全意識とスキルを持つ人材の育成
直近の課題・問題意識
  • レゾナックグループの安全文化・基盤の確立
  • 安全の役員評価への組み入れ
  • 安全宣言の実施とその行動の賞与、業績へのプラス評価
  • 対話型安全巡視(SCP)活動の拡大、高度化
  • トップの安全メッセージを引き続き配信
  • 安全文化の定着を測るサーベイ方法確立
  • 対話型安全巡視(SCP)活動の拡大、高度化
  • グループ内の安全グッドプラクティスの収集と活用
安全基盤の確立
  • グローバル統一のリスクベース安全管理システムが、浸透し始めている
  • 安全管理状態がKPIで見える化されており、それに基づいてPDCAサイクルで改善がなされている
  • グローバルで共通のガイドラインが整備され、活用されている
  • グローバル安全基準および各種安全ガイドラインの整備
  • 環境安全支援システムの構築

レゾナック環境安全マネジメントシステムのグローバル運用開始

  • 環境安全支援システム稼働
  • 各種安全ガイドラインの活用開始
安全活動の活性化
  • 安全活動状態がKPIで見える化されており、それに基づいてPDCAサイクルで改善がなされている
  • 無事故無災害事業所の解析とベストプラクティスの展開
  • 安全モデルラインを活用した改善と学びの機会の創出
  • 製造拠点間での安全相互啓発活動の推進
  • 危険予知訓練(KYT)、リスクアセスメント、安全配慮義務教育による基本的な安全活動の展開
  • SCP=Safety Communication Program管理・監督者が現場パトロールを実施し、よい行動を賞賛しながら不安全行動を指摘し、共に問題を解決していく相互啓発型活動。

非財務KPIの目標と実績

レゾナックは、サステナビリティを全社戦略の根幹と位置づけ、3つのサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)を定義しています。安全・衛生においては「責任ある事業運営による信頼の醸成」に紐づく非財務KPI・施策を定め、重点的に取り組むことで長期ビジョンの達成を目指します。

重要項目(KPI) 2025年目標 2024年実績
安全文化の醸成 事故災害ゼロに向けた安全文化の確立
  • トップの安全メッセージの配信
  • 従業員による「私の安全宣言」
  • 安全意識向上と上司との対話の機会創設
  • 対話型安全巡視(SCP)の拡充
労働災害* 重大労働災害ゼロ(全グループ) 重大労働災害1件(全グループ)
※協力企業を含む
休業災害度数率 0.1以下(日本) 0.64(日本)
設備事故 重大設備事故ゼロ(全グループ) 重大設備事故0件(全グループ)
  • 障害認定の対象(労働基準法障害等級1~7級)となる場合、または死亡を重大労働災害と定義する。

安全衛生教育

災害や事故を防ぎベテランの退職や人の入れ替わりによる安全・環境管理の劣化を防ぐため、管理者や監督者および作業者の安全意識を高めることが重要です。コーポレートによる共通教育に加え、各事業所では安全教育の年間計画を作成・実施し、教育の効果を確認しています。 以下は、本社が主催した労働安全関連研修(日本国内)です。参加者は、研修内容を各職場に持ち帰り、安全活動に活用しています。

本社主催 2024年:労働安全衛生関連研修会(国内)出席者数

開催日 研修会名 対象者 出席者数
2024年4、10月(2回) ISO14001内部監査員研修 事業場希望者 59
2024年7、9、11月(各2回) 対話型安全巡視(SCP)研修会 環境安全責任者 68
2024年11、12月(2回) 班長向け安全スキルセミナー研修 班長、班長候補者 84

TOPICS班長・主任スキルアップ活動

製造現場の班長を対象に班長スキルセミナーを実施しています。このセミナーでは、「4R-KYT*」や班長としての心得を学びます。また、事業所からニーズの高い主任層への教育強化として、2025年4月からは主任スキルセミナーも新たに開始しています。このセミナーでは、製造現場の主任に求められる安全への配慮義務やリスク評価、対話型安全巡視(SCP)について学びます。各セミナーは年2回実施し、毎回25名の参加者が学んでいます。
*4つのラウンド(現状把握、本質追究、対策樹立、目標設定)で進める危険予知訓練 。