企業文化の醸成

パーパス・バリュー浸透に向けたこれまでの歩み

2023年の旧昭和電工と旧日立化成の法人格統合=レゾナック誕生に先立ち、2022年に経営体制を一本化し実質的な統合を果たし、経営理念であるパーパス・バリューを制定しました。経営統合に伴って従業員一人一人が当社の掲げるパーパス「化学の力で社会を変える」 と4つのバリューを実践していくためのさまざまな取り組みを行っています。

 

パーパス・バリュー浸透の具体的施策

1. モヤモヤ会議 ~心理的安全性・バリューを実践しやすい環境をつくる~

CEOとCHROが各拠点を訪問し、従業員が日頃抱えているモヤモヤについて、バリューや共創で解決できるかをみんなで考える「モヤモヤ会議」を2023年から実施しています。参加者がお互いの「モヤモヤ」にバリュー視点でアドバイスし合い、さらにそのモヤモヤに対して経営層や拠点長がその場で意思決定するプラグラムです。「モヤモヤ会議」を通して、①自身の考えを率直に話せる心理的安全性の確保を促すこと、②解決のためにバリューに基づいたアクションを起こすことを目的としています。

悩み・困りごと(悩みを持つ本人が自らバリューを実践、他の参加者がバリューに基づく助言、経営層・拠点長がバリューに基づく意思決定)、解決に向かうアクション
モヤモヤ会議そのものによる従業員の行動変容の例 モヤモヤ会議に参加、自分の意見・モヤモヤを発言する 経営層との闊達なコミュニケーション、自分の声にすぐに対応してくれたという実感 事業所の有志が自主的にモヤモヤ会議を行うようになり、組織内のコミュニケーションをより円滑に行えるようになった
モヤモヤ会議で挙がった事例から生じた従業員の行動変容の例
従業員から挙がったモヤモヤ

会議が多い、自分が参加する必要のない会議があり、他業務が圧迫される

経営層の対応

CEOが従業員用サイトなどを通じて「会議の効率化・参加者の選定」について説明

従業員の行動変容

従業員一人一人が、会議を含む、自身や部下の定常業務の在り方を見直すことができた

2. パーパス探求カフェ ~対話による自身のパーパスの自覚とレゾナックとの繋がりを考える~

2023年はバリューをベースとした対話(モヤモヤ会議)を実施しましたが、2024年は、パーパスの自分ごと化とそれによる自律を目的に「パーパス探求カフェ」を実施しています。
参加者は、自分の過去を振り返り、対話により他者からフィードバックをもらうことで、自分が本当に大事にしていることは何かについて考えを深め、自身のパーパスの自覚・深掘りをします。さらに、自身のパーパスとレゾナックのパーパスの重なりについても考えることで、パーパス実現に向けた第一歩を踏み出すきっかけとしています。

3. グローバルアワード AHA! ~バリューの実践を促進する~

当社は、全レゾナックグループを対象とした事前エントリー制のグローバルアワード「AHA! (Awards of Harmony)」を実施しています。組織の垣根を超えたチームが、パーパス・バリューを踏まえた行動宣言を策定し、目標と取り組み内容を設定して自らAHA!にエントリーします。その後、交流会、選考会受賞チームを称賛する場で、挑戦の中で実践したバリューの経験を語り合い、お互いに「共感」することで良い刺激を受け、バリューのさらなる実践や、枠を超えた「共創」が生まれることを狙っています。2023年度のAHA!では、11か国から921チーム(延べ約11,500名)が参加し、実践した多くのバリューの経験が共有されました。

POINT 01自分自身の成長の機会

POINT 02横のつながりの場

AHA! Meeting 2023

参加した921チームを対象に選考会を行い、金賞13チーム、銀賞36チーム、Progress賞4チームが選ばれました。3月に開催されたAHA!ミーティングには、受賞チーム、執行役員などの関係者約300人が集まり、受賞チームの表彰式、賞賛、活動内容を共有しました。

エントリー:1月~2月、チーム交流会:6月~7月、1次選考会:9月、最終選考会:11月、AHA! Meeting:翌年3月

金賞事例 ①【宣言】大分にバリューをもっと浸透させたい!

石油化学事業の大分コンビナートにおいて、パーパス・バリューの認知・理解・実践度の向上に取り組みました。
「機敏さと柔軟性」と「枠を超えたオープンマインド」をキーワードに、大分コンビナートのさまざまな部署からメンバーが集まり、コンビナート代表のメッセージ動画配信や、社内全部署が集まる交流会、マスコットキャラクターの作成など、これまで大分コンビナートで行われていなかった独自のバリュー浸透活動を立案・実行しました。実施後のアンケート結果では、パーパス・バリューの認知・理解度が約50%から80%まで向上しました。

金賞事例 ②【宣言】顧客と共創し次世代技術を実現したい!

Resonac Koreaの営業チームが顧客との共創の加速により、次世代製品向けCMPスラリーの受注を獲得しました。
半導体後工程材料は顧客の次世代商品のニーズや技術動向をヒアリングし、自社製品の開発に落とし込む必要があります。同チームは「プロフェッショナルとしての成果へのこだわり」と「未来への先見性と高い倫理観」の2つのバリューを発揮し、顧客ニーズのヒアリングと、迅速な製品開発への反映の両立を実現。顧客、開発部隊双方とのコミュニケーション活動の成果です。

グローバルアワードAHA!の肯定評価KGIとKPI

2023実績 2024目標 2025目標

70%

対前年比改善 対前年比改善

エンゲージメント調査 ~パーパス・バリューの浸透度の定点観測~

レゾナックは、従業員の声をタイムリーに汲み取り、各種施策を通じて経営に活かしていくことを重視し、定期的にエンゲージメント調査を行っています。
法人格統合前(2021年)のエンゲージメント調査を経て、経営理念の共感や心理的安全性の確保、仕事のやりがいなどが課題として挙がりました。そのため、下記をはじめとしたさまざまな施策を展開しました。

実施した施策例

タウンホールミーティング
ラウンドテーブル
  • CEOとCHROが事業所に直接訪問し、パーパス・バリューについて従業員と語り合う
  • 23年は63事業所で実施
  • モヤモヤ会議も同時開催
共創型コラボレーション力強化研修
  • 心理的安全性やアンコンシャスバイアス、建設的な議論など共創に必要な要素について行動変容を促す研修
  • 全マネージャー対象
  • 23年は1,172名参加
  • 研修の結果、行動変容率は2022年の23%から2023年は32%へ上昇
REBLUC
  • 「どんな未来に貢献したいのか」1人ひとりの意思や目的意識を探求し、「化学の力で社会を変える」ための具体的な行動を実践し広げていくコミュニティ
  • メンバーは手挙げ制
  • 23年は36名参加
  • 取り組みに参加した従業員が周囲の人々に対しいい影響を与えているという回答が65%

2023年の調査では2021年に対し、回答率が63%→83%へ向上し、エンゲージメント調査に対する従業員の関心が高まったとともに当社が重要視している「心理的安全性」に関する肯定的回答率が51%→60%に向上しました。一方で、エンゲージメント自体のスコアは前回と同水準の50%台にとどまっており、調査の分析結果から以下の4つの全社的な優先課題を設定し、継続的な改善に取り組む方針です。
また、当社が重要視している経営理念の浸透についてはパーパス共感度が47%から63%に、バリュー共感度が51%から64%と大きく上昇しました。引き続きパーパス・バリューの浸透度の向上に努めていきます。

エンゲージメントスコア

 

TOPICS各部門コラボレーション施策(REBLUC)

共創文化を実践している例として、 当社のパーパスである「化学の力で社会を変える」ための具体的な行動を実践し、拡げていくResonac Blue Creators(通称 REBLUC、レブルック)と呼ばれる社内コミュニティを構築しています。REBLUCでは、多様なバックグラウンドを持つメンバーが対話を重ねながら自身が実現したいパーパスを提起的に再考し、ブラシュアップします。また、部門を跨いで新たな事業提案や改善活動を行うコラボレーションに取り組み、企業の枠組みにとらわれない社外との共創活動も推進しています。

2023年は36名の従業員が参加し、取り組みに参加した従業員が周囲の人々に対し、良い影響を与えています。