企業文化の醸成
パーパス・バリューの浸透と実践へ

STEP①ラウンドテーブル
1年目の2022年は徹底的な発信をテーマに事業所や支店70か所以上に訪問し、100回を超えるラウンドテーブル、タウンホールミーティングを行いました。パーパス・バリューの認知と、統合会社が目指している将来像が分からない、という声が多かったので、徹底して経営層の想いを伝えることに注力しました。
STEP②モヤモヤ会議
2年目の2023年はモヤモヤ会議を行いました。1年目のフィードバックを集めると「経営層との双方向コミュニケーションを取りたい」「声を上げにくい文化がある」といった意見がありました。そこで従業員がお互いにモヤモヤしていることを言い合い、解決策を経営層と対話するプログラムを実施しました。
STEP③パーパス探求カフェ
パーパス・バリューがある程度浸透し、共創文化が定着しはじめた3年目には、パーパスの自分ごと化と自律を目的にパーパス探求カフェを実施しました。
自身の過去を振り返り、対話によって他者からフィードバックをもらうことで、自分のパーパスを自覚・深掘りするコンテンツです。
バリュー→アクション レゾナックのバリュー実践例
1.開発・技管・品証が一体となったバリュー実践活動で不良率激減、 災害発生ゼロを継続
ある製造事業所では、部門の壁を意識せずに開発・生産技術・技術管理※・品質保証メンバーが集まり、不良低減を目的とした定例会を開催しています。また、関連部門メンバーを交えた日々の朝会では前日に発生した全ての不良品を出席者全員で確認し、本日行うアクションをその場で即断即決、スピードを意識した改善活動で工程内不良を大幅に低減しました。別の一体活動の成果として、新製品の立ち上げにおいても開発段階のフェーズである試作初期から関連部門メンバーが参画し、先行して問題の潰しこみを行うことにより量産移行後の品質と生産性を確保しています。これら取り組みに対して、事業所長から「せっかくバリューがあるのだから、バリューに沿ったやり方に変えてみよう!」との後押しもありました。こうした取り組みが事業所内に良い雰囲気を醸成し、2024年災害ゼロの達成、エンゲージメントスコアは前年比14ptアップと成果につながっています。

2.エンゲージメントスコアが低い事業所は原因を徹底分析!現場の声を聞き、働く環境を改善する!
ある製造事業所では、エンゲージメントスコアが他事業所に比較し低く、項目や部署別に原因分析を行った結果、現場で働く従業員の声を聞く必要性が判明しました。CEO髙橋とCHRO今井によるタウンホール、ラウンドテーブルを皮切りに、安全・製造面ではCMEO/CQOの新保、投資面ではCFO
の染宮をはじめとした、経営陣や各部署のメンバーが即座に訪問し、現場の声を聞くことで、多数の課題が見つかりました。事業所では、例えば課長-係長-主任-班長などラインでのコミュニケーションの量を増やすだけでなく、1on1でのフィードバックの質の改善を目的とした研修も実施しています。また、現場における働き方変革と働く環境改善のため、バーチャル目安箱を設置し、従業員の声を集める取り組みも開始しました。エンゲージメントスコアにも、少しずつ結果が現れ始めています。

①CEO・CHROとのラウンドテーブル ②CMEO/CQO・CFOとのラウンドテーブル
3.環境にやさしい研究開発や事業運営を!未来へ向けたワークショップからサステナビリティに取り組む
2024年から、従業員のサステナビリティマインドの醸成、サステナビリティのみんなごと化を目的に、CSuOが国内外の拠点を訪問するサステナビリティDayを実施しています。タウンホールミーティングや少人数でのラウンドテーブル、環境やコンプライアンス、地域貢献をテーマにしたワークショップなどをこれまでに国内外の9カ所で行っています。2025年2月に実施した研究開発職向けのサステナビリティ
Dayでは「環境にやさしい研究開発とは」というテーマでワークショップを行いました。製造プロセスの簡略化や低温化など電力使用量を減らすプロセス、研究開発の段階も含めた製品ライフサイクルでの環境負荷低減といった参加者の思いをもとに、化学の力で社会を変えることを目指した取り組みが始まっています。

ワークショップの様子
共創を生み、広がる「グローバルアワード AHA! 」
バリューの実践を促進するために、全レゾナックグループを対象としたグローバルアワード AHA! (Awards of Harmony)を実施しています。組織の垣根を超えたチームが、パーパス・バリューを踏まえて行動宣言を策定、目標と取り組みを設定してAHA!にエントリーします。行動宣言の達成に向けて、追加の取り組みを行うことやメンバーの増員も認められています。交流会や選考会などの場で、実践したバリューの経験を語り合い、お互いに「共感」することで良い刺激を受け、バリューのさらなる実践や、枠を超えた「共創」が生まれることを狙っています。2024年は17の国と地域から997チーム、延べ12,209名が参加しました。
POINT 01自分自身の成長の機会
POINT 02横のつながりの場
事例 ①NCF増産を支えた影の立役者:HD×画像解析×NCFの共創の力!
HD(ハードディスク)を製造する旧昭和電工の市原工場と、NCF(絶縁接着フィルム)を製造する旧日立化成の五井事業所は車で約10分の距離にありますが、統合当初は交流がほとんどなく、「近くて遠い関係」でした。しかし、総務主催の交流会をきっかけに技術交流が始まり、日常のふとした会話からHDの画像解析技術をNCFの検査工程に活用できることに気づき、共創が一気に進展しました。従来、NCFの外観検査は顕微鏡を用いた目視作業に頼っており、増産計画に伴い検査員の不足が課題となっていました。そこでHDの画像解析技術を導入し、検査プロセスの自動化と効率化を実現しました。この結果、課題だった人員不足を解消し、検査体制を強化することでNCFの増産に大きく貢献しました。今後、この画像解析技術を他事業所へも展開し、新たな共創活動に広げていくことを目指しています。
事例 ②デジタル活用での見える化でKPRの生産性が安定化
川崎事業所で、プラスチックケミカルリサイクルを行っているKPRでは、消費者が分別排出した廃プラスチックを自治体から引き受け、破砕処理と高温での成型処理を行った後にガス化処理を行い、アンモニアを製造しています。原料である廃プラスチックは家庭から排出されるものなので品質が毎回違います。受入れ元の自治体も毎年変化するので傾向の把握も困難です。こういった事情もあり、デジタルデータの活用が進んでおらず長年の経験を基にした属人的な部分に生産性が左右されていました。今回の取り組みでは製造・生産技術・工務それぞれの部署にとって重要な情報を一つのデータベースに集約し、各部署が同じ目線でデータを判断材料とすることができるようになりました。3部署が同じデータを基に、週次のミーティングで運転方針の意思決定を行い、これまで属人化していた生産性改善のマニュアル化に成功しました。
一人ひとりの情熱やパーパスを探求し、ありたい姿の実現に向けた挑戦を続けるコミュニティ「REBLUC」
当社のパーパスである「化学の力で社会を変える」ための具体的な行動を実践し、広げていくREBLUC(Resonac Blue Creators)と呼ばれる社内コミュニティを構築しています。REBLUCでは、多様なバックグラウンドを持つメンバーが対話を重ねながら自身が実現したいパーパスを定期的に再考し、ブラシュアップします。また、部門を跨いで新たな事業提案や改善活動を行うコラボレーションに取り組み、企業の枠組みにとらわれない社外との共創活動も推進しています。REBLUCの参加者数はこれまでに66名に達しています。(2025年6月現在)
POINT 01未来を紡ぐコミュニティ
POINT 02変化を生む実践力
事例 ①化学の力・共創力で、宇宙で活用する新技術を創出したい!
私たちは宇宙を新たな挑戦的事業領域として活動を開始しました。REBLUCの取り組みで、宇宙関連材料で社会に貢献したいメンバーが自主的に集まりプロジェクトを推進しています。社内だけにとどまらず、JAXA(宇宙航空研究開発機構)、大学、企業とさまざまな取り組みを行っています。宇宙向け半導体材料の開発では、国際宇宙ステーション(ISS)での評価を計画し、ペイロード製作に取り組みました。事業部と協力し、宇宙放射線による動作エラー抑制が期待される封止材を試作しました。さらにICチップを製作し、動作を評価するボードに組み上げるところまでメンバーで協力し、行いました。今秋にISSに打ち上げ、宇宙空間に暴露した試験装置において約半年間の動作評価を行います。本取り組みが成果を上げられれば、通信衛星などの処理能力を拡大させ、地球や宇宙のどこでも高度な計算による判断が可能となり、私たちの生活を豊かにすることに貢献できると考えています。
事例 ②化学の力で社会課題にアプローチできることを若者に伝えたい!
REBLUCから生まれた、私たち「なぜなぜマーケット」は、化学が社会課題にアプローチできることが広く認知されることによって、科学を志す人が、多く生まれる/世界から集まる日本に変えることを目的に活動を行っています。興味を持った人が誰でも参加できることを前提に、学生に対して化学・科学の面白さを実感できる理科教室や講座を企画しました。従業員の家族向け理科教室イ
ベントを皮切りに、科学技術館で開催された「夢・化学21 夏休み子ども化学実験ショー2024」にも出展しました。活動を行う中で外部の方とのコミュニケーションの重要性を認識した一方で、交流を活発化させるためには前提条件の共有と関係性の構築に時間を要すことが分かりました。そこで当社の製品が大きく関わっている半導体をテーマとしたボードゲームをオリジナル製作し、社内外との交流の活性化と次世代の子どもたちに半導体を分かりやすく伝えることを実現しました。