事業を通じたパーパスの実践「Resonac Pride 製品・サービス」

「Resonac Pride 製品・サービス」とは

Resonac Pride 製品・サービスとは、当社事業による「パーパス」と「バリュー」の実践を可視化するための取り組みです。

パーパス「化学の力で社会を変える」実現に向けては、バリューチェーンの川上から川下まで幅広い領域で提供している当社の製品・サービスが、社会や環境、お客さまにどのような価値を、どのくらい提供することができたかを可視化していくことが重要だと考えています。マテリアリティ「イノベーションと事業を通じた共創力&競争力の向上と社会価値の創造」達成のためのKPIと位置づけ、取り組みを進めています。

認定のポイント

認定にあたっては、パーパスに基づき社会を変えることで社会や環境、お客さまや社会に提供した価値や当社が大切にする4つのバリューの発揮内容が妥当かどうか、製品環境アセスメント・レピュテーションなどのリスク評価、売上計画やシェアなどの将来性・インパクト、世界共通のゴール(SDGs)との関連性などの観点で第三者の視点を入れ評価していきます。

認定するための主な確認項目 認定のポイント
パーパスの実践内容 社会・環境・顧客への提供価値 (可能な限り定量化)+社会価値創造ストーリー(仮説、定性)
バリューの実践内容 4つのバリューの実践内容
リスクの評価 第三者から見たリスク、ネガティブインパクト
世界共通のゴールとの関連性 SDGsへの貢献内容
将来へのチャレンジ 将来の事業機会の拡大可能性、規模化
財務影響 将来の売上・利益・キャッシュフローへの影響

認定のステップ

お客さまや投資家、行政、有識者などさまざまなステークホルダーから当社製品・サービスへのご期待やご意見をいただき、評価の客観性や透明性を高めています。2025年からは、新たに設置したサステナビリティアドバイザー※による評価のステップを追加し、サステナビリティ推進会議での認定を行っています。

  • 当社の執行ならびに取締役会へのサステナビリティに関するアドバイス、従業員へのサステナビリティに関する専門知識の提供などを行っていただく外部専門家
     
STEP1 事業部門が認定に向けた申請を実施
STEP2 事務局によって社内審査を実施
STEP3 ステークホルダーからのご意見収集
STEP4 サステナビリティアドバイザーからのご意見収集
STEP5 サステナビリティ推進会議で社内審査を実施
STEP6 パーパス実現により貢献した製品・サービスを認定
STEP7 ご意見をいただいた方へ報告
STEP8 取締役会へ報告

認定の進捗状況

2024年にケミカルプラスチックリサイクル(KPR)とパッケージングソリューションセンター(PSセ)の取り組みについて認定完了しました。現在、他の事業の代表製品・サービスについて、各々、社会・環境・顧客への提供価値可視化に取り組んでいるところです。2025年末までに全事業の代表製品・サービスについて認定できるよう進めています。さらに、2025年から役員報酬のインセンティブ部分のKPIに、本件認定数を含めました。また、より客観性を高めるために、有識者(サステナビリティアドバイザー)からご意見をいただくステップを追加しました。

Resonac Pride 製品・サービス 認定第1号:川崎プラスチックケミカルリサイクル(KPR)

Resonac Pride 製品・サービスの第1号として、川崎プラスチックケミカルリサイクル(KPR)を認定しました。KPRは、2003年に稼働を開始したガス化ケミカルリサイクルプラントで、使用済みプラスチックを高温でガス化し、分子レベルまで分解して水素とCO2を取り出しています。

認定のポイント(抜粋)

  • 製造過程でも化石燃料や化石燃料由来のエネルギーを使わないため、従来のアンモニア製造方法と比較するとGHG排出量を約80%削減
  • 年間約6万トンの使用済みプラスチックをリサイクル(日本のケミカルリサイクルの約20%に相当)

ステークホルダーからの声

ステークホルダー KPRに対する期待や改善点
取引先
  • ケミカルリサイクルでこれだけの商業運転を達成しているプラントは現時点では世界にKPRのみ。先見性、化学の力、技術力が活かされた良い事例
顧客
  • レゾナックから供給されるKPRの水素による発電はホテル運営の核であるため、今後も海外含めて社会への認知を共に広めていきたい
  • これまで長い間、当社へ安定的にアンモニアを供給いただいているのは、KPRプラントが安定運転できているから。レゾナックの従業員の尽力に感謝
有識者
  • 今後さらに審査の基準を明確かつ分かりやすくすること、そして20年後の世界に対して各地域の実情に合わせたKPRの将来像を打ち出すとより良い
  • 投資家の理解を得るためにも、共創しているステークホルダーと共に情報発信することが重要。Resonac PrideがソーシャルPride、ジャパンPrideになることを目指して取り組んでほしい
  • 今後、繊維廃棄物のように処理困難なものの再資源化にも期待し ている。また、炭素を原料として有効利用するなど今後の発展も期待している
投資家
  • 本質的な社会の要求に応えるためには、まだまだ規模が足りない。ケミカルリサイクル普及拡大に向けた世界観を持てば、自社と社会のサステナビリティの両立の好事例となるはず

行政・地域住民・次世代

  • 川崎市が推進しているカーボンニュートラルコンビナート構想の柱は水素、炭素循環、エネルギーの地域最適化。KPRはその柱の全てに関わっている(川崎市担当者)
  • 地域住民や子どもたちへの、工場見学やリサイクルに関する説明を通じて、リサイクル意識の向上に貢献している。今後も環境問題などの解決に向けた新しい技術開発を進めるとともに、プラントの安全な運転をお願いしたい(川崎市町内会)
  • 20年もの事業継続が素晴らしい。プラスチックがケミカルリサイクルにつながることをより示せれば、自治体の分別も促進され回収率アップにもつながると思う(学生)

Resonac Pride 製品・サービス 認定第2号:パッケージングソリューションセンター(PSセ)

Resonac Pride 製品・サービスの第2号として、パッケージングソリューションセンター(PSセ)を認定しました。PSセは、先端半導体パッケージ技術・最新設備を活用・提供し、お客さまと共創するオープンイノベーションの場です。2018年からコンソーシアム”JOINT”を立ち上げ、社外のステークホルダーとの共創を実現しています。装置・材料メーカー各々が個別最適から脱却し、装置・材料が一体となり最適化を図ることで効率的な開発を可能にしています。PSセの取り組みは、「ステークホルダーとの共創」「技術革新」により社会発展や環境負荷低減の貢献につながっています。

認定のポイント(抜粋)

  • お客さまとの一対一のコラボレーションなどを通じ、特に今注目を浴びている生成AIに使用される次世代半導体パッケージの早期実現に貢献している。
  • 半導体パッケージを高密度化することで生成AIの性能向上や、スーパーコンピューターの計算速度向上を実現できる。

ステークホルダーからの声

ステークホルダー パッケージングソリューションセンター(PSセ)に対する期待や改善点
共創先
  • 半導体パッケージ技術の重要度が増しているため、材料・装置に強い日本の維持・強化に期待
  • JOINT2参画企業間での課題抽出の場など交流や人材育成を共に進めたい
  • JOINT2参画企業の成果の位置づけの明確化やデバイス企業、ファウンドリーへのビジネス展開に向けた出口戦略の議論を期待
顧客
  • 複数企業の材料を含めた多様なプロセスやプロダクト試作による半導体パッケージ業界への貢献度がさらに向上することを期待
有識者
  • 半導体業界をリードする共創活動(例:国際規格策定への展開など)を期待
  • 本取り組みがどのように当社の成長をドライブしていくかを開示していくことで、共創の意義が社会、投資家、そして従業員にも納得されるものになると期待
投資家
  • AIなどの発展により社会全体で使用するトータルの電力量は増加する。環境への影響を含めた社会全体のシステムレベル向上につながる活動を期待
  • 経済面だけでなく社会全体への貢献や人々の豊かさにつなげてほしい

事業を通じたSDGs達成への貢献

循環型社会を目指す共創型化学会社として、SDGsの12番と17番への貢献を当社の企業活動の中心とし、事業・製品を通じた取り組みのゴール、土台に事業基盤を通じて自らが取り組むゴールを下記のように位置づけています。すでに取り組んでいる領域はもちろんのこと、その先の「化学の力で実現したい未来」への貢献を目指します。

SDGs1番から17番までに表現されていない私たちが発見し解決していく課題=「化学の力で表現したい未来」 次世代半導体材料などの技術開発 高いリサイクル性を有した部材の提供 低消費電力半導体適用の材料開発 GHG排出削減に寄与する製品の提供 EV性能向上に貢献する材料開発 共創型化学会社

SDGs貢献製品

当社は2022年に「SDGs貢献製品」を選定しました。2024年から「Resonac Pride 製品・サービス」として改めて選定を進めていますが、旧制度で認定された製品一覧も、参考情報として以下に掲載します。

事業・製品 貢献ポイント 2030年に向けて 主なSDGsターゲットNo.
プラスチックケミカルリサイクル
  • プラスチック資源のケミカルリサイクル率向上
    ケミカルリサイクル率:約3%(現状)→17%の達成(国内)
  • 海洋プラスチックごみによる汚染の低減
  • リサイクル困難なプラスチックにも対応し、リサイクル率を向上
  • 商業運転で培った安定生産プロセス技術を国内外に提供
9.4、12.5
黒鉛電極
  • 鉄鋼生産におけるCO2排出量削減
  • リサイクル含めた持続可能な循環型社会の構築
    世界電炉鋼比率:約30%(現状)→35%の実現
  • 電炉操業技術を高度化させ、製鉄プロセスでのCO2削減
  • カーボンニュートラル操業を実行する世界6工場からの高品質な黒鉛電極の安定供給
  • 大町電力ニュートラル:消費電力量≦水力発電量
  • AI技術などで電気炉操業技術の高度化をサポートし、電極原単位を削減
9.4、12.2
半導体向け高純度ガス 持続可能な産業化の促進 さらなる高純度化により半導体メモリーのデータ記録容量を増大、低消費電力化によるタブレット端末の普及拡大に貢献 9.4
ハードディスクメディア 持続可能な産業化の促進 ハードディスクドライブのデータ記録容量を増大し、データインフラ普及に貢献 4.3、9.4
リチウムイオン電池正負極材用導電助剤「VGCF® エネルギー効率改善(リチウムイオン電池の使用材料) 社内の電池部材との融合でさらなる高性能化によるエネルギー効率改善に貢献 7.3、13.2
アルミラミネートフィルム「SPALF® エネルギー効率改善(リチウムイオン電池の使用部材) SPALFと熱交換器の技術を融合した軽量かつコンパクトな電池冷却器により低炭素社会に貢献 7.3、13.2
再生医療等製品の製法開発・受託製造サービス がんや遺伝性疾患など、従来の治療法では治療が極めて困難な難治性・再発性疾患を克服 製薬企業のパートナー企業として、北米、欧州、日本に所有する再生医療等製品の製造拠点で、高品質な再生医療等製品の製造受託サービスを通じて、再生医療の普及・発展に貢献 3.4、3.8

5G、AI、自動運転など情報通信関連製品:

  • CMPスラリー
  • プリント配線板材料
  • ソルダーレジスト
  • ダイボンディング材料
  • エポキシ樹脂封止材
  • 異方導電フィルム
大量のデータを用いた新たなサービス・産業プロセスの実現するAI技術や次世代無線通信技術(5Gなど)、自動車の安全性向上、移動サービスの向上と通信、交通インフラ普及に貢献 当社の材料技術が当該技術分野の発展・実用化加速に寄与し、情報通信技術を生かした物流管理、スマートグリッドなどにより資源の利用効率、環境問題の改善、社会の交通安全の発展などを促進 3.6、9.4
樹脂バックドアモジュール エネルギー効率改善(自動車の軽量化) 自動車の軽量化による燃費向上で走行時のCO2削排出量を削減し、温暖化防止に貢献 6.4、7.3、9.4
排気部品用高温断熱材 健康的な生活の確保(有害化学物質、並びに大気、水質及び土壌の汚染防止) 高温維持により排ガスの浄化を促進するとともに、エンジンの防音・防振に寄与し、都市環境の清浄維持や搭乗者の快適性向上に貢献 3.9、9.4
銅フリー摩擦材 健康的な生活の確保(有害化学物質、並びに大気、水質及び土壌の汚染防止) ブレーキ制動時に発生する微量の摩耗銅粉による、河川や湖沼および海洋の汚染抑制に寄与し、水質汚染による健康被害の発生防止に貢献 3.9、12.4
xEV用負極材 エネルギー効率改善(xEV用電池の提供) xEVの普及拡大に貢献し得る電池材料の開発・製造・販売を通じて、世界のエネルギー効率改善、大気汚染減少といった社会課題解決に寄与 7.3、9.4