環境リスクへの対応

考え方・取り組み方針

当社は、「化学の力で社会を変える」のパーパスを実現するため事業活動において様々な化学物質を製品・サービスあるいは原材料として取り扱い、かつ廃棄物としても排出しています。私たちは人々の健康な生活と大切な地球環境を守るためには未来への先見性と高い倫理観を持ってこれら全てに含まれる化学物質を適切に管理し、それらがもたらし得る環境負荷リスクの低減活動へ取り組むことが重要な課題であると認識しています。また、廃棄物を適切に管理することが環境汚染を防止するため、必須と考えています。
当社は、「私たちのビジネスが環境に対して与えている影響の適切な評価」と、「その結果に基づいた環境負荷低減と地球環境保全活動」に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献します。

目標と進捗状況

重要項目(KPI)の目標と実績

重要項目(KPI) 2025年目標 2024年実績
環境事故発生件数 環境事故発生件数ゼロ(全グループ) 0件(全グループ)
化学物質大気排出率 化学物質(特定30物質)大気排出率:2024年比1%減(全グループ) 化学物質(特定30物質)大気排出率:2023年比19.3%減(全グループ)
※目標:1%減

2024年は、重大な環境事故※の発生はありませんでした。

  • 重大な環境事故:法規制値・協定値を超えた排出などにより、人の健康または自然環境に被害を生じさせた以下のいずれかの事態を伴う事象
    (1)身体への刺激や体調不良等により救急搬送されたもの
    (2)第三者の生活や事業活動、自然環境に被害が生じたもの
    (3)外部に援助要請を行うもの(公設への通報以外)
    (4)報道(全国的なメディアによる)の対象となるもの

具体的な取り組み

大気環境負荷の低減

当社は化学企業として、大気汚染物質であるNOx、SOx、ばいじん排出量および揮発性有機化合物(VOC)、化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)対象物質を含む化学物質排出量の削減に取り組んでいます。NOx、SOxおよびばいじんは対前年度で削減することを目標として、重油からLNGなどへの燃料転換や燃焼法の改善、脱硫・脱硝装置の適切な運転管理、排熱回収による燃料の削減などの対策を継続して実施しています。
PRTR法対象物質などについては、代替物質への転換や回収・リサイクル率の向上に取り組み、削減を図っています。

水質汚濁の防止

当社では、法令や条例の規制値よりも厳しい自主管理値を定め、COD(化学的酸素要求量)、BOD(生物化学的酸素要求量)、窒素、リンなどの水質汚濁物質の排出量のモニタリング・低減に努めており、継続的に対前年度で削減することを目標としています。
国内の主な生産拠点では、各プラントの排水を集め、中和処理や固形物除去などの処理を行っています。また、有機物が含まれる排水は微生物を利用して有機物を分解する活性汚泥処理を行っています。活性汚泥処理が難しい排水については、吸着処理、凝集分離、燃焼処理などを実施しています。公共用水域への排水路はモニタリングしており、排水処理の不具合などで自主管理値を超えた排水が発生した場合には、排水口に設置されている遮断設備によって外部へ漏洩させない仕組みになっています。

廃棄物の管理

当社では、中間処理・最終処分の委託先を査察し、当社からの廃棄物が適正に処理・処分されていることの確認を継続しています。2020年に廃棄物の不適正処理への対応強化を目的として特別管理産業廃棄物を50トン/年以上発生する事業者へ電子マニフェスト使用が義務化されて以降、当社該当事務所では電子マニュフェストによる報告を実施しています。
PCB(ポリ塩化ビフェニル)廃棄物は、当社のPCB管理チェックリストに基づき、保管状況を定期的に点検し、適切に保管し、2027年3月までに低濃度PCBの処理を完了する計画で外部委託処理を進めています。使用中のPCB含有電気工作物の更新も併せて実施しています。

福島県喜多方市での環境対策について

喜多方事業所(福島県)における過去の事業に起因した土壌汚染に対する環境対策工事は2023年10月に完工しています。これからも地域の皆さまとの対話、情報発信を大切にしていきます。

 

新潟水俣病について

旧昭和電工からの排出物質により発生した新潟水俣病に関し、被害者および周辺地域の皆さまに多大なご迷惑をおかけいたしましたことを原因企業として改めて深くお詫びします。当社は今後とも、国や地方自治体と連携し、法律に基づき誠意をもって本問題に対応します。