生物多様性保全

考え方・取り組み方針

当社は製造業としてさまざまな資源を原材料として、さまざまな拠点で製造し、製品を社会に送り出しています。人間社会は豊かな自然の恵みを得ることで成り立っており、生物多様性への影響を認識し、貢献することは当社の企業活動において重要と捉えています。

当社は生物多様性を保全することが、生態系の生み出す自然回復力にとって重要であるとの認識のもと、「事業活動が生態系に与える影響の評価とその影響の低減」、「失われる危機のある生物多様性の回復」、「森林・土壌・水・大気・生物資源などの自然資本の持続可能な活用」に取り組み、ネイチャーポジティブの実現に貢献します。

目標と達成状況

TNFDの開示推奨項目およびLEAPアプローチを参考に、2023年に当社のサステナビリティ戦略と整合した生物多様性保全ロードマップを策定しました。2024年にはロードマップに沿って、自然への依存・影響の簡易評価、優先地域の特定、依存・影響の評価、リスク・機会の評価および対応策の検討を実施しました。さらに2025年以降は、国内外の主要製造拠点59拠点および主要サプライヤー40拠点を対象に、LEAPアプローチに基づく詳細評価を実施し、保全重要度、生態系の完全性、水関連リスクなどの観点から優先地域を特定するとともに、自然関連リスク・機会の評価および対応策の検討を進めています。今後もTNFD提言に沿って評価の高度化と情報開示の充実を図り、ネイチャーポジティブの実現に向けた取り組みを推進していきます。評価手法・結果の詳細については、「TCFDおよびTNFD提言に沿った情報開示」ページをご参照ください。また、生物多様性への依存・影響の重要な要素である水資源に関するリスク評価および対応については、「循環型社会の実現(水・廃棄物など資源関連)」ページをご参照ください。

LEAPアプローチに沿った評価プロセス

TNFD Adopter に登録

当社は、自然関連財務情報開示タスクフォースTNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures)が2023年9月に公開した提言に賛同し、2024年6月にTNFD Adopter、およびTNFDフォーラムに登録を行いました。 当社は、今後も生物多様性を保全することが、生態系の生み出す自然回復力にとって重要であるとの認識のもと取り組みを進めるとともに、今後もTNFD提言に沿って自然関連課題(依存・影響、リスク・機会)の特定、評価などの検討を進め情報開示を行っていきます。

TNFD Adopter

茨城県での生態系保全活動拠点が環境省の「自然共生サイト(地域生物多様性増進法に基づく認定制度)」に認定

当社は、特定非営利活動法人アサザ基金、桜川市真壁町羽鳥区自治会と協働して進めている米作りを通じた生態系保全活動「霞ケ浦周辺環境再生事業」を実施しています。その活動拠点である「桜川共創の里」(茨城県桜川市)が、2024年に環境省の定める「自然共生サイト※」に認定されました。

当社はレゾナックグループが工業用水として利用する霞ヶ浦流域の環境、生態系を保全する目的で、2012年からアサザ基金とともに社会貢献活動「霞ケ浦周辺環境再生事業」を実施してきました。2017年から、霞ケ浦の源流の一つである桜川が流れる茨城県桜川市で、アサザ基金、地元自治会との共創を開始しました。活動拠点名を「桜川共創の里」とし、耕作放棄地での米作りを通じて里山環境を再生させ、生態系を保全することを目指しています。

今後もアサザ基金や地域の皆さまと連携した「桜川共創の里」での活動を継続するだけでなく、さまざまなステークホルダーと共創し、生物多様性保全に向けて幅広い取り組みを推進していきます。

  • ※自然共生サイトとは、環境省が「地域生物多様性増進法」に基づき認定する制度で、民間企業や自治体、団体などの取り組みにより生物多様性の保全が図られている区域を対象としています。認定区域は、保護地域との重複部分を除き、OECM(Other Effective area-based Conservation Measures)として国際データベースに登録されます。
茨城県での生態系保全活動拠点が環境省の「自然共生サイト(現:地域生物多様性増進法)」に認定

「桜川共創の里」での活動

取り組み事例

当社では、グループ環境方針に則り、グループ全体で生物多様性保全に取り組んでいます。事業所が所在する地域の特性を考慮しながら、事業所単独あるいは、地域のステークホルダーと協働して活動を進めています。

長野県「森林の里親促進事業」に参画

 

当社は長野県の「森林(もり)の里親促進事業」へ参画し、長野県大町市の長畑地区森づくり協議会(会長:菅沢 和博様)との間で里親契約を2024年9月に締結しました。今後、地域の皆さまと協働し、地域と当社が保有する森林においての散策歩道づくりや植栽、下刈り、除伐などをはじめとする森林保全・整備活動を継続的に行っていきます。

「森林(もり)の里親促進事業」調印式(2024年9月)

「森林(もり)の里親促進事業」調印式(2024年9月)

希少植物の保全

レゾナック・グラファイト・ジャパン大町事業所では、送電線鉄塔周辺において、絶滅が危惧される希少植物の生息を確認しました。地元環境保全団体「わかぜん」からの情報提供を契機に現地確認を実施した結果、周辺地域では消失したと考えられていた貴重な生息実態が明らかとなりました。「わかぜん」や地域の企業アルペンローゼ株式会社様・関係者と連携し、短期間で保護方針を策定し保全活動を開始。企業と地域が共創し、生物多様性の回復と持続可能な環境づくりに貢献しています。 

左:マツムシソウ(環境省レッドリスト掲載種) 
右:キキョウ(環境省レッドリスト掲載種<絶滅危惧Ⅱ類>)

地域と連携したブルーカーボンの創出

徳山事業所は、周南市の大島干潟におけるブルーカーボンプロジェクトを支援しています。藻場・干潟の保全活動を通じてCO₂吸収源の維持・拡大に貢献するとともに、多様な生物が生息する豊かな海の再生や地域の水産振興につなげています。行政、漁業関係者、地域団体との協働により、自然資本の保全と地域社会の発展の両立を目指しています。

Jブルークレジットの認証発行

喜多方事業所での生物多様性保全活動

喜多方事業所では事業所の広範囲にわたり実施された環境対策工事の影響で、一時的に緑地が減少したことや、敷地内に地域の農業用水路や市が管理する水路が流れていることから、事業所内外の自然環境や生態系保護について意識した取り組みの推進が求められています。

配慮が必要な生物や希少生物について敷地内を流れる水路にて調査したところ、福島県レッドリストの準絶滅危惧種に分類されるアカハライモリが生息し、繁殖している可能性のあることが分かりました。今後実施する水路の改修では、専門家の意見も伺いながらアカハライモリをはじめとした生物に配慮した方法で水路を整備していく予定です。

喜多方事業所でのアカハライモリ保全活動

喜多方事業所でのアカハライモリ保全活動

“Project Blue Wave”

シンガポールにあるResonac HD Singapore Pte. Ltd. (RHDS)では、「Project Blue Wave(PBW)」に参加しています。PBWは海洋生物多様性と環境保全に関する教育を通じて、環境問題への理解を深める取り組みです。PBWの代表的な活動の一つに、ウォータースポーツと環境保全を組み合わせた「カヤックNクリーン」プログラムがあります。RHDSメンバーはこのプログラムに参加し、生物多様性やサステナビリティに関する講義を受けたのち、湖にてカヤックを使い、清掃活動を行っています。

Project Blue Wave参加メンバー

Project Blue Wave参加メンバー