CTOと若手研究者座談会
共創力とシナジーでイノベーションを創出し
世界で戦うレゾナックをけん引したい

(写真左から) 福島 正人 :執行役員 最高技術責任者(CTO)
豆田 啓介:高分子研究所 機能分子化学研究部 クロスファンクショナルグループ(勤務地:川崎事業所)
大和田 真央:共創の舞台 次世代高速通信材料グループ(勤務地:共創の舞台)
角田 皓亮:計算情報科学研究センター 情報インフォマティクスグループ(勤務地:共創の舞台)
小林 譲:先端融合研究所 デバイス材料研究部 構造制御グループ(勤務地:下館事業所)
レゾナックが、持続可能なグローバル社会に貢献できるイノベーション力と事業開発力を発揮するには、何が必要なのか。CTOの福島と若手研究者が語り合いました。
(2023年6月19日 当社会議室にて実施、社名・部署名・役職名はインタビュー当時のものです)
共創とシナジーで求められる共通言語
レゾナックは目指す姿として、持続可能なグローバル社会に貢献できるイノベーション力と事業開発力を掲げています。イノベーションは必ずしも破壊的なものではありません。それまでに積み重ねてきたことを違った目線で見たり、ある機能に美しさといった何かが加わったりした時に、急にイノベーションに変わることがあります。化学メーカーである私たちは、最終ユーザーの人たちが「すごいな、これは革新的だ」と思う製品の中の重要なテクノロジーを担いたい。皆さんは、イノベーション起こすためには何が必要だと考えていますか。
最先端の技術をキャッチアップする力と、そこから得られたことを自分の技術に落とし込んで実装する力、そして共創が必要だと考えます。私は「共創の舞台」の計算情報科学研究センターで、主にAI技術を開発しそれを活用しながら、半導体材料を開発しています。これまで、開発期間を半分に短縮することや、AI技術による実験方針の策定を実現してきました。「共創の舞台」は社内の研究機能と国内外の知見が集約しているので、AI技術によるイノベーションが次のイノベーションにつながる連鎖的反応が、起きやすいと感じています。

私は今、先端融合研究所で、旧昭和電工と旧日立化成の技術シナジーも活用して、次世代の基板材料開発を開発部と連携して行っています。シナジーに関しては、元の文化の違いから共通言語がまだ足りないと思うこともあります。共通言語とは、いままで培ってきた技術やノウハウを担当者同士が共有し、お客さまに満足してもらう製品を作るために何をしなければいけないのかの認識を共通化していくことだと考えます。このような共通認識を育てていくことが新たな発見につながり、イノベーションを起こすために重要であると思っています。
私も社内技術のシナジーを存分に発揮したいと感じています。私の所属する次世代高速通信材料グループのミッションは、2030年代の情報通信分野で使用される複合材料向けの素材や技術の開発で、材料科学解析センターや計算情報科学研究センターと、分析方法確立やシミュレーションによる特性予測の観点で共創しています。共通言語により、お互いの文化を共有するスピードが上がり、研究開発のスピードを向上できるのではないかと思う時があります。

イノベーションには顧客ニーズの把握が必要不可欠だと思います。私は、社内協業テーマとして銅張積層板の墘反り化を目指した墘熱膨張の樹脂開発を担当しています。以前担当していた開発テーマでは、外部顧客が本当に求めているニーズをつかみ切れていなかったのでは、という反省がありました。現在は関係者・顧客が社内に存在することになり、顧客やその先のニーズが理解しやすくなっています。相互理解を深めるために協業先とのデータ共有サイトを作成したり、協業先で2週間の実習を受けるなど、実地、対面での取り組みを進めています。
旧昭和電工と旧日立化成が統合したのだから、お互いの文化を理解し、それに触発されながら一つの文化を作り上げる、その過程で新たなイノベーションを創出する機会があるはず。そのためには共通言語をいかに持つか、それが大切だし課題だということですね。共通言語のためには、お客さまや社会の要求とそのために何をしなければならないのかを議論し合うことから始まると思っています。
シナジーはリアルなコミュニケーションから
議論を深めるためには、キーになる人同士がつながることが大事だと感じています。さらに、自分の能力や知識で他の人をつなげることも大事だと思います。
小林
私も同様のことを考えています。共創、シナジーを考えたときに、現在、部署と部署をつなぐコネクションは形成されていますが、それぞれの立場を理解して動ける人がまだ不足していると感じることがあります。レゾナックは材料製造、複合化技術に加え、計算科学の技術を有しており、この三つの歯車がかみ合った際に、どんな飛躍があるのかを期待しています。

これまで事業化に至らなかった技術もたくさんあると思いますが、その知見の共有が進み、担当者ベースで活用されるような仕組みをつくりたいですね。
感情移入が深める共創
私は、「Dhemica(デミカル)」という、若手社員が自発的に立ち上げた社内サークルに発足時から参加しています。その中で新しい製品テーマの種を考え、調査するチームに所属し、約3年間活動を継続しています。今のレゾナックには、このような活動を推奨する環境があります。共創、シナジー、イノベーションのきっかけになるという意味でも、新生レゾナックの象徴的な動きではないかと感じています。
私は、2022年から新たに始動した仕組みである「REBLUC(Resonac Blue Creators、レブルック )」に参加しています。REBLUCは、「このように社会を変えたい」「世界にこんな貢献をしたい」という従業員一人一人の情熱や目的意識が重なり合い、共鳴を生み出すためスタートしたパーパスドリブン思考のコミュニティです。例えば、自分が設定した課題を解きたい、新規事業を興すために仲間づくりをしたい、と思っても、これまでの会社の仕組みでは、どうしたらいいかわかりませんでした。REBLUCはそれを、もっと軽く、おおらかに、みんなで考え始められる、良い仕組みだと感じています。

新規事業を興しやすい文化を作ることは、社内外の両方にメリットがあると思います。新規事業の成功が意味するのは、先行者になることがモチベーションとなることだと思っています。先行者としての地位を築くことで、優秀な人材がレゾナックに集まり、そこでイノベーションや、さらに新しい事業展開が可能になりますよね。
世界で戦うレゾナックのエンジニアへ
皆さんが、研究、開発、製造、営業など、どういったキャリアを重ねていくのか、成長の過程が大事です。研究職としてスペシャリストになるのか、いくつかの立場を経験してゼネラリストになるのかなど、そういった葛藤もキャリアデザインを描く中で楽しんでほしい。会社はそうしたキャリアのチョイスができる人材育成の制度設計を行っているところです。
私は入社して10年が経ちました。これからエンジニアとしてキャリアを積んだ方が良いのか、それとも別の部署も経験をした方が良いのか考えています。化学の力で社会を変えるために、皆が思ったことを思ったように進められて、個の力を存分に発揮できるという環境になれば素晴らしいと、率直に思います。
福島
そういった環境づくりも必要ですね。研究開発の中で、戦略的に思考できる人材も育成していきたいと思っています。新しい材料開発をしたいと考えたときに、投資、人員、スケジュールなどのロードマップを描ける人材です。
