子どもの探究心を引き出す「レゾナック・サイエンスラボ」 -レゾナックの次世代理科教育支援を現場の先生方に聞く-

2025年05月13日

「化学の力で社会を変える」をパーパスとするレゾナックでは、「子どもの理科離れ」という社会課題に対し、子どもたちに理科や化学の楽しさを伝えたいと考え、国内外の拠点でさまざまな活動を展開しています。保育園・幼稚園や小学校で実施している、子ども向け実験教室「レゾナック・サイエンスラボ」もその活動のひとつです。 「レゾナック・サイエンスラボ」とは、レゾナックグループの従業員が、事業所近隣にある施設(幼稚園、保育園、小学校など)において科学実験教室を行うことで、地域の次世代教育を支援する活動です。従業員自らが実験教室の講師となり、子どもたちの科学に対する探究心を引き出します。従業員の自律的な活動を促す取り組みでもあり、従業員自らの成長や事業の種につながる活動としても位置付けています。

今回、本活動の共創パートナーかつ大切なステークホルダーでもある、開成中学校・高等学校の宮本一弘先生と、東京都中野区にあるやはたみずのとう幼稚園園長の関先生に次世代理科教育に関する貴重なお話を伺いました。

(2025年1月16日東京都中野区やはたみずのとう幼稚園で実施。宮本先生、関先生のプロフィールはインタビュー時のものです。)

(左)宮本先生、(右)関先生

(左)宮本 一弘先生: 開成中学校・高等学校教諭(化学)、NHK高校講座「科学と人間生活」監修、日本化学会教育会員(普及交流委員会副委員長、化学だいすきクラブ小委員会副委員長、中高生会員小委員会副委員長、「化学と教育」誌編集委員など)、日本基礎化学教育学会会員
(右)関 政子先生:やはたみずのとう幼稚園 園長、(公社)東京都私立幼稚園教育研修会 理事長

宮本先生にはレゾナック・サイエンスラボの教材である科学実験学習帳「ふしぎみつけた!ためしてみよう かがくじっけん」を監修いただきました。宮本先生ご自身も、本学習帳を使って実験を行うなど、積極的に活動されています。
関先生とは、当社従業員のお子さんがやはたみずのとう幼稚園に通っていたことから関係が始まりました。2012年より当社の実験学習帳を活用し、年長クラスで実験教室を開催しています。

科学実験学習帳表紙

科学実験学習帳「ふしぎみつけた!ためしてみよう かがくじっけん」表紙

─宮本先生がご職場以外で、子どもたち、特に未就学児(年長)への実験教室を始めたきっかけや背景について教えてください。

宮本先生:実験教室を行うようになったのは、日本化学会の小学生向けの普及活動に参加するようになってからです。実際に未就学児に対して実験を始めてみると、予想外に、「不思議だな。どうしてだろう?」という声が聞こえ始めました。このように感じることは、科学に興味を持つ初めの一歩で、これから科学を学ぶ上でとても大事なものです。

実験教室の様子

実験教室の様子

─関先生の園では、これまで長年にわたり子どもたちへの実験教室を継続されてこられました。この狙いと、子どもたちや理科教育に対する想いをお聞かせください。

関先生:幼児期にはワクワクする体験から、探究型の保育が求められています。科学の実験は、まさに驚きと不思議で、ワクワクしながらなぜ?という思いから、思考力、判断力、表現力の基礎を育て学びの基を培ってくれていると感じています。宮本先生の教室で、「よく聴いていないと危ないです」などと注意を促すことがありますが、普段の保育にはありません。けれども、反抗的になる園児はいません。普段、教師の配慮が特に必要な子どもも、動きまわることもなく、集中して取り組む姿があります。

実験に取り組む子供たち(実施した実験は「ふしぎみつけた!ためしてみようかがくじっけん」Vol. 2じっけん10ブラックライトでひかる)

実験に取り組む子供たち

─レゾナックも地域貢献活動の一環として、グループ全体で出前事業や実験教室を行っています。お二人がこれまで実験教室を行ってきた結果感じている具体的な成果や、保護者からのフィードバックがあれば教えてください。

関先生:「理科の実験に敷居が低く、すごく面白がって取り組む」「理科が大好き」と仰る保護者が多いです。実験をした日は、帰ると、「氷がこうなって、こうするとこうなるんだよー」と嬉しそうに得意げに話していたと、実験を喜んでいる話を聞くことが多いです。
宮本先生:私も保護者と話をした際に、「実験が大好きで、いつも家で実験をしている」という話を聞きました。また、小さな頃に実験イベントに参加したことが、理系への進路を決めるきっかけになったという高校生もいます。実験教室や化学のイベントをきっかけに理科が好きになり理系に進む例も多く感じています。

─次世代を担う子どもたちへの支援として、レゾナックの実験学習帳を核にした活動ついてどのように感じますか?また当社のような化学企業に期待することや要望はありますか?

宮本先生:実験学習帳は、科学(化学)の普及活動にとても役立っていると思います。実験教室に参加している子どもの保護者から、「子どもが実験好きで、実験をしたがるのだけれども、危なくないか心配です。」という相談を受けたことがあります。この保護者には、「この実験学習帳を子どもと一緒に読んで、実験してみて下さい」と勧めました。掲載している実験は未就学児を想定して簡単で安全な実験が掲載されており、実験教室だけでなく、家での実験にも役立ちます。学習帳の存在をより多くの人に知ってもらうことが、次世代を担う子どもたちへの支援となると思います。
関先生:子ども達にすばらしいワクワクと学びの機会を与えてくださっていることに心から感謝申し上げます。間違いなく子どもの未来に生きる種まきをしていると感じています。大人の行う実験を観るのではなく、自ら丁寧に取り組み、なぜ?どうして?と心揺さぶられ、仲間と感じ合ったことが気づきの共有にもなります。これらの学びの姿を見て共にいる園の教師も子どもとの生活の中に理系の視点を持ちたいと感じさせてもらったことも大変ありがたく、ぜひ続けていただきたく思います。

当社はこれからもさまざまなステークホルダーとともに化学の力で子どもたちの好奇心を育み、次世代の成長を支援する活動を続けていきます。