企業価値を向上させる環境取り組みを考える -従業員向けに環境テーマの有識者ダイアログを開催-
2025年02月05日
レゾナックはサステナビリティを経営の根幹におき、カーボンニュートラルや資源循環など環境に関する取り組みを全社連携で進めています。これらの取り組みが本当に企業価値向上に結び付いていくと、納得感を持って取り組んでいくために、この度、レゾナック従業員を対象に、二人の有識者をお招きし、環境やサステナビリティ経営に関するダイアログを開催しました。LCA(ライフサイクルアセスメント)、およびサステナビリティと企業価値に関する講演を実施後、当社CSuO(最高サステナビリティ責任者)松古樹美をモデレーターとしたパネルディスカッションにおいて、環境への取り組みをどう企業価値向上に繋げていくかなどについて議論しました。
従業員にとっては、環境への取り組みが注目されている背景や、レゾナックがなぜ、何に取り組まなければならないか、取り組むとどんないいことがあるのかなどの理解を深める機会となりました。
(2024年11月19日イノベーションセンターとオンラインのハイブリッドでの実施。有識者のプロフィールはご講演当時のものです。)
ご登壇ゲストと講演内容
伊坪徳宏 先生
- 早稲田大学理工学術院教授、創造理工学部環境資源工学科教授。LCA、環境科学、環境影響評価、環境経済評価を専門とする。
- 講演内容:「カーボンニュートラルやSDGsの実現を志向したライフサイクルアセスメントの活用」と題し、LCAやCFP(カーボンフットプリント)に関する国内外の動向と実用例、LCA研究の今後の発展の方向性についてお話いただいた。LCAの実用例紹介においては、レゾナックの製品、事業に関連のある分野の評価について例示いただいた。

伊坪先生ご講演の様子
長谷川直哉 先生
- 法政大学人間環境学部教授、同大学院公共政策研究科教授サステナビリティ経営やコーポレートガバナンス、ESG投資の専門家、環境経営学会理事
- 講演内容:「サステナビリティと企業価値」と題し、サステナビリティと経営戦略の関係について、主に投資家の視点から解説いただいた。企業価値向上のためには、ESGの取り組みがどの財務的要素に効くのかを示すことが重要である点、経営者にはパーパス(存在意義)を起点としてどこへ行きたいのかビジョンを持つことが求められている点など、“サステナビリティ”と“稼ぐ力”について説明いただいた。

長谷川先生ご講演の様子
パネルディスカッションでの質疑応答
──カーボンニュートラルに向けたレゾナックの取り組みとして、これからより力を入れていくべきところはどこか。
伊坪先生:Resonac Pride製品・サービスでうまく差別化を行う。この取り組みは、外部に向けての情報発信という面でも利点はあるが、特に社内においては目標設定を共有し、達成に向けて一緒に進めていこうとのアピールとなり、価値のあること。
──日本はEUなどに比べ、環境付加価値が認められにくい市場だと感じ悩ましい。アドバイスをいただきたい。
長谷川先生:グリーン化が進むとインフレが起こる。機能と品質が同じであれば、価格が安い方が優先されるのは当然である。機能、品質、価格を訴求するのではなく、価値観をどう伝えるかがテーマになると考える。
伊坪先生:EUは政策主導、日本は技術で世の中をどう変えていくかということで、背景が違う。CSRDや、欧州電池規則を逆手に取って、規制にマッチしながら対応する技術を開発し、リードしていくことが日本には求められていると思う。
──株価を決めている投資家が、長谷川先生の視点を最優先するようにならないと、企業がサステナビリティを進めていくのは難しいのではないか。
長谷川先生:単年度のパフォーマンスで評価するという仕組みを変えていく必要があるのは確かであるが、これからは、企業の5年後に共感してくれる投資家、機関投資家を企業が選んでいけばよいとも考える。

パネルディスカッションの様子
参加従業員の声
- 財務に「非財務」の要素を入れていくという考え方は納得するものだった。非財務がどのように企業価値を高め、最終的にステークホルダーに納得してもらえるかを考え直すきっかけとなった。
- 経営者は、短期の経営に責任もつだけでなく、将来の経営に責任もってこそ経営者だとの、先生のお言葉は印象的。
- 環境配慮型の製品でも、全体のバリューチェーン、サプライチェーンを確認しないと、LCAの負荷が増加する場合があることなどの学びがあった。
- 経営数値に反映させる(そのように説得力を持たせる)ことの重要性を理解できた。
- 企業価値の点で社会が求めているサステナビリティのポイントと当社の現状を理解できた。