2kHz以下の低周波騒音を最大2dB低減!車内空間の静粛性を向上

対象業種自動車OEM/Tier1

用途想定自動車向けの後貼用吸音シートおよび吸音部材

低周波吸音材

CASEへ、MaaSへと、100年に一度といわれる変革期を迎えている自動車業界。より便利で快適な移動、より快適な移動空間を求める流れは止まることを知りませんし、その要求レベルも年々高まっています。
車内静粛性の向上は快適な移動空間に重要な要素です。EV車ではエンジン音がなくなった分、これまでマスキングされていたロードノイズが、気になる騒音としてクローズアップされるようになりました。
車内の騒音レベルを下げるために、従来から不織布や発泡体の吸音材が使われています。しかしこれらの吸音材は、500~2000Hzといった低周波域では吸音率が低く、ロードノイズ等の低周波騒音を低減する効果は不十分でした。
当社は上記課題に対して、低周波域での吸音性能が高い吸音材を提案します。当社吸音材は、車両テストで最大2dBの低周波騒音の低減効果が確認されています。さらに、当社材は11mmの薄さでも吸音効果があり、スペースの限られた場所でも設置できます。

吸音材の設置場所の例

当社吸音材は柔軟性のあるシートのため、設置場所に応じた裁断加工や、局面形状への設置が可能です。
成形部品としての使用を想定したグレードも開発中です。

課題解決

吸音メカニズムの組合せによって、低周波域に最大2dBの騒音低減効果を実現

一般的な吸音材として使われている不織布や発泡体は、3000Hz以上の中~高周波域に吸音ピークがあるため低周波域の吸音性能が低く、十分な吸音性能を得るには数十mmもの厚みや狭い空間内では高密度の材料が必要になります。これは、省スペース化や軽量化の実現とは相反する対策となるため、静粛性向上と省スペース化・軽量化の両立は困難でした。
当社吸音材は、「樹脂+不織布層」と「樹脂膜層」を複合した薄いシート状の材料で、膜振動吸音と多孔質吸音を組合せた設計になっています。この組み合わせにより、厚み約11mmと薄いシートにもかかわらず、ロードノイズ等の500~2000Hzの低周波帯の音を最大80%吸音します。吸音材の厚みを増やすなどの対策をすることなく、低周波帯の騒音対策が可能です。
また、当社実施の車両テストでは、当社吸音材をフェンダライナに適用することで、車室内に侵入するロードノイズ等の低周波騒音を最大2dB低減する結果が得られました。
当社吸音材は、複合設計技術を駆使した材料設計により、取り付け場所や対象騒音に対応した吸音性能を実現します。

当社吸音材の構造

特長

当社吸音材の吸音性能

当社吸音材(A-11T~H-11T)は、低周波帯の吸音ピーク設計により高い吸音性能を実現しています。下記グラフをご参照ください。

吸音性能

Condition;垂直入射吸音率測定(ISO 10534-2準拠)、サンプルサイズ 99.4mmφ
当社吸音材(A-11T~H-11T)厚み:11mm、不織布吸音材厚み:13mm
吸音フェンダライナ厚み:2mm ※吸音率は背後空気層10mmを含むデータ
 

  • 掲載のデータは、測定や計算等の結果の一例を示した代表値であり、保証値ではありません。

車両テストでの音圧レベル値

最大2dBの低周波騒音の低減効果が確認されました。下記グラフをご参照ください。

車両テストでの音圧レベル値

Condition;半無響室下でホワイトノイズを代替騒音源に使用
リアホイール騒音を後部座席に設置したマイクロホンで計測
車両:トヨタ プリウス、当社吸音材:C-11T、Ref:現行材、設置箇所:リアフェンダライナ
 

  • 掲載のデータは、測定や計算等の結果の一例を示した代表値であり、保証値ではありません。

車両テストでの騒音低減効果(オーバーオール値)

オーバーオール値(OA値)での音圧レベル差をBlank(吸音材なし)およびRef(現行材)と比較しました。
下記グラフをご参照ください。

Condition;車両テスト(周波数データ)をA特性補正後にO.A.解析
車両:トヨタ プリウス、当社吸音材:C-11T、Blank:吸音材なし、Ref:現行材、設置箇所:リアフェンダライナ
 

  • 掲載のデータは、測定や計算等の結果の一例を示した代表値であり、保証値ではありません。

技術資料ダウンロード

資料では、グレード別の吸音特性、既存吸音材との比較など詳細データがご覧になれます

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