空中ハプティクスの実現へ!圧電素子を小型・アレイ化する圧電シート

対象業種Virtual Reality (VR)/Augmented Reality(AR)・非接触Human Machine Interface(HMI)デバイスメーカー/超音波発振子・超音波センサメーカー/VR/AR・非接触HMI デバイス組み立てメーカー/超音波発振子・超音波センサ組立メーカー

用途想定VR/AR・非接触HMIデバイスのハプティクスを実現する超音波発振子・超音波センサの圧電素子を小型・アレイ化できる圧電シート

超音波振動により非接触で触覚をフィードバックする空中ハプティクス。低遅延5G通信など無線通信技術の進展により応用の可能性が広がったVR/ARや、昨今のウィルスへの接触感染防止の切実なニーズから非接触HMIへの応用が注目されています。超音波の発振やセンシングには、これまで多数の無機圧電素子を並べていましたが、圧電素子を小型化・アレイ化し、加工・実装できる圧電シートが求められていました。
シート化可能な圧電体としてPVDF(ポリフッ化ビニリデン)が知られています。しかしPVDFは圧電定数が低いこと、延伸性が小さいこと、小型化・量産化に必須な半導体プロセスへの耐熱性という3つの課題がありました。
これらの課題を解決するために、当社は無機圧電フィラーを樹脂に分散させた複合圧電シートを提案します。当社開発の樹脂は高圧電フィラーを高濃度含んでも柔軟性を維持しシート化できるので、PVDFが抱える3つの課題を解決します。

課題解決

半導体プロセスに適合でき小型化・量産化に貢献し、立体化可能で意匠性を向上

PVDFは、ポリマーを延伸成形し分極して圧電性を発現していますが、圧電定数は高くありません。またPVDFは延伸性が小さく小曲率半径の立体加工ができないので加飾性に制限があり、また高温時の分子運動で分極がずれるため耐熱性の課題がありました。
当社開発の圧電シートは、高圧電フィラーを高濃度含んだ状態でシート化できるので、PVDFよりも高い圧電定数を発現します。また延伸性が40%以上あるので小曲率半径の立体加工も可能です。さらに耐熱性は無機フィラーのキュリー温度と樹脂自体の耐熱温度で決まるため、現状では125℃、さらに目標150℃を目指して開発を進めています。これらの特長のため、半導体プロセスを使った圧電シートの電極加工により圧電素子を小型化・アレイ化でき、立体化など加飾性付与も可能となります。

当社圧電シートの無機圧電フィラー分散状態・イメージ図

特長

PVDFより高い圧電定数

PVDFの圧電定数d33が20~40pC/Nであるのに対して、当社圧電シートは50pC/N以上を示します。

圧電定数の比較(当社圧電シート vs PVDF)

延伸性

当社圧電シートは40%以上の延伸が可能です。そのため曲率半径R=51mmの立体加工も可能です。

延伸性の比較(当社圧電シート vs PVDF)

技術資料ダウンロード

資料では、圧電定数、柔軟性、引張弾性率、延伸率などの詳細データがご覧になれます。

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