アルミラミネートフィルム型冷却器「LAMICOOLER」

電気自動車においてバッテリーに用いられるリチウムイオン電池は、走行距離を伸長するため高密度で設置され、同時に、寿命や出力を保証するため低温度での管理が求められています。
当社は車載電池の包材として実績のあるアルミラミネートフィルム「SPALF」と熱交換器の技術を応用し、車載用電池冷却システムに求められる効率性と安全性を確保しながら、軽量かつコンパクトな電池冷却器を開発しています。

アルミラミネートフィルム型冷却器とは

アルミ箔と樹脂フィルムの複合材であるアルミラミネートフィルム「SPALF」を構成材料に利用した冷却器です。絶縁性や耐食性などの樹脂の特長を生かし、軽量かつコンパクトな設計が可能です。

基本特性

  • 材料の薄肉化により、圧倒的に軽量かつ薄型の冷却器が製造可能です
  • 従来の溶接・ろう付けに対してより低温の樹脂溶着接合で、製造コストを抑えながら強固な接合を実現します
  • 製品自体に絶縁性が付与されるため、電池用部品としてより好適です

従来冷却器との比較例

製品名 押出冷却器 ろう付け冷却器 アルミラミネートフィルム型
冷却器
代表的形状 Extruded heat exchanger Brazed heat exchanger Laminate film cooler LAMICOOLER
構成素材 アルミ押出形材 アルミ板材 ラミネートフィルム
SPALF
接合方法 溶接 ろう付け 樹脂熱溶着
接合温度 650℃以上 600℃ 200℃以下
必要肉厚 1.5mm 0.8mm 0.16mm
W60mm×T4mm
×L1m品の重量
0.7kg 0.5kg 0.1kg

上記の数値は測定値であり、保証値ではありません。

アルミラミネートフィルム型冷却器の仕組み

プレートとフィンを熱溶着で接合し、冷却水経路を形成します。

アルミラミネートフィルム型冷却器の構成材料

代表的なラミネートフィルム(SPALF)の構成・特性

  総厚さ 密度 構成 厚み 素材名
プレート 180μm 2.1g/cm3 PET 12μm ポリエチレンテレフタレート
AL 120μm アルミニウム合金箔
CPP 40μm ポリプロピレン
フィン 208μm 1.9g/cm3 CPP 40μm ポリプロピレン
AL 120μm アルミニウム合金箔
CPP 40μm ポリプロピレン
プレート

プレート

フィン

フィン

特性 特性値 備考
シール強度 40N/15㎜以上 SPALF/SPALF間の引き剥がし強度を測定
耐電圧 6kV以上 電池包材として十分な耐電圧
熱伝導性(面方向) 150W/m・K  
熱伝導性(厚さ方向) 2.5W/m・K  
引張強度 68~87MPa 試験方法:ISO527-31995
引張伸度 26~38% 試験方法:ISO527-31995
冷媒耐久性 50℃×1300h以上 水系クーラントでの試験結果
線膨張率 ≒23ppm/K アルミニウムと同等

冷却システムへの展開例

底面冷却

底面冷却

セル間に配置

セル間に配置

  • 「LAMICOOLER」は、日本における、株式会社レゾナックの登録商標です。

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