先端半導体パッケージの反り抑制と応力緩和に貢献する材料②

MV_AdvancedPKGcolumn08

本稿では、第7回新規ウィンドウで開くのパッケージ基板とソルダーレジストに続いて先端半導体パッケージの反り対策に貢献する材料について解説します。

3Dパッケージの反り低減と応力緩和に貢献する材料 3Dパッケージの反り低減に貢献する材料

反り対策に貢献する材料

感光性ポリイミド (RDL用絶縁材料)

RDL*1は、チップやインターポーザーの表面に形成され、これらの上の微細な接続端子のレイアウトを最適化する役割を担っています。特に、チップ領域外へ配線を広げるファンアウト技術や、チップ間の最短接続が求められる先端半導体パッケージにおいては、多ピン化に伴う接続端子の配置問題を解決し、デバイスの小型化・高速化を実現するために不可欠な技術となっています。しかし、RDLは異種材料が接すると同時に、それ自体も複雑な多層構造であるため、層間のCTE*2差により生じる応力緩和や基板の反り制御が重要な課題となります。

RDLは、主に銅からなる導電体と、それを保護する絶縁体による多層構造で構成されています。導電体が電気信号を必要な場所へと導く一方、絶縁体は配線同士のショートを防ぐだけでなく、熱や物理的衝撃から回路を保護します。絶縁体にはフェノール樹脂やエポキシ樹脂なども使用されますが、先端半導体パッケージ領域で圧倒的なシェアを誇るのがポリイミドです。ポリイミドは優れた耐熱性と機械的強度に加え、熱履歴によって生じる応力を緩和する適度な柔軟性を兼ね備えており、過酷な環境下においてもパッケージの接続信頼性を維持します。

当社のグループ会社であるHDマイクロシステムズ*3は、ポリイミドを中心とした高耐熱コーティング材料を幅広くラインアップし、業界をリードしています。先端半導体パッケージのRDL向けに開発したネガ型感光性ポリイミドは、約200 °C程度の低温硬化が可能であり、熱履歴による材料間の収縮差を最小限に留め半導体パッケージの反りを抑制します。さらに、多層構造でも表面を平らに仕上げる高い埋め込み平坦性を誇り、5 µm厚で6 µmビアを形成できる高解像性と、50 %の高い伸び率を両立させました。HDマイクロシステムズは、高密度な再配線設計において懸念されるクラックや剥離を防ぎ、先端半導体パッケージの長期信頼性とさらなる高密度実装の実現に貢献します。

詳細は以下よりご覧ください。

HDマイクロシステムズ製品情報(英語版)新規ウィンドウで開く

ポリイミド溶液の外観イメージ

ポリイミド溶液の外観イメージ

エポキシ樹脂封止材 (EMC)

熱マネジメントに貢献する材料としても紹介したEMCは、チップを外部環境から保護するだけでなく、各材料間のCTE差を解消し応力を緩和することで、パッケージの反り抑制においても重要な役割を担っています。

レゾナックの顆粒状EMC CELシリーズ の中でも、特に先端パッケージ向けに開発された CEL-400ZHF40 は、10 ppm/°C以下の低熱膨張と20 GPa以下の低弾性率を両立し、硬化時の収縮や熱ストレスによるパッケージの反りを抑制します。

詳細は以下よりご覧ください。

有機基板用 エポキシ樹脂封止材新規ウィンドウで開く

パワー半導体の信頼性を向上!高Tgのエポキシ系耐熱封止材新規ウィンドウで開く

顆粒状EMC外観

顆粒状EMC外観

一方で、FOWLP (Fan-Out Wafer Level Package)など、より精密な厚み制御が求められる用途には、フィルム状EMC EBシリーズ が適します。フィルム形状で封止層の厚みを均一に保持できるため、厚みムラに起因する局所的な歪みを排除できるだけでなく、低熱膨張特性によってチップとのCTE差を最小化します。さらに、本製品は低温硬化が可能であるため、製造プロセスにおける応力を低減し、パッケージ全体の反り抑制に寄与します。

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封止フィルム新規ウィンドウで開く

フィルム状EMC外観

フィルム状EMC外観

*1 RDL:再配線層 Redistribution Layer *2 CTE:熱膨張係数(単位温度あたりの熱膨張率)Coefficient of Thermal Expansion *3 当社グループ会社のHDマイクロシステムズ株式会社

 

次回予告

第9回新規ウィンドウで開くでは、先端半導体パッケージの応力緩和に貢献する材料技術について解説します。

 

公開日:2026年05月20日

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