デバイスの小型・軽量化に貢献する高耐湿/高放熱窒化アルミフィラー

デバイスの性能を左右する放熱新規ウィンドウで開くフィラー。当社は従来のアルミナフィラー・窒化ホウ素フィラーに加え、新たに窒化アルミニウムフィラー(以下、窒化アルミフィラー)をラインナップに揃え、サンプル提供を開始しました。当社の窒化アルミフィラーは、高い熱伝導率を維持しながら耐湿性を大幅に向上させており、デバイス(パワーデバイス新規ウィンドウで開くなど)の小型・軽量化を実現します。

窒化アルミフィラーとは

高い熱伝導率と耐湿性を両立させた、従来にない高放熱フィラーです。窒化アルミニウム(AlN)は、他の放熱フィラー材料に比べ高い熱伝導を有する反面、水分が付着すると容易に反応して加水分解し、アンモニア(腐食性ガス)を生成することが、放熱フィラーへの本格採用の課題となっていました。当社はAlNに独自の極薄膜表面処理を行う事で、アンモニアの生成を従来比1万分の1に抑え、製品化に成功しました。

基本特性

  • 高熱伝導率
  • 高耐湿性

セラミックスの熱伝導率
窒化アルミの熱伝導率はアルミナの6倍

  アルミナ 窒化ホウ素
(六方晶)
窒化アルミ
熱伝導率
[W/(m・K)]
36 60 200
  • 掲載のデータは、測定や計算等の結果の一例を示した代表値であり、保証値ではありません。

 

  • ※1 当社独自の測定法による発生量測定
  • 掲載のデータは、測定や計算等の結果の一例を示した代表値であり、保証値ではありません。

 

窒化アルミフィラー製品ラインナップ

窒化アルミフィラーの特性

粒度分布の異なるグレードを取り揃えています。

平均粒子径(μm) 2 13 33 44 72
BET比表面積(m2/g) 2.4 0.5 0.12 0.08 0.06
耐湿性(NH3濃度)(mg/L)※1 2 1 4 2 3
  • ※1 当社独自の測定法による発生量測定
  • 掲載のデータは、測定や計算等の結果の一例を示した代表値であり、保証値ではありません。

シリコーン樹脂への添加評価

複数のグレードを配合することで、柔軟性の高い高放熱シートが製造可能です。

  物性値 測定方法
シート厚(mm) 2 ダイアルゲージ
表面硬度(Asker C) 23 JIS K7312
表面硬度(Shore00) 57 ASTM D2240
熱伝導率[W/(m・K)] 12 ISO22007-2
  • 掲載のデータは、測定や計算等の結果の一例を示した代表値であり、保証値ではありません。

エポキシ樹脂への添加評価

複数のグレードを配合することで、熱伝導率の高い絶縁放熱シートが製造可能です。

  物性値 測定方法
シート厚(μm) 180 ダイアルゲージ
熱伝導率[W/(m・K)] 15 ISO18755
  • 掲載のデータは、測定や計算等の結果の一例を示した代表値であり、保証値ではありません。

エポキシシートにおけるPCT(Pressure Cooker Test/121℃、2atm)処理後の熱伝導率の変化

  • 掲載のデータは、測定や計算等の結果の一例を示した代表値であり、保証値ではありません。

放熱フィラー製品ラインナップ

当社はアルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウムといった中熱伝導~高熱伝導の絶縁放熱フィラー材料を取りそろえています。材料の豊富なバリエーションを生かしながら、粒子配合や表面処理などをカスタマイズすることで、お客様の熱伝導要望レベルに合わせた放熱フィラーを提案いたします。配合のカスタマイズにより、樹脂にフィラーを混錬した際の流動性が向上し、熱伝導部材内の空隙を低減し、耐電圧特性低下を抑制します。

★アルミナフィラー、窒化ホウ素フィラーの詳細についてはこちら新規ウィンドウで開くをご覧ください。

耐湿性良好 当社の放熱フィラーラインナップ

  アルミナ 窒化ホウ素(六方晶) 耐湿性窒化アルミ
当社製品のグレード数 27 4 5
セラミックスの熱伝導率[W/(m・K)] 36 60 200
樹脂への充填性 良好 増粘 良好
  • 掲載のデータは、測定や計算等の結果の一例を示した代表値であり、保証値ではありません。

更新日:2023年5月25日

技術資料ダウンロード

資料では、シリコーンやエポキシシートでの評価などの詳細データがご覧になれます。

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