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対象業種食品、医療、自動車、建材
用途想定プラスチック成形品
ポリエチレンは、その耐水性や耐油性、低温特性を活かし、幅広い用途で使用されています。加工性に優れることから、その成形品は食品や医療といった安全性を重視する分野や、自動車や建材といった耐久性を重視する分野で多用されています。
一方で近年の環境意識の高まりに伴い、産業界には製品性能だけでなく、製品ライフサイクルを通じて排出されるCO2量削減が課題となっています。そこでCO2排出量削減の方策の一つとして、原料を石油由来からバイオマス由来に切り替えることは有効です。
由来原料による製造プロセスの比較
当社は、 CO2排出量削減の対応策として、バイオマス由来のポリエチレンシートの活用を提案します。当社開発品と石油由来品で、製造から焼却廃棄までを通じて排出されるCO2総量の試算を示します(図1)。バイオマス由来ポリエチレンでは、植物成長段階での光合成によりCO2が吸収されるので、製造と焼却段階で排出されるCO2量との差引きである総排出量は、石油由来に比べ大幅に削減できます。そのため、材料を石油由来品を当社開発品に置き替えると、製品ライフサイクル全体でのCO2排出量削減につながります。
また、石油由来品と物性や加工性は同等なので、現行品からの置き換えが容易です。
図1.焼却廃棄する場合のCO2排出量の比較
開発品の各物性値は、表に示す通り石油由来品と同等です。そのため、石油由来品からの置き替えが容易です。
ポリエチレンシートの物性値
項目 | 単位 | 方向 | 従来品 石油由来(EH) |
開発品 バイオマス由来 |
---|---|---|---|---|
密度 | g/cm3 | - | 0.92 | 0.92 |
引張降伏応力 | MPa | MD | 11 | 12 |
TD | 11 | 12 | ||
曲げ応力 | MPa | MD | 11 | 12 |
TD | 10 | 12 | ||
曲げ弾性率 | MPa | MD | 255 | 273 |
TD | 210 | 290 | ||
シャルピー衝撃強さ | kJ/m2 | MD | 60 | 59 |
TD | 64 | 61 |
真空成形を含むプラスチックの一般的な加工が可能です。
真空成形での加工例
更新日:2024年10月1日
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