混合プラを直接基礎化学品へ再生する技術がNEDOのGI基金に採択
~使用済みプラスチック有効活用の拡大・促進とともに、化石由来原料を主とする基礎化学品の原料・製法転換を図る~
2025年01月27日
株式会社レゾナック・ホールディングス
株式会社レゾナック(社長:髙橋秀仁)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)が追加公募した「グリーンイノベーション基金事業/CO2等を用いたプラスチック原料製造技術開発※1」に対し、「混合プラスチックから基礎化学品を製造するケミカルリサイクル技術の開発」(以下、本プロジェクト)を提案し、採択されました。本日NEDOより公表されましたので、お知らせします。
化石資源に頼らないプラスチック原料製造に関する技術を確立し、それを社会実装することによりCO2排出量の大幅な削減に貢献します。
グリーンイノベーション基金事業(以下、GI基金事業)は、日本政府が目標として掲げる「2050年カーボンニュートラル」の実現に必要なエネルギー・産業部門の構造転換や大胆な投資によるイノベーションを大幅に加速するため、2021年に経済産業省によって総額2兆円の規模でNEDOに創設されました。
本プロジェクトは2024年度~2032年度までの最大9年間を想定しており、容器包装など混合状態で排出される使用済みプラスチックを、高度選別を経ずに熱分解し、エチレン、プロピレン、ベンゼンなどの基礎化学品へと直接変換・再生するケミカルリサイクル技術の確立を目指します。これにより、貴重な炭素資源である使用済みプラスチックの有効活用をさらに拡大・促進するとともに、現在は主に化石由来資源から製造されている基礎化学品の原料・製法転換を図り、資源循環社会の実現および2050年カーボンニュートラル達成に貢献してまいります。
本プロジェクトについて
研究開発項目:
廃プラ・廃ゴムからの化学品製造技術の開発:混合プラスチックからの基礎化学品製造技術開発
背景:
使用済みプラスチックのリサイクルにおいて、従来はリサイクルが容易な分離された、もしくは単一のプラスチックのリサイクルが主に行われてきました。しかし、これらのプラスチックの排出量は177万トンで使用済みプラスチック排出量全体の21%であり(2021年)、残りの混合プラスチックは主にサーマルリサイクルが行われてきました。プラスチックの分離には多くのコストがかかり、分離困難なプラスチックも多くあるため、GHG(温室効果ガス)削減のためには混合プラスチックを分離せずにリサイクルを行う技術の確立が求められています。
研究開発内容(概要):
使用済みプラスチックの大部分を占める混合プラスチックを直接基礎化学品に変換・再生する熱分解技術に関して、低級オレフィン※2やベンゼンなど有用な基礎化学品を収率60%以上で製造し、製造時に排出されるCO2を0.8 kg-CO2/kg-オレフィン以下にする技術の開発を行います。本プロジェクトではマイクロ波加熱などを活用した熱分解を数千トン/年の実証スケールで行い、多様な使用済みプラスチックに対応できる技術の確立を目指します。まずラボ(実験室)、ベンチ(少量試作)スケールで分解プロセスや反応器形式の選定を行い、パイロット(中量試作)スケール、大規模実証スケールとスケールアップを行いながら条件の最適化を進めます。また、商業化した際に生じうる課題の抽出・対策も並行して実施します。
事業規模(予定):
総額 約118億円
支援規模 約80億円
事業期間(予定):
2024年度~2032年度
詳細は、NEDOより発表された資料をご参照ください。
グリーンイノベーション基金事業で新たに二つのテーマを採択しました
- ※1 2024年9月12日 NEDO 「グリーンイノベーション基金事業/CO2等を用いた プラスチック原料製造技術開発」に係る追加公募について
- ※2 プラスチックの原料となるエチレンやプロピレンなど、2~4個程度の炭素がつながり、分子内に二重結合を有する 炭化水素化合物のこと
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