2024年 第1四半期(1~3月) 決算概要
会計基準は、日本基準です。
経営成績
当第1四半期連結累計期間(2024年1月~3月)の世界経済は、世界的な金融引き締めに伴う影響、長期化するウクライナや中東地域の情勢によるエネルギーコストおよび原材料コストの高騰等、供給面の制約等は続き、一部の地域において弱さは見られました。半導体業界については回復が見られました。国内経済においては、個人消費は持ち直しに足踏みがみられましたが、企業の設備投資は持ち直しの動きが見られ、総じて緩やかに回復しました。
当第1四半期連結累計期間の連結営業成績につきましては、売上高は、ケミカルセグメントにおいて黒鉛電極の数量減、石油化学も誘導品の定修を受けて減少し、セグメント全体として減収となりました。半導体・電子材料セグメントは半導体関連業界の調整が入った前年同四半期連結累計期間に比べ大幅な増収、モビリティ、イノベーション材料の2セグメントも数量増により増収となりました。総じて増収となる3,213億74百万円となりました。営業利益は、ケミカルセグメントは数量減で減益となりましたが、半導体・電子材料セグメントは大幅な増益となり、モビリティ、イノベーション材料の2セグメントも主に数量増により増益となり、総じて89億44百万円となりました。営業外損益では主に為替差益の増加があり、経常利益は110億11百万円となりました。
特別損益では旧本社土地建物の固定資産売却益があり、親会社株主に帰属する四半期純利益は、270億63百万円
となりました。
セグメント別状況
セグメント別売上高
セグメント別営業利益
当期よりセグメント区分を変更し、アルミ機能部材事業を「イノベーション材料」から「モビリティ」セグメントへ移管しております。
2023年に遡り新セグメントベースで記載しております。
半導体・電子材料セグメント
当セグメントでは、半導体材料は前連結会計年度第2四半期からの半導体市況の緩やかな回復により増収となりました。デバイスソリューションは、HDメディアがデータセンター向け需要の回復により大幅な増収、SiCエピタキシャルウェハーも販売数量の増加で増収となりました。
この結果、当セグメントは前年同四半期連結累計期間比で増収増益となりました。
モビリティセグメント
当セグメントでは、自動車部品は、自動車生産の回復や新規車種向け製品立上等により増収となりました。リチウムイオン電池材料は、民生向けには需要減速の影響が継続した一方で、電動車向けで数量が増加し増収となりました。
この結果、当セグメントは、前年同四半期連結累計期間比で増収増益となりました。
イノベーション材料セグメント
当セグメントでは、原材料価格の高騰を製品販売価格に転嫁したことや販売数量増により、売上高は前年同四半期連結累計期間比で増収となりました。営業利益は価格転嫁のタイムラグ要因も解消され増益となりました。
ケミカルセグメント
当セグメントでは、石油化学は、ナフサ価格上昇に伴って販売単価が上昇したものの、誘導品の定修の影響で販売数量が減少したことにより減収減益となりました。化学品は、販売単価の値上げ効果が顕現した一方、一部製品で原燃料価格の下落に伴う販売単価及び原価の下落が生じ減収増益となりました。黒鉛電極は、市況低迷の影響を受けた販売数量の減少及び販売単価の下落により減収減益となりました。
この結果、当セグメントは前年同四半期連結累計期間比で減収減益となりました。
財務状況
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、のれん等無形固定資産は減少したものの、現金及び預金が増加し、前連結会計年度末比115億11百万円増加の2兆434億64百万円となりました。負債合計は主に有利子負債が減少し、前連結会計年度末比204億91百万円減少の1兆4,327億93百万円となりました。純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上ならびに為替換算調整勘定の増加により、前連結会計年度末比320億3百万円増加の6,106億70百万円となりました。