事業戦略ーモビリティ
製品ラインナップ・社会との関わり

モビリティ事業の使命
当社は、独自の機能性化学製品やソリューションの用途としてモビリティ分野を特に重視しています。
モビリティの基本性能である「走る・曲がる・止まる」の向上を目指し、材料技術やシミュレーション技術を活用してモビリティ市場でのイノベーションを牽引します。また、顧客との共創を推進し、提案型ソリューション事業への転換と利益を伴った持続的な成長を実現します。

長期ビジョン実現のための強みと競争優位性
レゾナックが持つユニークな材料技術を強みとし、2030年に「世界トップクラスの機能性化学メーカー」「世界で戦える会社」の実現を目指し、顧客との共創を推進していきます。
レゾナックが持つユニークな材料技術
| 製品 | 技術の特長 |
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熱マネジメント周辺製品 |
パワーモジュールインテグレーションセンター(PMiC)の活用により顧客共創を強力に推進。お客さま条件に沿ったモジュール組立・評価により開発期間を短縮 |
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複合成形品 |
自動車用途で培った高強度樹脂ギヤの設計技術を活用。またDSI*成形技術を活用し、今後電動化で要求が強まる冷却器などの熱マネジメント製品を展開 * Die-Slide Injection:複雑な中空体や積層構造体を一体成形できる射出成形技術 |
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外装成形品(樹脂バックドアモジュールや樹脂発泡成形品) |
軽量化やデザインの自由度、それを実現する独自のポリプロピレンコンパウンド、大型射出成形技術 |
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アルミ機能部材 |
汎用アルミ合金には無い耐久性や耐摩耗性を持つ独自のアルミ合金設計技術、再生地金を活用したGHG排出量の低いアルミ合金設計技術。また難易度の高い大型複雑形状の押出加工、接合、水平連続鋳造などを可能とする高いアルミニウム生産技術 |
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粉末冶金製品 |
強度や耐摩耗性、磁気特性等の多様なご要求に対応できる多彩な材料メニューおよび高密度化技術、マルチマテリアル化や複雑形状を実現できる成形技術、接合技術 |
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ブレーキパッド |
欧州の環境規制(EURO7)に対応した、高い制動性と低発塵性の両立を可能とした摩擦材の材料設計技術 |
長期ビジョン実現に向けたモビリティ事業の戦略
モビリティ事業においては、地球環境保護、カーボンニュートラル実現を目指す技術ニーズの高まりを事業機会と捉え、成長戦略として当社の幅広い有機材料・無機材料技術、及び両材料の組合せ技術を活かした事業を展開し、成長を図っていきます。一方で今後市場がシュリンクしていくICE車向けの事業については、生産能力の最適化や固定費対策などにより強靭な収益基盤の構築を図ります。このように事業ポートフォリオをマネジメントし、EBITDAマージン15%達成を目指します。
- 注釈: ICE: Internal Combustion Engine(内燃機関)

モビリティ事業の成長戦略
2030年のありたい姿とロードマップ
| 2030年のありたい姿 | 取り組むべき課題 | 2024年実績 | 2025年計画 |
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『化学の力でモビリティの走る・曲がる・止まるを創造する』
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モビリティ事業 TOPICS 2025
EV向け高性能ディスクブレーキパッドを開発
当社が有する幅広い材料技術を駆使し、EV向け高性能ディスクブレーキパッドを開発しました。2026年量産化を視野に、欧州Tier1ブレーキシステムメーカーにサンプルを提供し、電動ブレーキシステムへの適合性評価を進めています。このブレーキパッドは高い制動力と耐摩耗性を持ち、環境負荷が低く、静粛性にも優れています。耐摩耗性においても、WLTP*走行モードを模擬したブレーキ台上評価において、一般的な欧州ロースチール系ブレーキパッドの30%以下の摩耗粉排出量を実現しました。

欧米市場向け当社ディスクブレーキパッド(イメージ)
* WLTP Worldwide harmonized Light duty driving Test Procedure (乗用車等の国際調和排ガス・燃費試験法)
計算科学によるアルミニウム合金の物性制御とCO2排出量フローの可視化
当社はカーボンニュートラル実現に向けて、計算科学を活用しながら自動車業界からのニーズが高まっているアルミニウム合金開発に注力しています。アルミニウムは軽量で、リサイクル時のエネルギー消費が少ないため、CO2排出量を大幅に削減することができます。アルミニウムのリサイクルでは、不純物元素を含むスクラップの利用率を高めつつ、従来以上に特性を引き出すことが重要になります。
アルミニウム合金をはじめとする金属材料の特性は、原料からさまざまなプロセスを経て変化する材料組織を制御することが不可欠です。当社は、スクラップ由来の不純物元素挙動をサブミクロンオーダーで制御することで、カーボンニュートラルに対応したアルミニウム合金開発を実現しています。物理現象を詳細に把握できる計算科学シミュレーションで各分析技術と連携することで、特性発現メカニズムを解明しつつ、量産プロセス指針獲得を図っています。
また、アルミニウム合金製造に伴うCO2排出量の算定と削減にも、製造現場で積極的に取り組んでいます。計算科学を活用して製造プロセスに応じたCO2排出量のシミュレーターを構築することに加え、サプライチェーン全体でのCO2排出量変動と資源循環の可能性を想定したワークフローを構築しています。当社が再資源化アルミニウム合金をお客さまに提供する意義に加え、サプライチェーン全体を通しカーボンニュートラル実現に向けたCO2削減の最適化に貢献します。


MBD(モデルベース開発)による開発力強化の推進
CASEの進展やカーボンニュートラルへの対応など、新たな技術ニーズや価値基準への対応に加えて開発期間の短縮が重要視されており、主要カーメーカー始めサプライヤーでは、車両全体から末端部品の機能や必要性能をモデル上でシミュレートするMBDの構築が本格化しています。MBD活用の具体例として、独自の材料データベースからMI(マテリアルインフォマティクス)を用いてさまざまな材料の組み合わせを仮装検証し、材料組み合わせを決定しています。さらに、決定した材料特性を元にした3DモデルにてCAE解析を実施することで、すべてバーチャル上にて試作&評価が可能となります。具体例として、熱マネ部材の特性向上技術開発として、お客さまと長年にわたり培ってきた知識と経験、モノづくりのノウハウを応用した当社MBD活用で実験回数を80%以上削減でき、開発所要期間を短縮しています。今後も産学官の研究機関とも連携して材料・製法開発を行い、地域施設での実証実験などを通じて社会に貢献する材料、部材、部品を引き続き提供していきます。
関連コンテンツ
事業による社会課題の解決
| 該当事業・製品 | 社会への貢献ポイント | SDGsターゲットNo. |
|---|---|---|
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樹脂バックドア、外装発泡成形品、樹脂ギヤ |
軽量化による燃費向上でCO2排出量削減 | 7、9、12、13 |
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VGCF |
蓄電池の性能向上と長寿命化により、製品ライフサイクル全体でのCO2排出量削減 | 7、9、12 |
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ノンアスベスト系高性能ディスクパッド |
環境規制に対応した低摩耗粉排出量を実現し環境負荷を低減 | 7、9、12 |
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次世代モーター・コア |
モーターの高効率化によるCO2排出量削減 | 7、9、12、13 |
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車載用アルミニウム合金 |
再生地金やグリーン地金の使用によるCO2排出量削減 | 7、9、13、15 |
