【3分で化学】あだ名は「電気の缶詰」。何の金属でしょう?
2026年01月08日

「電気の缶詰」という言葉を聞いたことがありますか?正解は、アルミニウム(Al)という金属のあだ名です。製造に大きな電力を必要とすることから、そう呼ばれることがあります。 そんなアルミニウムですが、実はリサイクルの優等生とも呼ばれています。 みなさまの暮らす景色に馴染んでいる”化学”や”レゾナック”を紹介する「あれもこれもカガク」。第一回は、アルミニウム(化学式:Al)についてのお話です。
アルミニウムは身近にたくさん
アルミニウムの特徴は軽さと強度を併せ持っていること。 例えば、おにぎりを包むアルミホイルや、調理用のアルミ容器は生活に身近な存在です。また、自販機やスーパーで見かけるアルミ缶も、軽くて持ち運びやすく、密閉性が高いため、飲み物の鮮度を保つのに適しています。 また、耐久性に優れているだけでなく、デザイン性も秀でているため、窓枠やドア、外壁材など現代の建物でも活用されています。 さらに最近では、軽量化することで燃費の向上を図るために、航空機や電車、自動車の部品にも活用されています。これにより環境負荷の低減にも寄与しているんです。 みなさまは今日、いくつのアルミニウムに出会いましたか?

金属界の期待の新人
私たちの生活を包み込むアルミニウムですが、実は、金属としての歴史はまだ浅く、いわゆる”新人”です。人類史において、銅(Cu)は紀元前8,800年頃、金(Au)は紀元前7,000~8,000年頃、鉄(Fe)は紀元前5,000年頃から活用されてきたといわれています。それに対してアルミニウム(Al)は、発見されてからまだ200年ほどしか経っていません。イギリスの電気化学者が元素を発見し、「アルムアム」と命名しました。これがアルミニウム誕生への第一歩です。
「電気の缶詰」と呼ばれるワケ
アルミニウムの発見が遅れた理由は、原料から取り出すことが大変なことも一因です。アルミニウムのもとは「ボーキサイト」と呼ばれる茶色っぽい鉱石。これがアルミニウムに生まれ変わるには、電解精錬という、電気を通すことで不純物を取り除くプロセスが必要です。1トンのアルミニウムを製造するには約16,000 kWhの電力がかかるといわれています(※)。これは1世帯(3人家族・一戸建てを想定)の約3年分の使用量をまかなえるほどの膨大な電力であり、「電気の缶詰」というあだ名の由来でもあります。かつては日本国内でも電解精錬が行われていましたが、オイルショックなどによる電気代の値上がりに伴い、海外で精錬したアルミニウムを輸入し、国内で加工するビジネスモデルに切り替わっています。
※参考:https://www.jilm.or.jp/hanashi/about/about_aluminium/

リサイクルの優等生
一方で、アルミニウムはリサイクルに優れた特性を持っています。アルミニウムのリサイクルは、新たに精錬するよりも遥かにエネルギーを節約できるため、環境にやさしい選択肢です。実際、アルミニウムのリサイクルにかかるエネルギーは、新しいアルミニウムをつくる際の約3%に過ぎません。リサイクルプロセスは比較的簡単で、使用済みのアルミニウム製品(スクラップ)を集めて洗浄し、破砕してから溶かした後、再び新しいアルミニウム製品として生まれ変わります。このプロセスでは、アルミニウムの品質が保持されるため、何度でもリサイクルが可能です。また、スクラップは国内資源なので、その活用により海外依存度を低減できるというメリットもあります。例えば、国内で消費されたアルミ缶の内、なんと97.5%は再生利用されているんです。エコマテリアルとしての実力、あなどれません。

アルミニウムのポテンシャル、いかがでしたか?アルミ製品をみたら「あ!電気の缶詰!」と思いだしていただけたら嬉しいです。
※本記事は、当社公式note(RESONAC(レゾナック)|note)に掲載した内容を再編集したものです。記載内容には公開当時の情報が含まれるため、現状と異なる可能性がある点をご承知おきください。
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