レゾナックナウ

SEMICON Japan 2025 出展レポート

2026年01月08日

SEMICON Japan 2025

2025年12月17日から3日間「SEMICON Japan(セミコン・ジャパン)2025」が東京ビッグサイトで開催され、レゾナックはAPCS展示エリアに出展いたしました。この記事ではブース説明員への社内インタビューを通して、今回の出展結果をご報告いたします。

レゾナックブースに多数の来場者、会場全体も盛況

-レゾナックブースにはどのくらいの来場者訪問があったでしょうか。

来場者情報の読み取り件数ベースで、3日間で約3,000名の方に訪問いただき、昨年の実績を上回りました。日本国内からだけでなく、海外からも多数訪問いただきました。SEMICON Japan2025全体でも延べ来場者数が昨年の約10万人に対して今年は約12万人となっており、日本の半導体業界に対して世界中の関心が高いことを感じています。

-今回の出展の概要と、出展を通して来場者の方に伝えたかったことを聞かせてください。

今回の出展では、現在の先端である2.xDパッケージ向け材料、次世代の光電融合パッケージ向け材料、JOINT2の最新の成果、JOINT2参画企業の製品、JOINT3の概要、などをご紹介しました。レゾナックは、前工程から後工程まで幅広い製品を揃え、世界シェアトップクラスの製品も多数提供している共創型の材料メーカーです。今回の出展ではそうしたレゾナックの「総合力」を知っていただきたいと思い、JOINT2で試作した有機インターポーザーの展示や、ブース内でのプレゼンも実施いたしました。

JOINT2で試作した有機インターポーザー
(左):L/S=1/1μm配線を形成したRDL*インターポーザー (φ300mmサイズ)
(中):L/S=2/2μm配線, 4 μmφビアを形成したRDLインターポーザー(320mm×320mmパネルサイズ)
(右):L/S=5/5μm配線(封止面上)を形成したモールドインターポーザー**(515mm×510mmパネルサイズ)
*Redistribution Layer (再配線層)の略
**各層を見易くするため4分割で展示

先端半導体「2.xDパッケージ」とは?

-現在の先端である「2.xDパッケージ」の概要について教えてください

2.xDパッケージとは、メモリとプロセッサーの間のデータ伝送を従来のようなマザーボードの回路経由ではなく、「インターポーザー」という中間基板経由で行うもので、データの高速伝送が可能となります。生成AIの普及によりデータの処理量は飛躍的に増加しており、それに対応するためのパッケージの構造となります。

データ処理量の増大で半導体パッケージの高性能化が求められ、その結果、搭載するメモリやプロセッサーの数が増える傾向にあり、これらのチップを載せるインターポーザーのサイズも大きくなっています。大型のインターポーザーは、現在インターポーザーの基材として使われている直径300mmの円形ウエハからは数枚しか切り出せません。そのため業界では、より多くのインターポーザーを切り出すことができる515mm×510mmの四角のパネルを新たな基材として採用する動きになっています。

四角のパネルでインターポーザーを試作したり、それを搭載した半導体パッケージを作るには、新しい材料や装置が必要です。レゾナックは研究開発拠点のパッケージングソリューションセンターを軸として、JOINT2、JOINT3といったコンソーシアムでの活動も含めて、2.xDパッケージ向けの材料や、さらにその先の次世代パッケージ向けの新材料の開発を積極的に進めています。

従来の半導体パッケージと、2.xDパッケージの構造の比較

先端半導体パッケージ用材料のキーワードは3つ

-今回展示された2.xDパッケージ用の材料のトレンドについて教えてください

現在の先端である2.xDパッケージ用の材料の課題は「熱対策」「反り制御」「配線微細化対応」の3つです。
1つ目の「熱対策」ですが、搭載チップの増加により消費電力が大幅に増えており、半導体パッケージ動作時の発熱量も増大しています。この熱をいかに逃がすかが先端パッケージの最大の課題となっています。この熱対策のために、レゾナックはTIM、封止材、ダイボンディングフィルムといった、チップ周辺のすべての材料で高放熱化を推進しています。

2つ目の「反り制御」ですが、半導体パッケージの高性能化に伴いパッケージのサイズも大きくなっており、熱により発生する反りの制御も重要な課題となっています。レゾナックはパッケージ基板用材料だけでなく、ソルダーレジストや封止材でも低CTE・低温硬化・低弾性率といった反り制御対策を推進しています。

3つ目の「配線微細化対応」ですが、インターポーザーの配線ピッチは2028年頃に量産品でL/S=1μm/1μmまで微細化する見込みです。レゾナックは感光性材料の高解像度化や、ブリッジダイ(微細接続用のSiチップ)埋め込み後の封止面の平坦化などで配線微細化に対応しています。

次世代の光電融合パッケージ向け材料に関心が集まる

-今回参考出展となった、光電融合パッケージ向けの材料はどのようなものでしょうか?

光電融合パッケージとは、データ伝送の一部を光信号で行うもので、光信号と電気信号の変換機能を内蔵しています。光信号の利用で、現在の先端である2.xDパッケージよりもデータ処理能力が向上し、さらに動作時の消費電力も大幅に低減することが見込まれています。

パッケージ内には、光信号を電気信号に変換する「PIC(フォトニック集積回路)」があり、パッケージ外部から光ファイバー経由で送られてきた光信号をFAU(ファイバーアレイユニット)経由や光導波路経由でPICに取り込む構造が検討されています。

今回はPICとFAUを接合する接着材や、パッケージに組み込む光導波路を参考出展し、来場者の方に高い関心を持っていただけました。光電融合パッケージでの成功を目指す日本企業は多く、SEMICON Japanでの関心が高かったのだと思います。

光電融合パッケージの構造の概略(例)とレゾナックの材料の使用箇所

コンソーシアム「JOINT2」の最新の成果を報告

-今回ブース内プレゼンでも紹介された、JOINT2の成果について教えてください

「JOINT2」は、2021年にレゾナック(当時は昭和電工マテリアルズ)が設立した、材料・装置メーカーの14社が参画するコンソーシアムで、2.xDパッケージ向けに「微細バンプ接合技術」、「微細配線形成技術」、「高信頼性大型基板技術」の3つのテーマで技術開発を進めてきました。

1つ目の、10μmピッチの「微細バンプ接合技術」では、ボンディング成功率は41%から85%まで向上し、10μmピッチでのアンダーフィル充填にも成功しています。

2つ目の、「微細配線形成技術」では、適切な材料、装置、プロセスを用いることで、L/S=1/1μm配線のRDLインターポーザーの形成に成功しています。またパネルレベルの有機インターポーザーにおいてL/S=2/2μmの多層配線の形成、4μmビアの一括形成に成功しています。さらに515mm×510mmの大型パネルでのモールドインターポーザー組み立てにも成功しています。

3つ目の、120mm×120mmサイズでの「高信頼性大型基板技術」では、ウエハレベルプロセスにおいてアンダーフィルのチップ下充填性と低反りの両立を実現し、基板実装プロセスへ進むことができました。また反り対策のために低融点はんだも利用しており、温度サイクル試験後にクラックなく実装できていることも確認済です。現在、140mm×140mmサイズのパッケージの信頼性を検証しています。
JOINT2の活動は2026年で終了する予定ですが、おおむね当初の開発目標は達成できる見込みとなっています。

JOINT2の3つの開発テーマ

パネルレベル有機インターポーザーに向けての新たな共創

-今回プレゼンでも紹介された。JOINT3の概要について教えてください

「JOINT3」は、レゾナックが2025年8月に設立したコンソーシアムで、515mm×510mmサイズのパネルレベル有機インターポーザー向けの材料と装置、設計ツールの技術を開発するのが主な目的です。

インターポーザーの大型化や素材の樹脂化に伴い熱膨張による反りやチップ搭載時の位置ズレなどが発生しやすくなり、また円形のウエハから四角のパネルになることで液の均一塗布が困難になるなど、さまざまな課題が発生します。これらの課題を解決するためにはプロセス全体を通した研究開発が必要であり、JOINT3が設立されました。

JOINT3の参画企業は半導体材料メーカー、装置メーカー、設計ツールメーカーに渡る27社で、海外の企業も参画しています。パネルレベルの有機インターポーザーの製造には前工程の技術も必要になるため、JOINT2の時よりも前工程に関わる企業も多く参画しています。

JOINT3では、レゾナックの新しい開発拠点「先端パネルレベルインターポーザーセンター(APLIC)」の515mm×510㎜のパネルレベル有機インターポーザー試作ラインを活用し、参画企業の共創による試作・評価で、材料や装置の開発を加速していきます。

ブース内プレゼンでのJOINT3の紹介の様子

2026年のレゾナック

-最後に、2026年の半導体業界におけるレゾナックの動きについて聞かせてください

2026年には、現在建設中のAPLICでパネルレベル有機インターポーザー試作ラインが稼働開始し、JOINT3での共創が本格化します。また米国企業も参画してお客さまとのコンセプト検証などを行うコンソーシアム「US-JOINT」においても、2026年にシリコンバレーの研究開発拠点が稼働し活動が本格化する予定です。2026年もレゾナックの共創にご期待ください。

※2025年12月25日に社内インタビューを実施。組織名や拠点名などはインタビュー実施当時のものです。

 

関連記事